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2017年5月 5日 (金)

弁護士の懲戒処分の差止め・決定の違法確認等(不適法)

東京地裁H28.4.14      
 
<事案>
労働事件の双方の当事者、その代理人である弁護士らが相互に懲戒請求。
一方の当事者、弁護士が懲戒処分の差止め、損害賠償、弁護士会の決定、日弁連の決定の違法確認等を請求。 

<事実>
弁護士X1は、平成25年8月頃まで、A学校法人の委任を受け、労使交渉等の助言を行う等。
同年9月、Aの労働組合の代理人としてAに団体交渉を申し入れる等。

Aは、平成25年11月、X1につきY1弁護士会に対して、委任契約書の不作成、報酬の説明懈怠、過大な報酬、秘密保持義務違反等を理由に懲戒請求。

X2は、Aの職員であったが、平成26年3月、解職処分⇒X1が代理人となり、Aに対して仮処分を申し立て、訴訟を提起。
X2は、、平成26年11月、X1を代理人として、Aの監事である弁護士BにつきY2弁護士会に懲戒請求。
⇒Y2の綱紀委員会(Cが部会長)がBにつき事案の審査を求めないことを相当する旨の議決をし、Y2は、Bを懲戒しない旨を決定⇒X2は、X1を代理人としてY3連合会(日弁連)に対して異議の申出⇒Y3は、同年8月、異議の申出を棄却。
⇒X2は、X1を代理人として、CにつきY2に懲戒請求の申立て⇒Y2は懲戒しない旨の決定。

Y1の綱紀委員会は、X1につき事案の審査を求めることを相当とする旨の議決。
 
<訴訟> 
X1、X2の提起した訴訟
Y1に対するもの:
①Y1の綱紀委員会の決定による懲戒処分につき独禁法24条に基づく差止め(X1のみの請求)、
②主位的に不法行為に下づk損害賠償、予備的に前記決定の違法の確認をするもの

Y2に対するもの:
Y2がB、Cに関する懲戒をしない旨の決定が違法である等と主張し、
主位的に不法行為に基づく損害賠償
予備的に前記決定の違法の確認を請求

Y3に対するもの:
異議の申出を棄却する決定につき 、
主位的に不法行為に基づく損害賠償
予備的に前記決定の違法の確認を請求
 
<争点>
①各訴えの適法性
②独禁法24条の該当性
③各不法行為の成否
④損害発生の有無等 
 
<判断>
Y1に対する請求のうち、差止請求について、

綱紀委員会の決定が出されたにすぎない段階で懲戒事由の存否、効力、適否等につき司法審査の対象とし、懲戒処分の差止めを求めることは、弁護士法の趣旨等に照らして許されない⇒不適法

懲戒処分が公の権力の行使として行われるものであり、広い意味での行政処分行政処分の効力に係る差止めの訴えは、民事訴訟として許容されるものではなく、不適法。 

損害賠償請求について:
綱紀委員会の決定の段階で懲戒対象者に生じる不利益は、通常生ずる程度の不利益の限度を超えるものではなく、法律上保護される利益の侵害が認められない不法行為の成立を否定

違法確認請求について、確認の利益を否定。
Y2、Y3に対する判断も同様。

判例時報2322

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))
 

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