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2017年2月10日 (金)

事故で全損した福祉車両の代車料相当の損害賠償(肯定)

東京地裁H28.2.5      
 
<事案>
信号待ちのため停車中の車両への追突事故によりクレーン・スロープ等が装備された福祉車両が全損⇒車両の時価相当額のほか買替えまでの55日分の代車料41万円等を請求。
 
<判断>
●本件事故前の状況:
①原告は、体幹機能障害により起立位を保つことが困難であるとして身体障害者2級の認定を受け、電動車いすを使用
②原告の配偶者は、原告との間の子(幼児)の監護養育、原告の通院・外出等の送迎のため、自動車を使用する必要があった

③原告は、女性である配偶者が一人で電動車いすを昇降することができるように、クレーンやスロープ等が装備された福祉車両(本件車両)を購入し、配偶者がこれを原告の通院、買物等の日常生活において使用してきた。
本件事故により、本件車両が全損。

原告は、ディーラーから、電動車いすを乗せることができる車内空間があり、かつ、女性一人で電動車いすを昇降できるクレーンやスロープ等が装備された福祉車両を月額20万円で借り受けた。
これを配偶者が原告の通院や、常時介護を要する原告や幼児を同伴しての買物等の日常生活で使用。
買換車両は、福祉車両で注文生産⇒注文から納車まで2か月近くを要した。


原告には、主張の55日間の期間につき代車使用の必要性があった
代車の車種についても、ディーラーには本件代車以外に適当な車両がなかったその選択の必要性、相当性あり。 
⇒41万円全額について損害と認めた。
 
<解説>
代車料:車両が損傷して、その修理や買換えのために車両を使用できなかった場合に、有償で他の車両を貸借するのに要した費用。
これが損害として認められるためには、①実際に代車を使用したことのほか、②代車を使用する必要性があることを求めるのが実務。 

被害者量が営業車両⇒代車の使用は不可欠であるとしてその必要性を認められることが多い。
マイカーとして使用⇒裁判例や保険実務はこれを認めるのに消極的との指摘。
ex.主婦が代車を使用した事案において、その使用目的(買物、習い事、孫の送迎)や使用頻度等から、代車使用の必要性を否定した裁判例。

代車のグレード:
通常、代車は事故車両と必ずしも同一である必要はなく、事故車両の用途に照らし、それに相応する車両であればよい。

代車使用の期限の相当性:
代車は、現実に修理や買換えに要した期間のうち相当な期間に限り認められるところ、修理や買換えに必要かつ相当な期間は、損傷の部位・程度や事故車両の車種等により異なるものの、一般論としていえば、修理の場合は概ね2週間程度、買換えの場合は概ね1か月程度と感がられる。

判例時報2313

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