« 「傍観者の役割」 | トップページ | 自動車事故工学鑑定の意見書(私的鑑定)の信用性を排斥した事案 »

2017年2月11日 (土)

労災認定で認められた高次脳機能障害が否定された事案

さいたま地裁熊谷支部H28.3.14      
 
<事案>
原告が軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害に罹患⇒被告に対し、自賠法3条、民法709条に基づき損害賠償請求。
被告が、原告の高次脳機能障害の発症を否認するとともに、別件の交通事故による後遺障害が影響しているとして素因減額を主張。
 
<争点>
①本件事故により原告が軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害を発症したか否か。
②本件事故の前に発生受傷した別の交通事故による既往症についての素因減額の可否。 
 
<判断>
本件事故前後の原告の医療機関における治療経過や各種検査結果等を詳細に認定した上、WHO(世界保健機関)が平成16年(2004年)に示した軽度外傷性脳損傷の診断基準及びこれを受けて自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討委員会が平成23年3月4日に発表した「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について(報告書)」と題する報告書において整理確認された医学的知見を当てはめ、

①原告には本件事故直後の意識障害がない
脳の器質的損傷を裏付ける画像所見がない
原告の症状の経過

原告について、本件事故により、軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害を発症したと認めることはできない。

本件事故の前に発生受傷した別の交通事故による既往症を考慮し、本件事故により発生した原告の損害の3割を素因減額。

判例時報2313

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 「傍観者の役割」 | トップページ | 自動車事故工学鑑定の意見書(私的鑑定)の信用性を排斥した事案 »

判例」カテゴリの記事

民事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132655/64880508

この記事へのトラックバック一覧です: 労災認定で認められた高次脳機能障害が否定された事案:

« 「傍観者の役割」 | トップページ | 自動車事故工学鑑定の意見書(私的鑑定)の信用性を排斥した事案 »