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2017年4月15日 (土)

道路法58条1項に基づく原因者負担金が共済約款上の「法律上の損害賠償責任」に含まれるとされた事例

東京高裁H27.6.24      
 
<事案>
A社が保有しその従業員Bの運転する貨物自動車が、首都高速道路走行中に横転し、けん引していたタンクセミトレーラーに積載していたガソリン等が炎上する事故が発生してコンクリート橋脚等の道路構造物が損傷⇒橋桁架け替え等の作業費用として、17億3883万3815円を要した。

首都高速道路を管理するC社は、A社に対し、道路整備特別措置法40条1項、道路法58条1項に基づき、原因者負担金の支払を求めたが、A社が道路整備特別措置法45条3項に基づく督促によっても本件負担金を納付しなかった

C社は、本件負担金の徴収権限を有するXに対し、本件負担金の徴収を申請。 
Xは、同条、道路法73条1項、2項に基づき、督促処分をしたが、A社による審査請求を棄却する裁決がされて抗告訴訟の提起もなく、督促処分は確定。

Xは、道路法73条3項、国税徴収法47条に基づき、本件負担金及び督促手数料を徴収するため、A社のYに対する共済契約に基づく共済金支払請求権を差し押さえ、取立訴訟を提起
 
<争点>
共済約款上の「法律上の損害賠償責任」に原因者負担金の負担責任が含まれるか? 
 
<判断>
①原因者負担金制度は、特定の者の行為が原因で生じた道路の損傷や汚損等がある場合、道路の本来の機能を迅速に回復させるとともに、工事等に要する費用を迅速に徴収して、一般納税者や一般道路利用者の負担を軽減する意味で公益に資するものであって、そのため行政上の強制執行を行うことまで可能とされている
損害保険契約は、被保険者等に生じた経済的損失ないし不利益を保険者ないし共済組合等がてん補することをその本質としており、原因者負担金を、損害の対象からあえて排除するとの意思を有していること解することは困難
③Yも含めて保険会社又は共済組合から道路管理者に対して、原因者負担金が支払われ続けている 

共済約款上の「法律上の損害賠償責任」に原因者負担金の負担責任が含まれる。 

判例時報2320

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