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2017年2月17日 (金)

リハビリでの骨折⇒施設側の責任(否定)

名古屋高裁H28.8.4      
 
<事案>
Xの姉らは、平成23年4月頃から、自宅において、四肢の拘縮予防のため、パターニングと呼ばれるリハビリ運動をXにさせていたが、平成24年1月から、Yの施設において実施。 
Yの職員である看護師らは、平成24年2月、Yの施設において、Xの姉らの教示により、Xに対しリハビリ運動をさせた⇒Xの左足を伸ばす運動をさせた際、Xに肥大大腿骨警部の骨折が発生。

Xは、右骨折は、看護師がリハビリ運動の方法を誤ったことにより発生したと主張し、Yに対して、不法行為又は債務不履行により損害賠償を請求。
 
<一審>
本件骨折当時、Xの骨密度は非常に低いものであったと推認され、いかに慎重に注意深くリハビリ運動を実施したとしても、不可抗力的に骨折という結果が生じる可能性も十分認められる
⇒骨折という結果が生じたことから遡って直ちに看護師の外力の加え方に何らかの注意義務違反があったと推認することはできない。
⇒請求棄却。 
 
<判断>
手技の際に加える外力の点については、看護師が加えた外力が客観的には許容範囲を超えた外力を加えたものであったとは認められる。
but
①Xの姉らが、看護師に対して、Xの骨密度が極めて低い状態であることを伝えておらず
②これまでXの姉らが自宅において実施してきたリハビリ運動を依頼したのであるから、看護師らが家族が実施してきたリハビリ運動を実施するとしても、骨折が発生するなど危険性が高いものであるとは考えないのが通常

リハビリ運動を開始するに際して医師等の専門家の意見を聴取することなく、Xに対してリハビリ運動を開始したとしても、Xに対する配慮を欠く不法行為上あるいは契約上の注意義務違反があったとは認められない。
 
<解説>
注意義務違反の判断基準は、通常人の能力、技量等を基準として一般的・客観的に決定されなければならない。
医療機関や介護施設内の事故について、具体的な事故の予見可能性の判断としては、事故の原因・誘引の有無、内容、程度等を勘案して検討

これまでの裁判例上、患者等が突然特異な異常行動に出て転落したというような事例以外には、予見可能性が認められやすい傾向にある。

判例時報2314

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