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2017年3月18日 (土)

弁護士報酬の算定事例

東京地裁H27.10.29      
 
<事案>
弁護士が依頼者に対して着手金、報酬を請求し、委任の範囲、報酬額等が問題になった事件。 
BがY、Cを相手に、遺産分割の調停を申し立てた。
Yは、X、Dに代理人となることを委任し、YとXは、委任に係る報酬について、
経済的利益の額を1500万円、着手金は1年あたり52万5000円(始期平成23年12月)、報酬は上限を150万円として事件終結後成果等を勘案し、協議して決める旨の合意。

Aは、遺言を作成していたことから、本件調停事件で遺産分割の対象となったのは基本的には複数の不動産。
本件調停事件は、平成24年、審判手続に移行する等したが、Aの遺産のほか、B、C、Yの間で共有関係にあった多数の物件(権利関係に争いはなく、誰がどの物件を取得するかで意見の対立)の共有状態の解消も問題となった。
Yの代理人であるXらと、B、Cとの間で、平成26年1月、Aの前記遺産、共有状態にあった前記物件につき遺産分割、共有状態の解消による分割を内容とする調停が成立。

Yは、同年3月、Yに報酬250万円の支払を求める旨を通知し、Yは、同年4月、報酬として100万を支払った。
Xは、主位的に、委任契約に基づき着手金残金52万5000円、報酬金162万5000円があると主張し、
予備的に、不当利得を主張し、同額の支払を請求。
 
<争点>
①当初委任契約以後の共有物件の共有関係の解消に係る拡大委任契約の成否
②着手金の額
③報酬の額 
 
<判断>
当初委任契約の委任条項が本件調停事件に関して包括的な定めであり、調停事項の対象が拡大された場合、拡大された対象に関する処分行為も当然に代理権を付与する旨の合意が含まれていた。
⇒遺産以外のYらの共有物件にも代理権が付与された。

当初の本件報酬合意には拡大された事項に関する報酬合意まで当然に含まれているとはいえない。

①調停の成立を踏まえて本件調停事件の弁護士報酬の額を検討し、法律相談あっせんセンターあっせん弁護士の報酬に関する細則の規定を適用し、Yが取得した持分の価額の3分の1を経済的利益と考えると84万7158円となる。
②本件調停の内容が当初想定していた遺産分割に比してYに相当の利益があった。
⇒報酬額が上限の150万円と認め(未払分は50万円)、着手金は1年3か月分を認め(未払い分は13万1250円)、Yの不当利得を否定し、主位的請求を一部認容し、予備的請求を棄却。

判例時報2317

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
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