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2017年4月23日 (日)

不貞行為を認定しその者からの婚姻費用分担請求につき、子らの養育費相当分に限って認めた事例

大阪高裁H28.3.17      
 
<事案>
Yは、XとYが別居に至った原因は、専らX(妻)の不貞によるもの⇒Xによる婚姻費用分担金の請求は権利濫用に当たる。
 
<規定>
民法 第760条(婚姻費用の分担) 
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
 
<原審>
XとYが再度同居した後、Xと別の男性乙(長女の習い事の先生)とのソーシャルネットワークサービス上の通信において、一定程度、相互に親近感を抱いていることをうかがわせる内容ものがあることが認められる。
but
このことをもって、Xと男性乙が不貞関係にあったとまではみることはできず、XとYが別居に至った原因が専らXの不貞によるものとみることはできない。
⇒Yに対し、婚姻費用の支払を命じた。 
 
<判断>
Xと男性甲との関係については、(Yとの別居中に)不貞関係があったからといって、直ちにXの婚姻費用分担請求が信義に反しあるいは権利濫用に当たるとは評価することはできない。 
but
(XとYとの再度同居後の)Xと男性乙との関係については、ソーシャルネットワークサービスを使い、単なる友人あるいは長女の習い事の先生との間の会話とは到底思われないやりとりをするような関係⇒これによれば不貞行為は十分確認される。

XのYに対する婚姻費用分担請求は、信義則あるいは権利濫用の見地から、子らの養育費相当分に限って認められる。
 
<解説>
夫婦は、その資質、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する(民法760条)。

婚姻関係の破綻そのものによって婚姻費用分担義務が軽減されると解した裁判例もある。
vs.
婚姻費用分担義務は、婚姻という法律関係から生じるもので、夫婦の円満な関係、協力関係の存在という事実関係から生じるものではないとする立場も有力。

破綻ないし別居について専ら又は主として責任がある者の分担請求は、信義則あるいは権利濫用の見地から許されない、あるいは軽減されるとするのが裁判例の大勢

判例時報2321

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