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2017年4月 4日 (火)

歯科医師の説明義務違反を認めた事例

東京地裁H28.4.28      
 
<事案>
Yの開設する美容外科・歯科医院(Y医院)で差し歯治療を受けたXが、担当医師らの不適切な治療により歯肉炎や差し歯の脱落などが起こり、また、事前の説明がないまま天然歯を削られたなどと主張して、Yに対し、債務不履行に基づき損害賠償訴訟を提起。 
 
<判断>
Xの受診目的は、左上1番の差し歯が曲がったことの修補のみならず、全体の見た目をきれいにするためのものと認定。
Xの症状である右上2番ないし左上4番の歯肉炎や、右上2番ないし左上2番の差し歯の脱落等については、A医師や、B医師の治療に責任があると認めるに足りる証拠は存在しない⇒Yの責任を否定。

A医師が、天然歯である左上4番を削った点についての説明義務違反:
①審美目的の医療行為については、医学的必要性や緊急性が乏しく、患者の主観的願望を満足させるために行われるもの⇒医師は、患者に対して通常よりも丁寧に説明し、患者が当該医療を受けるか否かについて十分な情報を基に熟慮の上決断できるように配慮すべき義務を負う
~通常よりも厳格に評価するのが相当。
②左上4番は医学的には治療する必要のない天然歯であり、一度削ってしまえば二度と元に戻すことはできなくなることなどを丁寧に説明すべ義務を負っていた。
診療録には説明に関する記録なし
説明義務違反がある

説明義務違反と因果関係がある損害は30万円、弁護士費用3万円で、合計33万円の限度で請求を認容。
 
<解説>
最高裁H13.11.27:
医師の説明義務について、
「特別の事情のない限り、患者に対し、当該疾患の診断(病名と病状)、実施予定の手術の内容、手術に付随する危険性、他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などについて説明すべき義務がある。」

判例時報2319

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