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2017年4月 7日 (金)

遺留分減殺の意思表示が1042条前段所定の期間経過後になされたとされた事例

東京地裁H28.2.26      
 
<事案>
Xら及びYは、いずれも亡Aの相続人。
Xらが、亡Aが所有していた株式の生前贈与を受けたYに対し、遺留分減殺請求権を行使したと主張⇒Xら各自に対し、株式の引渡しなどを求めた。 

X1は、Yを含む亡Aの相続人を被告として、二度にわたり訴訟を提起。
第1次訴訟:Yは、亡AがB社に係る株式をYに贈与する内容の贈与契約を偽造したと主張し、B社に係る株式は、亡Aの遺産であることの確認を求めたが、裁判所は、X1の請求を否定。
第2次訴訟:X1は、Yが、C社、D社及びE社に係る株式につき、亡Aに無断で名義書換手続を行ったなどと主張し、株式が亡Aの遺産に属するとの確認を求めたが、裁判所はX1の請求を否定。
 
<規定>
民法 第1042条(減殺請求権の期間の制限)
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
 
<争点>
①Xらの遺留分減殺請求権について消滅時効の成否
②遺留分侵害額 
 
<判断> 
遺留分減殺請求権の消滅時効の起算点:
Xらは、Xらの遺留分減殺請求権の消滅時効の起算点につき、第1次訴訟の敗訴判決が確定した日と主張。
but
①Xらが、株式の贈与が虚偽であると信じたことについての裏付けとして指摘する各証拠の内容
②第1次訴訟における一審及び控訴審の各判決の内容
③Xらは、第1次訴訟の控訴審判決が言い渡されるまでの間に、亡Aの各財産につき価値を把握しうる状態にあった
③B社、C社、D社及びE社に係る各株式のうち、第1次訴訟において問題となっていたB社に係る株式の価値が相当程度の割合を占めていた

遅くとも、Xらが第1次訴訟の控訴審判決の主文及び判決理由を知った時期には、Xらが、贈与の存在及びこれが減殺できるものであることを知っていたことが推認され、同時期が前記消滅時効の起算点。 
Xらが遺留分減殺の意思表示を行った時期について、消滅時効の起算点から1年を経過した時期。

判例時報2319

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