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2017年4月 1日 (土)

建物の一部の無断転貸人の転借人に対する、共用部分を適切に維持管理して使用させる義務(肯定)

東京高裁H27.5.27      
 
<事案>
Yは、本件ビルの所有者であるAから本件建物の一部を賃借していた者であるが、Xとの間でAらの承諾を得ないで転貸借契約を締結。 
その後、本件ビルの配水管のうち共用部分が詰まったために、本件建物の厨房の床の排水口から汚水が逆流して厨房が汚水で溢れるという事故が2回発生。
⇒Xは、Yに対し、債務不履行に基づく損害賠償請求等を求める。
 
<争点>
無断転貸の場合に当該転貸人が転借人に対し、共用部分を適切に維持管理して使用させる契約上の義務を負うか? 
 
<原審>
YがXに対し、本件建物部分の使用収益義務を負っているとしても、その範囲は、Xが本件転貸借契約が無断であることを知っていたから、Aらに対し適切な情報提供を行い、Aらからその対応を求める程度のものにすぎず、本件ビルの所有者でないYが、本件ビル全体の配管について、Xのために自ら配管を清掃する義務も権限もない。
⇒債務不履行責任を否定。
 
<判断>
転貸がされたからには転貸人において貸主としての義務が当然に発生
転貸人には排水管の共用部分を適切に維持管理して転借人に使用させる契約上の義務が発生
転貸人において共用部分の維持管理を自ら行うことができないという事情をもって、貸主としての義務を軽減させるものではない
⇒債務不履行責任を肯定。
 
<解説>
本判決は、無断転貸の場合でも、転貸人が転借人に対して共用部分の維持管理をすべき義務があると認めたもの。

判例時報2319

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