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2017年4月15日 (土)

離婚事件の訴訟記録の閲覧等制限申立てが否定された事例

東京高裁H27.9.11      
 
<事案>
離婚及び親権者の指定を求める基本事件において、民訴法92条1項1号に基づき、訴訟記録の全部について閲覧等制限の申立て。

①Xが在京キー局の名物プロデューサーとして広く知られているとしても、あくまで一般の私人であって、私生活に関する秘密は広く保護されるべき
②第三者が本件訴訟記録を閲覧した場合に、世間から好奇の目にさらされるほか、担当番組の視聴率等に影響し、会社内での立場が危うくなること等によって、Xが社会生活を営むのに重大な支障を生ずる。
 
<規定>
民訴法 第92条(秘密保護のための閲覧等の制限)
次に掲げる事由につき疎明があった場合には、裁判所は、当該当事者の申立てにより、決定で、当該訴訟記録中当該秘密が記載され、又は記録された部分の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下「秘密記載部分の閲覧等」という。)の請求をすることができる者を当事者に限ることができる。
一 訴訟記録中に当事者の私生活についての重大な秘密が記載され、又は記録されており、かつ、第三者が秘密記載部分の閲覧等を行うことにより、その当事者が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあること。
 
<原決定>
①基本事件の主張ないし証拠の記載が、人事訴訟における一般的な審理対象の域を出ず、当事者、関係者等の特定情報も含め「重大な秘密」に当たるということはできない。
すでに第三者が本件訴訟記録を閲覧している状況下において、Xが社会生活を営むのに著しい支障が生ずるおそれがあるとの疎明はない。
⇒申立てを却下。
 
<判断>
単に世間の関心が寄せられているかどうかによって、私生活上の秘密としての重要性が左右されるものとは考え難い。
勤務先での立場に影響が生じているとの疎明があったとはいえず、すでに報道機関による報道やインターネット上の記事の掲載等によって広く知れ渡っている本件において、第三者による基本事件訴訟記録の閲覧等を考慮することは相当

⇒Xの抗告を棄却。 
 
<解説>
私生活上の秘密についての判断において、すでに公開されているとされる情報に関して、

大阪地裁H11.8.30:
公開している内容については、もはや申立人の私生活上の秘密であるとはいえないことは明白であるところ、閲覧等の制限を求めている申立人が本訴被告から受けたとするわいせつ行為の核心部分はいずれも既に公開されている
⇒私生活上の秘密であるとはいえない。 
but
第三者が基本事件の訴訟記録を閲覧しているのみで、報道機関による報道等がない場合ににも、同様と考えるかどうか、その公然性に関しては慎重に検討すべき。

判例時報2320

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