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2017年3月31日 (金)

馬券の的中による所得が雑所得と認められた事例

東京高裁H28.4.21      
 
<事案>
Xは、馬券の的中による払戻金に係る所得について、雑所得に該当するとして確定申告
⇒所轄税務署長から、本件競馬所得は一時所得に該当し、かつ、外れ馬券の購入代金を総収入金額から控除することはできないとして、更正処分及び賦課決定処分を受けた。
⇒各更正処分のうち確定申告額を超える部分及び各賦課決定処分の取消しを求めた
 
<争点>
①Xの購入態様による本件競馬所得が「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」に該当するか
②外れ馬券の購入代金が必要経費にあたるか 
 
<判断> 
①Xによる各年における回収率がいずれも100パーセントを超え、多額の利益を恒常的に得ていた⇒期待回収率が100パーセントを超える馬券を有効に選別し得る何らかのノウハウを有していたことが推認される

Xが独自のノウハウに基づいて長期間にわたり多数回かつ頻繁に当該選別に係る馬券の網羅的な購入をして100パーセントを超える回収率を実現することにより多額の利益を恒常的にあげていた。
②このような一連の馬券の購入は一体の経済活動の実態を有するということができる

①本件競馬所得について雑所得に該当する
外れ馬券の購入代金につき必要経費として雑所得に係る総収入金額から控除される

原判決を取り消し、各更正処分及び各賦課決定処分をいずれも取り消した。 

判例時報2319

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