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2017年1月30日 (月)

柔道整復師の施術・指示の過失が否定された事例

東京地裁H27.12.25      
 
<事案>
柔道整復師であるYの患者Xに対する施術、診断、指示が不法行為又は債務不履行に当たるか否かが問題となった事案。 
Xは、Yの施術等について、実際には右舟状骨を骨折していたにもかかわらず、Yから骨折はしておらず捻挫である旨の誤った診断を受けたことにより損害を被った⇒不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、187万円余の損害金及び遅延損害金を請求。
 
<判断>
●YのXへの説明について 
一般に骨折の有無は、各種画像診断によって確定的に診断されるものであり、舟状骨骨折については、特徴的な所見のほか、X線写真、CT等の検査を行うことで判断するものであるが、
柔道整復師が骨折・脱臼等の術前・術後の診断のために業として照射を行うことは、診療放射線技師法により許されないこととされている。

①Yの接骨院ではX線写真撮影をすることができないものであるところ、Yは、Xに対し、痛みが続くようであれば再度来院するよう指導しており、上記指導は鑑別のための経過観察の趣旨であったものとみられる。
②Yが骨折ではなく捻挫である旨の断定的な判断に至っていなかったことがうかがわれる。

YがXに対し、骨折はしておらず捻挫である旨述べたなどということは想定し難い
 
●典型的な舟状骨骨折の症状も、殴った際に生ずることの多いボクサー骨折(中手骨の骨折)の典型的な症状も見られない

整形外科を受診するよう指示すべき注意義務違反もない。 
⇒請求棄却
 
<解説>
柔道整復師がどのような業務を行ってはならないか?

柔道整復師法は、
①外科手術を行い、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならず、
②応急手当をする場合を除くほか、医師の同意を得なければ脱臼又は骨折の幹部に施術をしてはならない。

判例時報2312

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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