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2017年5月25日 (木)

大阪市に対する多数回にわたる面談強要等⇒損害賠償請求・差止請求(認容)

大阪地裁H28.6.15      
 
<事案>
X(大阪市)が、Xに対して多数回にわたって情報公開請求を行ったり、質問文書の送付や架電等による不当な要求行為を繰り返したYに対し、
面談強要行為等の差止めを求めるとともに、
不法行為に基づく損害賠償請求として、
主位的にYへの対応を余儀なくされたXの職員らの給与及び超過勤務手当相当額を、
予備的に、Xの職員の超過勤務手当相当額
及び弁護士費用相当額の一部の支払を求めた。 
 
<判断> 
●業務妨害行為に対する差止請求の可否 
Xが普通地方公共団体として法人に該当することを前提に、
法人の業務が、当該法人の財産権やその業務に従事する者の人格権を包含する総体としてとらえられる

法人に対して行われた当該法人の業務を妨害する行為が、当該行為を行う者による権利行使として相当と認められる限度を超えており、当該法人の資産の本来予定された利用を著しく害し、かつ、その業務に従事する者に受忍限度を超える困惑・不快を与えるなど、業務に及ぼす支障の程度が著しく、事後的な損害賠償を認めるのみでは当該法人に回復の困難な重大な損害が発生すると認められるような場合には、
当該法人は、前記妨害行為が、法人において平穏に業務を遂行する権利に対する違法な侵害に当たるものとして、
前記妨害行為を行う者に対して、
不法行為に基づく損害賠償を請求することができるのみならず、
平穏に業務を遂行する権利に基づいて、前記妨害行為の差止めを請求することができる。

Yによる業務妨害行為は、条例により認められた情報公開請求や、Xが広聴活動の一環として行っている「市民の声」制度等を利用した質問等⇒いずれもその権利行使としての側面を有する。
but
①Yが行った情報公開請求の中には、特定のXの職員の経歴等が記載された文書が対象として含まれ、Yがこれによって得た情報をもとに、当該職員を侮辱するような発言を行ったりした
②Yが、窓口で対応したXの職員に対して大声で暴言を吐いたり、脅迫的な発言を繰り返すなどして、長時間にわたる対応を余儀なくさせたこと等。

Yの行為は、その頻度や態様等に照らすと、正当な権利行使として認められる限度を超えるものであって、Xの資産の本来予定された利用を著しく害し、かつ、その業務に従事する者に受忍限度を超える困難・不快を与え、その業務に及ぼす師匠の程度が著しいもので、今後も、このような行為が繰り返される蓋然性が高いということができる。

Yに対して事後的な損害賠償責任を認めるのみでは、Xに回復の困難な重大な損害が発生するおそれがあるというべき⇒差止請求を認容
 
●損害賠償請求について:
Yの行為が権利行使に付随して行われたもの

Xの職員が行った労働行為の対価たる賃金相当額や、超過勤務手当相当額が、そのまま損害となると認めることはできない。

本件の損害は、その内容・性質に照らし、その額を立証することが極めて困難
民訴法248条に基づき、その損害の額を80万円と認め、その限度でXの請求を認容。 
 
<解説>
事業活動を阻害されたことによる経済的な損害について民訴法248条を適用した事例は多い。 

判例時報2324

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