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2017年3月19日 (日)

裁判官の釈明権の行使が違法とされた事例(国賠請求)(肯定)

神戸地裁H28.2.23      
 
<事案>
別件過払金等請求事件、損害賠償事件を担当していたB裁判官は、平成24年4月24日、口頭弁論を終結。
B裁判官は、Xの訴訟代理人弁護士が退廷したところ、A社の訴訟代理人に対して、別件損害賠償請求権の消滅時効について釈明権を行使。
B裁判官は、本件釈明をした直後に口頭弁論の再開をし、同日、口頭弁論期日を開き、A社は、別件損害賠償請求権について消滅時効を援用。
⇒請求棄却の判決。 
 
<規定>
民訴法 第149条(釈明権等)
裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。
2 陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。
3 当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。
4 裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第一項又は第二項の規定による処置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。
 
<判断>
●最高裁H2.7.20は、裁判官が行った争訟について責任を肯定するためには、裁判官が違法又は不当な目的をもって裁判をしたなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると判示。 
裁判官が行う釈明権の行使は、裁判の内容形成に密接にかかわるものであって、争訟と異にする理由は当たらない⇒前記最高裁が示した規範がそのまま当てはまる。

●本件釈明が民訴法149条に反した行使態様か否かについて、行使時期、行使の必要性について詳細に検討し、直接民訴法149条に反し、Xの訴訟法上の利益を侵害したとはいえない。

本件釈明により、Xが公平な裁判かつ公開の法廷における適正手続を受ける権利を侵害されたか?
対席での釈明に特段の支障があるわけではないのに、当事者の一方がいないところで、他方当事者に対して有利な結論に直結する消滅時効の援用について釈明をすることは、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものといえ、違法である。
損害賠償として慰謝料5万円、弁護士費用5000円を認容。
 
<解説>
裁判官が行う「争訟の裁判」については、最高裁H2.7.20のほか、同昭和57.3.12も同様の判断。 

判例時報2317

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