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2017年1月

2017年1月31日 (火)

かつて同じ法律事務所に所属した弁護士等が相互に不法行為責任を追及する等した事案

東京地裁H27.12.4      
 
<事案>
かつて同じ法律事務所に所属した弁護士等が相互に不法行為責任を追及する等した事案。 
 
<争点>
①Y1等の不法行為責任の成否
②損害の有無・額
③Xのパートナー契約上の債務不履行責任等の成否
④Xの不当訴訟の提起に係る不法行為責任の成否等 
 
<判断>
●本訴請求
Y1等の作成した2通の準備書面においてXにつき悪徳弁護士、悪徳行為、訴訟詐欺等と記載し、法廷で陳述した行為は、
①Xの社会的評価を低下させ、
②別件訴訟の争点とは関連性、必要性が相当希薄であり、
③主張方法として著しく相当性を欠き、
④真実性の証明がなく、真実と信ずる相当の理由も認められない。
⇒不法行為に該当。 

Y3は前記各準備書面に記名押印をし陳述された法廷に出頭し、Y2は前記各準備書面のうち1通に記名押印をしたものの、
Y1が専ら前記記載をしたものであり、正当な訴訟活動として許容される範囲内の行為であるかを判断
⇒不法行為責任を負うのはY1のみ。

Xの損害額は50万円として、一部認容。
 
●反訴請求 
①Dの相談、Bの依頼は、Y1に依頼したいとの事実は認められず、
②AにおいてXが事件を受忍するに当たり、必ずしもY1の了解を得る扱いにはなっていなかった

Xがあのパートナーとして負う契約上の義務等に違反したとはいえない。
XがBの顧問弁護士となったこと等も利益相反行為であるとはいえない。

Xの債務不履行責任を否定し、不当訴訟の提起に係るXの不法行為を否定、Y1の反訴請求を棄却。

判例時報2312

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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「境界を越える」

100年ごとに鮮明な変化が起きる。我々は「境界」を越える。数十年内に、社会は自身(世界観、基本的価値、社会的/政治的構造、技術、鍵となる組織)を再整理する。50年後、新たな世界がある。変化の後に生まれた人々は、祖父母が生き、両親が生まれた世界を想像することもできない。

しかし、今日の基本的変化、30年前に明らかになった新たな現実は、始まりにすぎず、完全なインパクトはこれからである。 それらは(大小を問わず)事業の世界的再編、合併、企業の一部(子会社)売却、提携の基礎となる。(米国ではほとんど完了したが、日本とヨーロッパでは初期のステージである)世界的な労働力再編の基礎となる。教育(特に高度教育)における基本的イノベーションの必要の基礎となる。これらの現実は政治家、エコノミスト、学者、事業家そして組合のリーダーが、今日関心を向け、本を書き、語る問題とは異なる。

ソース:The Daily Drucker 1 February.

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2017年1月30日 (月)

柔道整復師の施術・指示の過失が否定された事例

東京地裁H27.12.25      
 
<事案>
柔道整復師であるYの患者Xに対する施術、診断、指示が不法行為又は債務不履行に当たるか否かが問題となった事案。 
Xは、Yの施術等について、実際には右舟状骨を骨折していたにもかかわらず、Yから骨折はしておらず捻挫である旨の誤った診断を受けたことにより損害を被った⇒不法行為又は債務不履行による損害賠償請求権に基づき、187万円余の損害金及び遅延損害金を請求。
 
<判断>
●YのXへの説明について 
一般に骨折の有無は、各種画像診断によって確定的に診断されるものであり、舟状骨骨折については、特徴的な所見のほか、X線写真、CT等の検査を行うことで判断するものであるが、
柔道整復師が骨折・脱臼等の術前・術後の診断のために業として照射を行うことは、診療放射線技師法により許されないこととされている。

①Yの接骨院ではX線写真撮影をすることができないものであるところ、Yは、Xに対し、痛みが続くようであれば再度来院するよう指導しており、上記指導は鑑別のための経過観察の趣旨であったものとみられる。
②Yが骨折ではなく捻挫である旨の断定的な判断に至っていなかったことがうかがわれる。

YがXに対し、骨折はしておらず捻挫である旨述べたなどということは想定し難い
 
●典型的な舟状骨骨折の症状も、殴った際に生ずることの多いボクサー骨折(中手骨の骨折)の典型的な症状も見られない

整形外科を受診するよう指示すべき注意義務違反もない。 
⇒請求棄却
 
<解説>
柔道整復師がどのような業務を行ってはならないか?

柔道整復師法は、
①外科手術を行い、又は薬品を投与し、若しくはその指示をする等の行為をしてはならず、
②応急手当をする場合を除くほか、医師の同意を得なければ脱臼又は骨折の幹部に施術をしてはならない。

判例時報2312

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「機能する社会」

機能する社会は、常に、社会秩序の有形の現実を組織できなくてはならない。それは、物質的な世界を支配し、それ(物質的な世界)を個人にとって有意義で理解できるものとし、正当な社会的/政治的力を確立しなくてはならない。

社会は、個々のメンバーに社会的地位と役目を与えない限り、そして決定的な社会的力が正当なものでない限り、機能し得ない。前者は社会生活の基本構造(=社会の目的と意味)を確立する。後者は構造の中の空間を形成し、社会を具体的なものとし、その機関を創る。個人が社会的地位と役目を与えられなければ、社会は存在し得ず、目的なく空間を飛ぶ社会の原子の集団があるに過ぎない。力が正当なものでなければ、社会組織は存在し得ず、隷属か惰性によりまとめられた社会的真空があるにすぎない。

ソース:The Daily Drucker 31 January.

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2017年1月29日 (日)

離婚給付等契約公正証書に基づく離婚前の債権差押命令申立ての事案

東京高裁H28.1.7      
 
<事案>
A・B間の離婚給付等契約公正証書に基づき、離婚による慰謝料の未払分及び執行費用を請求債権として、債権者Aが債務者Bの有する預金債権等の差押えを求めた
⇒ 執行裁判所(原審)が却下⇒執行抗告

執行証書:
前文において
「夫Bと妻Aは、離婚することに合意し、離婚に伴う子の養育費、慰謝料、財産分与の支払について、以下のとおり合意した。」とし、
第2条に
「BはAに対し、離婚による慰謝料として金850万円の支払義務があることを認め、平成22年9月末日までに金400万円、平成28年5月末日までに金450万円を第1条1項に定める方法により支払う。」
 
<原審>
当該慰謝料請求権は離婚が成立した際に初めて発生
⇒請求が債権者の証明すべき事実の到来にかかる場合にあたり、執行文及び当該事実が到来したことを証する文書の謄本謄本が債務者に送達されたことが執行開始の要件になる(民執法29条)ところその証明がなされていない。
⇒申立を却下 
 
<判断>
本件執行証書は、AとBとが離婚することを合意すると共に、離婚による養育費、慰謝料、財産分与の支払を合意したもの。
協議離婚は届出を必要とする要式行為⇒その届出によって初めて離婚の効力を生ずる。
離婚に伴う慰謝料も、特段の事情がない限り、離婚の効力が発生するまで成立しない。
but
協議離婚の法的性質から、離婚当事者が離婚の成立より前の一定の時期を期限として離婚に伴う慰謝料請求権を発生させる合意をすることが法的に無効とされる理由はない
このような合意は、前記特段の事情に当たる

養育費及び財産分与の支払については、離婚の効力が発生した離婚成立月を式として支払うとするものと、具体的に定める期日または具体的に定めた期間に一定額を分割して支払うという内容のものがあるところ、後者の支払合意は、離婚の成立を要件としない支払義務を定めたものと解される。

①本件慰謝料支払条項で定める支払義務は、一定の期日までに一定額を分割して支払うとするもの。
②本件執行証書の前文で「離婚に伴う」慰謝料とか本件条項で「離婚による」慰謝料との記載があるものの、素直な文言解釈としては、離婚の成立を要件としない支払義務を定めたものと解するのが相当
原決定を取り消し、単純執行文により債権差押命令を発した
 
<解説>
本件決定は、執行証書の解釈認定権限について、債務名義の作成手続と執行手続が分離されている⇒債務名義の内容の解釈の資料は、当該債務名義ないし執行文に限られ、原則としてそれ以外の資料を参酌できないとしている。 

一般に離婚による慰謝料といわれるものは、離婚自体によって発生すると解されているが、その実質においては、協議離婚をせざるを得なくなった原因行為、すなわち婚姻破綻原因となった不法行為の総体により慰謝料を意味する場合も多い
協議離婚の届出以前においても、個別の不法行為を詳細に特定することなく慰謝料支払合意をし、それに基づく支払義務を発生させることに障害はないであろう。

養育費については、最高裁H9.4.10は、離婚前の子の監護費用について、離婚後の監護費用に関する民法771条、766条1項が類推適用されることを認めており、離婚成立が発生要件にならない場合を認めている。
⇒本件の離婚慰謝料と同様の問題が生じ得る。

公正証書の実務としては、慰謝料の給付条項自体は、本件執行証書のように一定時期に支払う旨の記載をし、執行文付与の際に事実上離婚届出の有無を確認し、戸籍謄本を提出させるいなどした上で、単純執行文を付与している。

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政務調査費の支出が適法とされた事案

札幌高裁H28.3.22      
 
<事案>
札幌市に事務所を有する札幌市民オンブズマンであるXが、北海道の道議会における会派又は議員らに対する政務調査費の交付(支出)が道条例に違反する違法なもの⇒Y(知事)に対してその返還請求をするよう求めた
 
<原審>
会派及び議員らに対する政務調査費の支出は違法⇒会派及び議員らに対し合計1952万円余の返還請求を求める部分の請求を認容 
 
<判断>
会派は、道政懇話会の活動の結果を基に、代表質問を作成し、道政に反映させるほか、意見書を作成し、国会又は関係行政庁に提出
⇒地域の要望把握に主要な役割を担うもの
⇒これに要する費用は、「会派が行う道の事務及び地方行政に関する調査研究並びに調査委託に要する経費」に該当
⇒会派に対する政務調査費の支出は違法な支出とはいえない。

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「テロと基本的なトレンド」

2001年9月のテロリストの攻撃とそれへのアメリカの対応は、大いに世界政治を変えた。我々は、明らかに、特に中東における、無秩序の時代に直面する。事業であれ、大学であれ、病院であれ、組織のマネジメントはニュースのヘッドラインに関係なく持続する基本的で予想できるトレンドに基づかなくてはならない。これらのトレンドを機会として活用しなくてはならない。これらの基本的なトレンドは「次の社会(Next Society)」と新たな先例のない特性の表れである。

その特性は、特に
・若者人口の縮小と「新たな労働力」の出現
・富と仕事の産出者としての製造の着実な衰退
・会社とトップマネジメントの様式、構造、役割の変化

大きな予想できない出来事の時代において、戦略と政策を、これらの変化しない基本的なトレンドに基づかせることは、自動的に、成功を保証するものではない。しかし、それをしないことは、失敗を保証する。

ソース:The Daily Drucker 30 January.

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2017年1月28日 (土)

「パフォーマンス:マネジメントのテスト」

マネジメントの究極のテストはパフォーマンスである。マネジメントは、言い換えれば、科学や専門性(双方の要素を含むが)ではなく実践である。例えば、マネジャーに免許を与えることにより、あるいは、マネジメントを特別の学位を持つ者に限定することによってマネジメントを専門化する試みほど、我々の経済や社会に損害を与えるものはない。反対に、良いマネジメントのテストは好結果のパフォーマーに仕事をさせているかどうかである。そして、マネジメントを「科学的」あるいは「専門的職業(profession)」とする真剣な試みは、「不安を生じさせる事情」、つまり、そのリスク、その上昇と下降、その無駄な競争、消費者の「不合理な選択」といった事業における予測不能性を除去する試みへと向かい、その過程において、経済の自由と成長力を除去する試みとなる。

ソース:The Daily Drucker 29 January.

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2017年1月27日 (金)

「ミスマネジメントについての管理された実験」

ヘンリーフォードの物語、彼の上昇と衰退、そして彼の孫である、ヘンリーフォード2世の下での彼の会社の復活は、何度も語られてきた。しかし、この劇的な物語が個人の成功と失敗の物語をはるかに超えるものであることは一般に認識されていない。それは、とりわけ、ミスマネジメントについての管理された実験と呼べるものである。

最初に、フォードは、事業にはマネジャーもマネジメントも必要ないという、その信念のために失敗した。彼は、必要なのは、所有者である企業家とその「補助者(helpers)」であると信じた。フォードと米国や海外における同世代のほとんどの事業者との唯一の違いは、他の全てにおいて彼が行ったように、ヘンリーフォードは妥協することなくその信念に固執したことである。(例えば、どれだけ優秀であろうと、「マネジャー」として行動し、判断し、フォードの命令なしに行動した「補助者」を、解雇したり働けなくすることによる)彼がその信念を適用した方法は、仮説の検証として評価でき、その完全な反証に終わった。実際、フォードの物語をユニークな(そして重要な)ものにしているのは、彼が長生きし、その信念を支える10億ドルを持っていたために、その仮説をテストできたことである。フォードの失敗は個性や気質によるものではなく、その第1の最も重要なものは、マネジャーとマネジメントを必要なものとして、また「ボス」からの「委譲」ではなく、課題と役目に基づくものとして受け入れることを拒絶したことである。

ソース:The Daily Drucker 28 January.

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2017年1月26日 (木)

保護責任者遺棄致死事件(無罪⇒有罪⇒破棄差し戻し)の事例

最高裁H26.3.20      
 
<事案>
夫婦である被告人両名が、妻の妹であり、統合失調症の診断を受けていた被害者を引き取って同居。
被害者が極度に衰弱し、歩行するなどの身動きも一人では不自由な状態⇒保護義務⇒被告人両名が、共謀の上、被害者に医師の診断等の医療措置を受けさせず、被害者を死亡させた。
 
<規定>
刑訴法 第382条〔事実誤認と判決影響明白性〕
事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
 
<一審>
被害者の衰弱状態などについて述べる医師や飲食店店員の証言は信用できる。
⇒被告人両名を有罪とし、いずれも懲役6年に処した。 
 
<原審>
①上記2名の証言は信用できない
②第一審判決には論理則、経験則等に照らして不合理な点がある。

事実誤認を理由に第一審判決を破棄して差し戻した。
 
<判断>
元判決は、
①医師の証言について、医学的な専門知識等に基づく証言であることなど信用性を支える根拠があるのにこれを考慮せず
証言内容の一部が他の証言部分の信用性を失わせるものとはいえないのに失わせるなどとし
③店員の証言について、被害者の外見上の状況に関して述べる部分が重要であるのに証言の中心部分ではない周辺的な事情に関する食い違いを理由に証言の信用性に疑問があるなどとしている

このような信用性評価は正当とはいえず、そのような誤った信用性評価を前提に、第一審判決の認定を是認できないとしたのは、第一審判決について、論理則、経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものとは評価することができない

刑訴法382条の解釈適用を誤った違法がある。
 
<解説> 
●控訴審における事実認定の審査方法
最高裁H24.2.13:
刑訴法382条の事実誤認とは、第一審判決の事実認定が論理則、経験則等に照らして不合理であることをいうものと解するのが相当である。
⇒控訴審が第一審判決に事実誤認があるというためには、第一審判決の事実認定が論理則、経験則等に照らして不合理であることをを具体的に示すことが必要であるというべきである。

本判決は、刑訴法382条の解釈適用に関し、第一審判決が有罪の場合であっても、論理則、経験則違反説が妥当する旨を示したもの。

判例時報2311

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「マネジメントの規律」

私が50年前に「マネジメントの実践」を出版した時、その本は、人々がいかにマネジメントをするかを学ぶことを可能にしたが、その時までマネジメントは、少数の天才のみが行うことができ、誰も繰り返すことができなかった。

私がマネジメントと出会ったとき、その多くはエンジニアリングの分野からのものであった。そして多くは会計からのものであった。いくつかは心理学からのものであった。そしてより多くは労働関係からのものであった。それらの各分野は別個のものと考えられ、各々は、それ自体、有効ではなかった。のこぎりや金づちしか持たず、ペンチを聞いたことがなければ、大工仕事をすることができない。それらの道具全てをあなたが発明する道具箱に入れる時である。それが「マネジメントの実践」の多くの部分で私が行ったことである。私はマネジメントに規律を与えた。

ソース:The Daily Drucker 27 January.

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2017年1月25日 (水)

「社会生態学者」

私は自分を「社会生態学者」だと考え、自然生態学者が生物学的環境を研究するように、人が作った環境に関わる。「社会生態学」という言葉は私が作った新語である。しかし、その学問分野自体は古くに遡る。その最も偉大なものは、トクヴィルの「アメリカのデモクラシー」である。しかし、気質、コンセプト及びアプローチにおいて、ヴィクトリア女王時代中期の英国人のバジョットほど私に近い者はいなかった。私と同じように、大きな社会的変化の時代にあって、バジョットは最初に新たな組織(①機能するデモクラシーの中核としての行政事務と内閣制と②機能する経済の中心としての銀行)の出現を見た。

バジョットの100年後、私は初めてマネジメントが新興の組織社会の新たな社会的機関であることを突き止め、少し後に、新たな中心的リソースとしての知識と(「ポスト産業主義」であるだけでなく、ポスト社会主義であり、ますますポスト資本主義となる)社会の新たな支配階級としての知識労働者の出現を指摘した。バジョットにとってと同じく、私にとってもまた、連続性の必要とイノベーション/変化の必要との間の緊張は社会と文明にとって中心的なものであった。私は、バジョットが自身をリベラルな保守主義(しばしば、保守的な自由主義)だと言い、決して「保守的な保守主義」や「リベラルな自由主義」とは言わなかったことの意味を知る。

ソース:The Daily Drucker 26 January.

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2017年1月24日 (火)

「自分を作り変える(Reinvent)」

今日の社会と組織において、人々はますますスキルではなく知識をもって働く。知識とスキルは、基本的特性において異なる。スキルは非常にゆっくりと変わるが、知識は自らを変える。それは自身を急速に陳腐化する。知識労働者は3年か4年おきに学校に戻らないと、すたれかかる。

これは人が早い時期に獲得した学び、知識、スキル、経験が我々の現在の生涯と職業人生にとって十分でないことを意味するだけではない。人々は長いスパンで変わる。彼らは異なるニーズ、異なる能力、異なる視点をもつ別人となり、従って、「自らを作り変える」必要がある別人となる。私は、意図的に「revitalize(活性化)」より強い言葉を使う。50年仕事をする場合(これはますます普通となる)あなたは自分を作り変えなくてはならない。あなたは、新たなエネルギーの供給だけではなく、自身から別のものを作らなくてはならない。

ソース:The Daily Drucker 25 January.

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2017年1月23日 (月)

マタハラの事案

福岡地裁小倉支部H28.4.19      
 
<事案>
介護サービス業を営むY1に雇用され、デイサービスを行うその営業所において介護職員として就労していたXが、同営業所所長Y2及びY1に対し、Xが妊娠したことをY2に報告し軽易な業務への転換を求めたにもかかわらず対応せず、かえってY2はXに退職を勧奨するなどいわゆるマタニティ・ハラスメントあるいはパワー・ハラスメントを行ったと主張

Y2においては、不法行為(709条)に該当し、Y1においては、Y2の使用者としての責任(民法715条)に加え、雇用契約上の就業環境整備等の雇用契約上の義務に反した(民法415条)として、連帯して、慰謝料500万円及び遅延損害金の支払を求めるとともに、
Y1に対し、Xとの合意に基づく賃金を支払わなかったとして、雇用契約に基づき未払賃金等の支払を求めた。 
 
<規定>
労基法 第六五条(産前産後)
③使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

労基法 第一一九条
 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者
雇用均等法 第九条(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

3事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
 
<争点> 
①本件面談におけるY2の発言を含むY2のXに対する言動に、いわゆるマタニティ・ハラスメント、パワー・ハラスメントがあったか否か
②軽易業務への転換の求めに対するYらの対応が違法といえるか否か
③時間給であった原告の勤務時間を短縮したことが違法といえるか否か 
 
<判断>
本件面談におけるY2の発言について、嫌がらせの意図はないが、Xの勤務態度に対する指導の必要性が認められるとしても、Y2の発言には妊娠を理由に業務軽減等を要望することが許されないとの認識を与えかねないものがある
妊産婦労働者の人格権を侵害

軽易業務転換の求めに対して、Y2が、本件面談後、Xや他の職員に具体的な業務内容の変更を指示することなく、職員らの自主的な配慮に委ねるのみであった。
妊婦であったXの健康への配慮義務に違反

勤務時間の短縮について:
一方的な措置ではあったものの、Y2に違法な目的があったとはいえず、Xからも直ちに異議が唱えられたことはうかがわれない
違法とまではいえない

Y2の不法行為責任を肯定し、
Y1については、Y2からの本件面談の報告を受けながら、その後、Y2を指導するなどの就業環境整備義務を怠ったとして債務不履行責任を肯定
Xの請求を、慰謝料35万円及び遅延損害金の連帯支払を求める限度で一部認容
 
<解説> 
●労働環境、ことに、職場における上司と部下あるいは同僚間、異性間での人間関係における、いじめ・嫌がらせなどが、セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメントとして対応すべき問題とされ定着。

●妊娠や出産を巡る対応についても、労基法65条3項が、使用者に対し、妊娠中の労働者から請求があった場合、他の軽易な業務に転換させることを義務づけ(罰則につき同法119条1号)、また、雇用均等法9条3項が、妊娠等を理由とした不利益な取扱いを禁止する(など、同法同条項を受けて均等法施行規則2条の2台6号は、労基法65条3項により他の軽易な業務に転換するよう請求したことを理由とする不利益な取扱いを禁止することを定めている。)など、使用者において、適切な対応が求められている。
裁判例では、妊娠や出産を契機とした職責や給与額などの労働条件の変更の有効性が争われるケースが多い中、本件は、労基法65条3項の使用者の軽易業務への転換措置の不作為が問題とされ、また、妊娠および出産を契機とした使用者側の言動につき、使用者固有の債務不履行責任及び他の労働者(上司)固有の不法行為責任が一部認容された事案。

●雇用均等法9条3項との関係で、時間給であった場合、勤務時間の短縮は給与減という経済的不利益に直結。

本判決:
①Y1とX間の雇用契約において1日の勤務時間につい下限の定めがなかったこと
②従前の勤務状況、Xが業務の軽減を求めていたことなどの本件事実関係
⇒違法性を否定。
but
事案によっては、妊娠中の労働者の勤務時間の一方的な短縮が雇用均等法9条3項の禁止する不利益取扱いに該当する場合もあろう

判例時報2311

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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「フィードバック:継続学習の鍵」

イエズス会の聖職者かカルヴァン主義の牧師が重要なことをする場合(例えば、重要な決定をする場合)はいつでも、期待する結果を書き留めることを求められる。9か月後に、彼は実際の結果からこれらの期待にフィードバックする。これは、彼が何をうまく行い、彼の強みは何かを示す。それはまた、彼が何を学ばなくてはならず、いかなる習慣を変えなくてはならないかを示す。最後に、それは、彼が何を授かっておらず、うまくできないかを示す。私自身、50年にわたり、この方法を実践してきた。それは、人の強みが何かを明らかにし、これは人が自身について知ることができる最も重要なことである。それは、どこで、どのような種類の向上が必要かを示す。最後に、それは人が何ができずに、試みるべきですらないことを示す。①人の強みを知り、②それらを向上させる方法を知り、③人ができないことを知ることは、継続学習の鍵である。

ソース:The Daily Drucker 24 January.

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2017年1月22日 (日)

水俣病認定事例

新潟地裁H28.5.30      
 
<事案>
新潟市長が、原告らの公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定申請をいずれも棄却⇒原告らが、各処分の取消を求めるとともに、
①原告1名が、被相続人がそのかかっていた疾病が同法施行令所定の新潟県の区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定を受けることができる者であった旨の決定をすることの義務づけ
②原告8名が、同原告らの疾病が同区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定をすることの義務づけを
求める事案。
 
<争点>
原告ら(被相続人を含む。)の水俣病り患の有無
①水俣病の判断基準
②臨床上把握し得る主要症候が感覚障害のみの水俣病の取扱い
③いわゆる遅発性水俣病の取扱い
等 
 
<判断>
①について:
原告らがかかっている疾病が水俣病である旨の認定をするにあたっては、
感覚障害等の症候の有無、発現部位や発現時期、その原因が中枢神経の障害にあることをうたがわせる事情の有無等当該感覚障害等の症候について水俣病以外の他原因によるものであることを疑わせる事情の有無等医学的観点からの検討だけでなく、
その患者のメチル水銀曝露歴、生活歴、種々の疫学的な知見や調査の結果等の具体的事情総合的に考慮して判断すべき。 

②について:
軽度の水俣病においては、臨床所見として把握し得る主要症候が、四肢抹消優位の感覚障害のみであるものと存在するとの事実を肯定することが相当
四肢抹消優位の感覚障害は、水俣病における最も基礎的ないし中核的な症候ということができる
メチル水銀に対する曝露歴等の疫学的条件を具備する者について、メチル水銀曝露歴に相応する四肢抹消優位の感覚障害が他の原因によるものであることを疑わせる事情が認められない場合には、当該感覚障害はメチル水銀の影響によるものである蓋然性が高いというべきである。

③について:
加齢による影響を考慮することで、遅発性水俣病の機序についても医学的な説明が可能であることからすると、曝露終了後さらに長期間経過後に、老化に伴い臨床症候が顕在化することもあり得る
 
<解説>
最高裁H16.10.15:
遅発性水俣病について、「水俣病患者の中には、潜伏期間のあるいわゆる遅発性水俣病が存在すること、遅発性水俣病の患者においては、水俣湾又はその周辺海域の魚介類の摂取を中止してから4年以内に水俣病の症状が客観的に現れることなど、原審の認定した事実関係の下では、上記転居から4年を経過した時点が本件における除斥期間の起算点となるとした原審の判断も、是認し得るものということができる。」

本判決は、加齢説(加齢の影響により臨床症状の顕在化の遅れを説明する見解)が「いまだ実証に至っていないものの、医学的に十分成り立つ見解であるということができる」として、曝露終了後長期間経過後(原告によっては40年以上経過)に、老化に伴い臨床症状が顕在化することがあるとして、上記最高裁判決が認めた潜伏期間を超える遅発性水俣病の存在を認めた

本判決は、前記判断基準に従って個別に検討し、
原告らのうち7名について、
①自ら阿賀野川の魚介類を摂取するか、又は阿賀野川の魚介類を窃取していた母親の胎内にいたことにより、水俣病発祥の可能性が想定できる高度のメチル水銀曝露を受けたものと認められる。
四肢末梢優位の感覚障害が一貫して真に認められること、これが被告の指摘する他原因に起因する可能性は、一般的、抽象的なものにすぎない
メチル水銀曝露に起因して感覚障害を発症したものであり、水俣病にり患したものと認められる

原告1名及び被相続人1名について、
水俣病発症の可能性が想定できる高度のメチル水銀曝露を受けたかについては疑問が残る
②四肢末梢優位の感覚障害は認められるものの、それが、被告の指摘する他原因に起因する具体的可能性が否定できずほかに水俣病り患を積極的に推認される所見が認められない
水俣病にり患したものと認めることはできない

「一般的、抽象的なものにすぎない」と指摘して、他の原因による感染の可能性を否定したものとして、乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染したかどうかが問題となった最高裁H18.6.16

判例時報2311

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「個人の徳と公共の福祉」

国や企業にとって良いことをなすには、①ハードワーク、②際立ったマネジメントスキル、③高いレベルの責任そして④広い視野が必要である。それは完全な助言である。それを完全に実行するには基本元素を純金に変える賢者の石を必要とする。しかし、マネジメントがリーディンググループであろうとするなら、このルールを行動の指針とし、意識的にそれに従って行動するよう努力し、(相当なレベルで)実際にそうしなくてはならない。
良い、道徳的な、永続する社会では、公的な善は常に個人の徳に依拠する。全てのリーディンググループは公的な善が自身の関心を決めると言えなくてはならない。この宣言はリーダーシップにとって唯一の正当な基礎であり、それを現実にすることがリーダーの第1の職務である。

ソース:The Daily Drucker 23 January.

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2017年1月21日 (土)

「社会的次元としての経済」

私は、経済が秩序として依拠する、そしてそれなしに経済が維持できない基本的な前提を受け入れない。私は、経済の領域が、支配的なものということはもちろん、独立した領域であるということも受け入れない。確かに、それは重要な領域である。そして、ベルトルト・ブレヒトが言ったように「最初に胃袋が来てから、道徳が来る」のであり、胃袋を満たすことが経済が主に関係することである。全ての政治的/社会的判断において、経済的コストが計算され考慮されるべきである。「恩恵」のみを語ることは、無責任であり、大失敗につながる。私は多くの選択肢を見てきたが、自由市場を信じる。

しかしなお、私にとって、経済は、(独立した領域ではなく)1つの領域にすぎない。経済的考慮は優越的な決定的要因というより抑制である。経済的欲求と経済的満足は重要であるが絶対的なものではない。なにより、経済的活動、経済的組織、経済的合理性は、それ自体が目的ではなく、非経済的(即ち、人間的あるいは社会的)目的のための手段である。そしてこれは、私が、経済学を自律的な「科学」であるとは見ていないことを意味する。端的に言えば、それは私が経済学者でないことを意味し、私は、そのことを、1934年にロンドンのマーチャントバンクの若い経済専門家として、ケンブリッジでケインズのセミナーに参加した時以来知っている。私は、ケインズは商品の動きに興味を持ったが、私は人々の行動に興味があることに気が付いた。

ソース:The Daily Drucker 22 January.

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2017年1月20日 (金)

寄与分が否定された事例

札幌高裁H27.7.28      
 
<事案>
相続開始時における遺産総額の約3割の3100万円を寄与分として認めた原判決を取り消して、寄与分の申立てを却下し、具体的相続分を算定し、遺産分割をした事案。

被相続人DにA・B・Cの子がおり、法定相続分は3分の1ずつ。
Bが被相続人の遺産の4割の事業貢献等の寄与分を主張。
 
<規定>
民法 第904条の2(寄与分)
共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
 
<原審>
①BはDの指示で勤務中の会社を退職し、平成元年からDの経営する簡易郵便局での勤務を開始して、Dの事業に労務の提供をし、その後平成11年頃からはBが同郵便局の事業を事実上取り仕切る立場にあり、Bが正式経営している平成23年度の売上金額が994万円余りであったこと
②その他B夫婦がDから受領していた給与の額
③BがDの郵便事業に関与していた期間等

Bの特別の寄与額は相続開始時の遺産総額1億366万円余の約3割に当たる3100万円と認めるのが相当。 

<判断>
①平成18年までの郵便局の事業主体はDであった
給与水準は従事する事業の内容、企業の形態、規模、労働者の経験、地位等の諸条件によって異なる賃金センサスによる大卒46歳時の年収平均額に充たなかったとしても、B夫婦の収入が低額であったとはいえず、むしろ月25万円から35万円という相応の収入を得ていたというべき

Bの郵便局事業への従事が被相続人Dの財産の維持・増加に特別の寄与をしたとは認められない。
 
<解説>
家事従事型の類型の寄与分では、農業が圧倒的に多い。

農業経営以外の事業では、
①漬物製造販売業を約12年間無報酬で手伝って遺産の維持・増加に貢献した長男に対し、このような事情の下で購入した遺産家屋について、民法250条の趣旨を斟酌して、約5割の寄与分を認めたもの
②左官業に高校ないし中学卒業後約13年間従事し、生活費の負担のほかは小遣い銭程度をもらっただけで労働の対価を得ていなかった2名の子に対し10パーセントずつの寄与分を認めたもの
③時計販売修理業に二女夫婦が従事し経営を維持拡大したため、被相続人と二女夫婦が労務をそれぞれ出資するという組合契約が存在したと認定し、組合の解散に準じて残余財産を清算すべきものとすると、二女夫婦の寄与率は3分の2とするのが相当であるとしたもの等

本事案は、寄与分を主張しているBは、被相続人Dと同居し、家賃や食費はDが支出していたことに加え、それ相応の賃金を得ていた⇒寄与分があったと認めにくい事案

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「収益の機能」

ヨーゼフ・シュンペーターはイノベーションは経済の中核でありとりわけ現代経済の中核だと主張した。シュンペーターの「経済発展の理論」は収益に経済的機能を果たさせる。変化とイノベーションの経済においては、マルクスの理論と対照的に、収益は労働者から搾取された「余剰価値」ではない。反対に、それは労働者の仕事と労働収入の唯一の源泉である。経済発展の理論ではイノベーター以外に真の「収益」を生み出すものはなく、イノベーターの収益は常に短命である。

シュンペーターの有名なフレーズでは、イノベーションはまた「創造的破壊」である。それは昨日の重要な設備と投資を陳腐化する。経済が進展するほど、従って、資本形成を必要とする。このように、伝統的な経済学者(あるいは会計士や証券取引所)が「収益」と考えるものは、純粋にコスト、事業に留まるためのコストであり、今日の収益性のある事業が明日の白象(=厄介物)となること以外に予測できない将来のコストである。

ソース:The Daily Drucker 21 January.

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2017年1月19日 (木)

失職による養育費減額の要件

東京高裁H28.1.19      
 
<事案>
抗告人は、平成26年に自らの収入減少、相手方の収入増加を理由として未成年者らの養育費を減額することを求める家事調停⇒平成27年に不成立⇒審判に移行。 
抗告人は、前記家事調停係属中の段階で失職し、就職活動をして雇用保険を受給していたが、原審判がされた平成27年時点でも就職できていなかった。
 
<原審>
①抗告人の収入減、相手方の収入増により、前件合意を変更するのを相当とする事情の変更があったことを認めた上で
②平成27年に失職した抗告人につき、失職して間もなく、賃金センサスの産業計・男・学歴計・50~54歳による年収額約678万円に鑑みても、少なくとも平成25年の給与収入である約605万円程度の給与を得る稼働能力があると認められる

未成年者らの養育費を抗告人が失職した月から1人当たり月額4万円に減額するのが相当。

和解条項をその旨に変更。 
 
<判断>
養育費は、当事者が現に得ている実収入に基づき算定するのが原則であり、
義務者が無職であったり、低額の収入しか得ていないときは、就労が制限される客観的、合理的事情がないのに単に労働意欲を欠いているなどの主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず、そのことが養育費の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される場合に初めて、義務者が本来の稼働能力(潜在的稼働能力)を発揮したとしたら得られるであろう収入を諸般の事情から推認し、これを養育費算定の基礎とすることが許される。 

抗告人は、前職後、就職活動をして雇用保険を受給しているが、原審判がされた時点では未だ就職できていなかったことが認められるところ、その状態が、抗告人の主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮していないものであり、相手方との養育費分担との関係で公平に反すると評価されるものかどうか、また、仮にそのように評価されるものである場合において、抗告人の潜在的稼働能力に基づく収入はいつから、いくらと推認するのが相当であるかは、抗告人の退職理由、退職直前の収入、就職活動の具体的内容とその結果、求人状況、抗告人の職歴等の諸事情を審理した上でなければ判断できないというべき。

原審は、こうした点について十分に審理しているとはいえない。

原審決を取り消して差し戻した。

判例時報2311

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「人と社会の性質」

人の特性の描写としての真実が何であろうと、この概念は常に社会の特性の真の描写を与え、(社会は)自身をそれによって認識する。それは、社会的に決定的で至上とみなす人の活動範囲を示すことで、社会の基本的な主義と信条を象徴する。「経済的動物」としての人の概念は、ブルジョア資本主義社会とマルクスの社会主義の真のシンボルであり、それは人の自由な経済行動の中にその目的実現の手段を見る。経済的満足のみが、社会的に重要で意味があるとされる。経済的地位、経済的特権そして経済的権利はそのために人が働くものである。

ソース:The Daily Drucker 20 January.

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2017年1月18日 (水)

「社会の目的」

各人が社会的地位と役目を持たなければ、彼にとって社会はない。個人の生活とグループの生活の間に明確な機能しうる関係がなくてはならない。役目と地位を持たない個人にとって、社会は不合理で、気まぐれで、混乱したものである。「社会から疎外された」個人、見捨てられた人(社会的役目と地位の欠如は人を仲間の社会から放り出す)は社会を見ない。彼は、半ば感じられ、半ば意味をもたない、半ば光の中で、半ば闇の中で、しかし予想できない、悪魔の力だけを見る。それらは、彼の側では干渉も理解もできず、彼の人生や暮らしを決定する。彼は、知らない部屋で目隠しをされルールを知らないゲームをしているようなものである。

時間をとって失業あるいは引退した「社会から疎外された」人に連絡する。支援のメモを渡し、ランチに連れ出す。

ソース:The Daily Drucker 19 January.

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2017年1月17日 (火)

「機能する組織社会」

全ての先進国の社会は、ほとんどの社会的課題が組織により行われる組織社会となった。組織はそれ自身のために存在しない。それらは手段であり、社会的課題を遂行するための社会の器官(organ)である。組織の目的は個人と社会への特定の貢献である。従って、そのパフォーマンスのテストは、生物的組織体と異なり、常にその外にある。これは、各団体にとっての「パフォーマンス」が何を意味するのかを知らなくてはならないことを意味する。

組織はその目的を明確に定義するほどより強くなる。そのパフォーマンスを評価できる判断基準と測定があれば、より有効となる。その権威を厳密にパフォーマンスによる正当性に置けば、より正当なものとなる。「その果によりて彼らを知しるべし」は、新たな多元的組織社会の基本的・構成的原理である。

ソース:The Daily Drucker 18 January.

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2017年1月16日 (月)

「マネジメント:中心的な社会的役割」

非営利組織はいかに自身をマネジメントするかを学ぶため、事業マネジメントに殺到する。病院、軍、教会の教区、公務員等、事業マネジメントのため学校に通いたいと思う。

これは、事業マネジメントが、非事業組織に移行できることを意味しない。反対に、これらの組織が事業マネジメントから最初に学ばなくてはならないことは、マネジメントは目的の設定に始まり、したがって、大学、病院等の非経済的組織は、事業とは異なるマネジメントを必要とすることである。しかし、これらの組織が、事業マネジメントを基本型として見ることは正しい。事業は、例外的な存在ではなく、第1の種(the first of the species)であり、我々が最も徹底的に研究してきたものである。非経済的組織は収益性が事業にとって機能するのと同様に機能する判断基準を必要とする。「収益性」は、言い換えれば、「例外」というより、そして「人間的」又は「社会的」ニーズと別個のものとして、組織の多元的社会において、全ての組織が管理され管理可能であるために必要とされる測定の基本型である。

ソース:The Daily Drucker 17 January.

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2017年1月15日 (日)

債務整理の対象となる債権に係る裁判外の和解が司法書士法3条1項7号に規定する額を超えるとされた事例

最高裁H28.6.27      
 
<事案>
債務者らが認定司法書士(司法書士法法3条2項各号のいずれにも該当する司法書士)に依頼した債務整理につき、当該司法書士が違法に裁判外の和解を行って報酬を受領した⇒不法行為による損害賠償を求めたもの。
 
<原審>
多重債務者の債務整理について、裁判外の和解が不成立となった場合に通常想定される訴訟は、貸金返還訴訟と過払金返還訴訟

貸金残債務があるときの貸金返還訴訟、又は過払金が発生しているときの過払金返還訴訟における「訴訟の目的の価額」であるところの「訴えで主張する利益」(民訴法8条)、すなわち、貸金債務の元本額又は過払債権の元本額140万円(裁判所法33条1項1号)を超えない範囲が、多重債務者から債務整理を委任された認定司法書士の裁判外の和解における代理権の範囲。

Xらの請求を一部認容。 
 
<判断>
債務整理を依頼された認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が司法書士法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができない

Y及びXらの各上告をいずれも棄却。
 
<解説>
●債務者に貸金残債務が存在する場面において、
A:債権額説かB:受益額説か
それと別個の論点として
C:個別説(「紛争の目的の価額」とは個別の債権ごとに算定した額)かD:総額説か 
本判決は、債権額説(A)・個別説(C)を採用することを判示。

法3条1項7号の代理権の範囲を超えた認定司法書士の債務整理行為は、弁護士法72条違反(非弁行為)に該当し公序良俗違反(民法90条違反)として無効

債務者は、前記認定司法書士に対して、その支払った報酬等の返還請求ができる(最高裁昭和38.6.13)。 

判例時報2311

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花押を書くことが民法968条1項の押印となるか(否定)

最高裁H28.6.3         
 
<事案>
X及びYらは、いずれも亡Aの子
Xは、Aが所有していた土地について、主位的Aから遺贈を受けた予備的Aとの間で死因贈与契約を締結したと主張して、Yらに対し、所有権に基づき、所有権移転登記手続を求めるなどした事案。; 
Aが作成した本件遺言書には、印章による押印がなく、いわゆる花押が書かれていた⇒花押を書くことが民法968条1項の押印の要件を満たすかが問題。
 
<規定>
民法 第968条(自筆証書遺言)
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
 
<判断>
花押を書くことは、印章による押印と同視することはできず、民法968条1項の押印の要件を満たさない
⇒原判決中Xの請求に関する部分を破棄し、Xの予備的主張(死因贈与契約)について更に審理を尽くさせるため、原審に差し戻し。 
 
<解説>
遺言について厳格な方式を要求

遺言者の真意を確保するため。
②遺言者の死後に遺言者の真意を直接確認することはできない⇒遺言者の真意に基づいて遺言がされたことを判断するのに適した方式を定めて置き、これを満たすもののみが遺言として効力を有するとした。 

最高裁H1.2.16:
自書のほか押印を要求する趣旨について、「遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに、重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解される」

その趣旨に照らして、自筆遺言証書における押印は指印をもって足りる旨を判示。

本判決:
我が国において、印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存在するものとは認めがたい
⇒花押を書くことは、民法968条1項の押印の要件を満たさない。

最高裁昭和49.12.24:
英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合において、同人が遺言書作成の約1年9か月前に日本に帰化した白系ロシア人であり、約40年間日本医居住していたが、主としてロシア語又は英語を使用し、日本語はかたことを話すにすぎず、交際相手は少数の日本人を除いて、ヨーロッパ人に限られ、日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い、印章を使用するのは官庁に提出する書類等特に先方から押印を要求されるものに限られていた等原判示の事情があるときは、右遺言書は有効と解すべきである。

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「マネジメントの役目は結果を出すことである。」

マネジメントは経営する組織を指導しなくてはならない。組織のミッションを考え、目標を設定し、組織が貢献しなくてはならない結果のためにリソースを組織しなくてはならない。マネジメントは、実際、J.B.Sayの「企業家」であり、最大の結果と貢献に向けたヴィジョンとリソースの指示に責任をもつ。

これらの基本的役目の遂行において、マネジメントはあらゆるところで同じ問題に直面する。それは、生産性のために仕事を組織しなくてはならない。労働者を生産性と達成に向けて導かなくてはならない。会社の社会的インパクトに責任をもつ。何より、経済的パフォーマンスであれ、生徒の学習であれ、患者のケアであれ、各組織の存在目的のために結果をだす責任を負う。

ソース:The Daily Drucker 16 January.

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2017年1月14日 (土)

「組織の精神」

2つの諺は「組織の精神」となる。1つはアンドリューカーネギーの墓石の碑文である。

ここに、自分より優秀な者を惹きつける方法を知る者が眠る。

他は、身体障害者が仕事を探すに当たってのスローガンである。「重要なのは能力であり障害ではない」好例はフランクリンルーズベルト大統領の第二次大戦における腹心のアドバイザーであったハリーホプキンスである。彼は、全ての1歩が苦痛となるほとんど死人であり、1日おきに数時間しか働けなかった。このことは、彼に、真に必要な事柄以外を全て切り捨てさせた。彼は、それにより有効性を失わなかった。反対に、チャーチルの言葉を借りれば「物事の中心となる者」となり、戦時のワシントンで誰よりも多くを成し遂げた。ルーズベルトは、死にかけのハリーホプキンスがその独自の貢献ができるよう、全てのルールを破った。

ソース:The Daily Drucker 15 January.

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2017年1月13日 (金)

「経営的態度」

産業の生産的リソースで人的リソースほど低い効率で稼働するものはない。人の能力と行動の未使用の貯蔵の栓を抜くことができた少数の企業は生産性とアウトプットのめざましい増大を達成した。ほとんどの会社で、人的リソースのよりよい使用において、生産性増大の大きな機会があり、そのため、これまで関心が向けられてきた物や技術のマネジメントではなく、人のマネジメントが、オペレーティングマネジメントの第1の最重要の関心事であるべきである。

我々はまた(生産の)人的資源の有効性と生産性に何が役立つかを知る。それは第1に「スキルか支払」ではない。最も重要なのは、我々が「経営的態度」と呼ぶ態度である。これは、個人がその仕事、作業、製品を、経営者が見るように見る、つまり、グループや製品全体との関係で見る態度である。

ソース:The Daily Drucker 14 January.

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2017年1月12日 (木)

公訴権の濫用は否定したが、刑が免除された事案

横浜地裁H28.4.12    
 
<事案>
検察官は、被害者の障害を「頸椎捻挫等で約1週間の通院加療見込み」とする医師の診断等に基づいて被告人を一旦不起訴処分⇒その後、被害者から肋骨骨折、頸椎捻挫捻挫等の申告と医師の回答⇒「症状固定まで約244日間を要する肋骨骨折等」とする公訴事実により被告人を起訴証拠調べを終えた段階で、被害者の傷害を「加療約二週間を要する頸椎捻挫等」に訴因変更し、この「頸椎捻挫等」に肋骨骨折は含まれない旨釈明した上で、論告を行い、罰金30万円を求刑。 
 
<判断>
本件起訴は公訴権の濫用に当たらない
被害者の傷害を「加療約1週間を要する頸椎捻挫」等と認定し、過失運転致傷罪の成立を認めた。
 
①検察官において、被害者にうつ病等の精神症状があることも踏まえて、関係証拠をより慎重に検討していれば、いったん不起訴処分となった本件が、そのまま起訴されなかった可能性があること
②被告人の過失が単純かつ比較的軽微なものであること
③被告人が長期間にわたって応訴を強いられたという訴訟の経過等

被告人に対し刑を免除した
 
<解説>
最高裁昭和55.12.17:
検察官の訴追裁量権の逸脱によって公訴提起が無効になる場合を限定するとともに、審判の対象とされていない他の事件の公訴権の発動の当否を軽々に論定することは許されない旨指摘。

判例時報2310

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「マネジメントとリベラルアーツ」

マネジメントは、伝統的に呼ばれていたリベラルアートである。それは知識の基礎、自己認識、知恵及びリーダーシップを扱うため「リベラル(一般教養)」であり、実践と適用を扱うため「アート(技能)」である。マネジャーは(心理学と哲学、経済学と歴史、自然科学と倫理学についての)知識と人の洞察と社会科学の全てを利用する。しかし、彼らは、この知識を、(病気の患者の治療、生徒への教授、橋の建設、「ユーザーフレンドリーな」ソフトウェアプログラムのデザインと販売についての)有効性と結果に集中させなくてはならない。

ソース:The Daily Drucker 13 January.

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変形労働時間制がその要件を満たさず適用がないとされた事例

東京地裁H27.12.11      
 
<事案>
原告X(平成25年7月退職)が、Yに対し、雇用契約に基づき、未払賃金(平成23年9月から平成25年7月までの法定時間外労働及び深夜労働に対する割増賃金)、賃金の支払の確保等に関する法律所定の年14.6パーセントの割合による遅延損害金の支払、並びに労働基準法114条に基づき、未払割増賃金と同額の付加金及び遅延損害金の支払を求めた事案。 
 
<規定>
賃確法 第6条(退職労働者の賃金に係る遅延利息)
事業主は、その事業を退職した労働者に係る賃金(退職手当を除く。以下この条において同じ。)の全部又は一部をその退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあつては、当該支払期日。以下この条において同じ。)までに支払わなかつた場合には、当該労働者に対し、当該退職の日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該退職の日の経過後まだ支払われていない賃金の額に年十四・六パーセントを超えない範囲内で政令で定める率を乗じて得た金額を遅延利息として支払わなければならない。
 
労基法 第114条(付加金の支払)
裁判所は、第二十条、第二十六条若しくは第三十七条の規定に違反した使用者又は第三十九条第七項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から二年以内にしなければならない。

労基法 第32条(労働時間) 
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
②使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
 
<争点>
①XにY主張の1か月単位変形労働時間制が適用されるか
②割増賃金の計算に当たって、労働時間をXがスマートフォン用の勤怠管理アプリケーション(「勤務ログ」)で記録した時間とするか、勤務時間管理表に記載された時間によるか
③休憩時間の算定
④その他(付加金請求の可否、共済会回避及び旅行積立金控除の有効性、遅延損害金の元本組入れ)
 
<判断>
●Yの就業規則は、「社員の勤務時間計算の起算日は、平成23年5月9日とします。」と規定しており、同規定は変形労働時間制の変形期間の起算日を毎月9日と定めるものと認められる。

Yが行っていた毎月1日を起算日とするローテーション表による労働時間の特定方法は同規定に反するもの。

仮にYが毎月末日までに翌月分のローテーション表を作成していたとしても、翌々月1日から8日までの労働時間は特定されていない変形期間すべてにおける労働時間が特定されていないことになる。 
Yの就業規則は、「会社は業務の都合等、必要ある場合は前項の時間配置を変更することがあります。」と規定しており、Yが業務の都合によって任意に労働時間を変更することを認めている
⇒Yが採用する変形労働時間制は、変形期間における各日、各週の労働時間の特定を欠き、変形労働時間制適用の要件を満たさない

●Yは、勤務時間管理表及び時間外・休日勤務届を用いて従業員労働時間を管理しており、従業員に対し、出退勤の都度、各自の勤務時間管理表に業務開始時刻、業務終了時刻等を記載して押印し、時間外・休日労働を行う場合には、事前に時間外・休日勤務届を作成して管理職の承認を受けた上、時間外・休日労働後に管理職の確認を受けるよう指示。
Xは、開店前は朝礼や開店準備作業のため、閉店後は発注、品出し、清掃、他部門の手伝い等の作業のため、所定の始業時刻前及び終業時刻後に相当の時間外労務を行っており、Xの入力したい勤務ログの記録は、実際の出退勤時刻をその都度記録していたものと主張。
but
勤務ログの記録は勤務時間管理表の記録と整合せず、Xの実際の始業時刻及び終業時刻が勤務ログの記録のとおりであったことを裏付ける的確な証拠はない

勤務ログの出退者時刻がXの始業時刻及び終業時刻を全て正確に記録したものと認めるのは困難⇒Xの始業時刻と終業時刻は、基本的にはXの勤務時間管理表に記載された時刻と認めるのが相当

●Yの所定の休憩時間は、「全出」のシフトの場合は80分、「早出」及び「遅出」の場合は各30分であり、業務の繁閑に応じて分割して与えるものとされているところ、①Yにおいては、従業員の休憩時間も勤務時間管理表及び時間外・休日勤務届により管理されていたこと、②Xを含む従業員は、売り場の状況に応じて、他の従業員と調整しながら交代で休憩をとっていたことが認められ、③Xが休憩時間中も売り場からの呼出し等に対応するよう義務づけられていたとは認められない。

Xは、所定の休憩時間に加え、残業をした日については、時間外・休日勤務届及び勤務時間管理表記載のとおり休憩をとっていた。 

●割増賃金算定の基礎には、①基本給及び②皆勤手当が含まれる。
③共済手当は、Yの従業員等の福利厚生を目的として、Yの従業員等によって組織される共済会の会費を一部補助するため、Yから共済会会員である従業員に支払われているものであり、Yの就業規則及び給与規定にも共済会手当に関する規定は存在しない。
労働基準法上の賃金には該当せず、割増賃金の算定基礎には含まれない。 

●Yは労基法37条に違反して割増賃金の支払をしておらず、その違反の程度・態様等に照らせば、割増賃金と同額の付加金の支払を命じるのが相当。 

●Y:Xの賃金からの共済会会費及び旅行積立金の控除は、Yと従業員代表との間で締結された賃金控除協定に基づき適法に行われた。
vs.
従業員代表が適法に選出されたことについて何ら具体的な主張立証をしない
賃金控除協定が有効に成立したとは認められない
but
①共済会会費は、Yの共済会への入会を希望して入会届を提出した者の賃金から控除されるものであり、実質的な負担額は月800円に過ぎない
②旅行積立金は、従業員の親睦旅行のための積立金であるが、キャンセル料発生前に不参加の意向を伝えた場合は全額返金されるもので、Xもこのことを認識したことが認められる。
③XがYに勤務していた際、共済会会費及び旅行積立金の控除に対し異議を述べた事実が認められない。

Xは、共済会会費及び旅行積立金の控除について、自由な意思に基づき同意していたものと認めるのが相当

共済会会費及び旅行積立金の控除は有効であり、被告に共済会会費及び旅行積立金相当額の賃金の未払があるとは認められない。
 
<解説>
1か月単位の変形労働時間制は、単位期間を通算して平均が週40時間(法定労働時間)を超えない定めをした場合に、ある日またはある週の労働時間が法定労働時間を超えていても、使用者は、労基法32条1項および2項違反に問われることなく、労働者を労働させることができる制度

1か月単位の変形労働時間制を導入するためには、就業規則その他これに準ずるもの、または従業員の過半数代表者との書面協定によることとされている。
その際、単位期間内の各週・各日の所定労働時間を特定することが要件とされる。

変形労働時間制が採用されている場合においても、就業規則作成が義務付けられる事業場においては(常時10人以上を使用する事業場)、始業・終業の時刻を就業規則に記載しなければならない。

業務の実態から、このような特定が困難であり、月ごとに勤務割を作成する必要がある場合は、就業規則において変形労働時間制の基本事項である各勤務の始業終業時刻、各勤務の組合せの考え方、勤務割票の作成手続及び周知方法等を定めておき、それに従って各日の勤務割を変形期間の開始前までに具体的に特定する足りる(昭和63.3.14基発150号)。

判例(最高裁H14.2.28):
労働協約又は改正就業規則において、業務の都合により4週間ないし1か月を通じ、1週平均38時間以内の範囲内で就業させることがある旨が定められていることをもって、変形労働時間制が適用されていたとした原審判断について、
そのような定めをもって直ちに変形労働時間制を適用する要件が具備されているものと解することは相当ではない。」

具体的勤務割である勤務シフトが作成されていたとしても、「作成される各書面の内容、作成時期や作成手続等に関する就業規則等の定めなどを明らかにした上で、就業規則等による各週、各日の所定労働時間の特定がされていると評価し得るか否かを判断する必要がある」
使用者がが日又は週に法定労働時間を越えて労働させることが可能となる反面、過密な労働により、労働者の生活に与える影響が大きい

就業規則等において、単位期間内におけるどの日又は週が法定労働時間を超えるのかについてできる限り具体的に特定させ、それが困難であっても、労働者がその日又は週における労働時間をある程度予測できるような規定を設けておくべきことを要求(仙台高裁H13.8.29)。

勤務変更は、業務上のやむをえない必要がある場合に限定的かつ例外的措置として認められるにとどまるものと解するのが相当
使用者は、就業規則等において勤務を変更し得る旨の変更条項を定めるに当たっては、同条が変形労働時間制における労働時間の「特定」を要求している趣旨にかんがみ、一旦特定された労働時間の変更が使用者の恣意によりみだりに変更されることを防止するとともに、労働者にどのような場合に勤務変更が行われるかを了知させるため、上記のような変更が許される例外的、限定的事由を具体的に記載し、その場合に限って勤務変更を行う旨定めることを要する。(広島高裁H14.6.25)

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物の発明の「公然実施」が認められた例

知財高裁H28.1.14      
 
<事案>
発明の名称を「棒状ライト」とする特許の特許権者であるXに対し、本件発明1ないし9が本件製品を販売することによりその特許出願前に公然実施されたこと又は、それに基づいて容易に発明をすることができたことを理由に、Yが本件特許の無効審判請求⇒Yの請求を一部認める審決⇒Xがその審決の取消しを求めた。 
 
<規定>
特許法 第29条(特許の要件) 
産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
一 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
二 特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
2 特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
 
<判断>
特許法29条1項2号にいう「公然実施」とは、発明の内容を不特定多数の者が知り得る状況でその発明が実施されることをいう。
外部からはわからなくても、当業者がその商品を通常の方法で分解、分析することによって知ることができる場合も公然実施となる。

①本件製品の構成F以外の構成は、その外観を観察することにより知ることができる、本件製品の構成Fについても、本件製品の保持部分を分解することにより知ることができる
②本件製品が販売されるに当たり、その購入者に対し、本件製品の構成を秘密として保護すべき義務又は社会通念上あるいは商慣習上秘密を保つべき関係が発生するような事情を認めるに足りる証拠はない。
③本件製品の購入者が販売者等からその内容に関し分解等を行うことが禁じられているなどの事情も認められない。
④本件製品の購入者は、本件製品の所有権を取得し、本件製品を自由に使用し、また、処分することができる⇒本件製品を分解してその内部を観察することもできることは当然

公然実施を肯定
 
<説明>
特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明は、特許を受けることができない(特許法29条1項2号)。 
公然実施:発明の内容を不特定多数の者が知り得る状況でその発明が実施されることをいう(学説・裁判例)。

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2017年1月11日 (水)

「実践が先に来る」

政府であれ、大学であれ、事業であれ、労働組合であれ、教会であれ、意思決定者はその現在の意思決定に既に生じた未来を組み込む必要がある。このため、彼らは、今日の想定に組み込まれていないいかなる出来事が既に起きたかを知り、それによって新たな現実を創造する必要がある。

知識人と学者はアイデアが先にあり、それが新たな政治的、社会的、経済的、心理学的現実に導くと信じる傾向がある。これは起こるが、例外である。通常、理論は実践に先行しない。その役割は、既に証明された実践を構造化し成文化することである。その役割は孤立した「非定型」のものを、例外から「規則」と「システム」に転換することであり、その結果、学ぶことができ、教えることができ、とりわけ、広く適用できるものに転換することである。

ソース:The Daily Drucker 12 January.

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2017年1月10日 (火)

親権停止の審判⇒原因消滅⇒親権停止審判の取消し

和歌山家裁H27.9.30      
 
<事案>
母親Aは、平成25年に2年間親権を停止するとの審判を受けたが、その後、子Bについて親権を停止すべき原因が消滅したとして、親権停止の取消を請求。 
 
<判断>
親権停止の取消しを認めた。 
 
<解説>
親権喪失の取消について、大判昭12.3.2
過去において親権者に存したる著しき不行跡が消滅して現存せずと言い得んがためには、親権者において衷心先非を悔悟し従来の不行跡を改めかつ将来再び同様の不行跡を繰り返すおそれなき程度にその性格心情の遷善向上したる事実あることを要する
but
平成23年民法改正で、親権停止の制度が、親権喪失より軽度の親権制限として導入された。
家庭裁判所は、子、その親族等からの請求により、その原因げ消滅すると見込まれる期間、2年を越えない範囲内で親権停止期間を定める
そして、親権停止にかかる原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人等の請求によって、その審判を取り消すことができる

児童福祉法では、児童相談所長もこれらの請求を行うことができる。
軽度の私権制限としての親権停止は、その原因消滅を総合的に判断して取り消す審判と相まって、親権濫用に対して早期に介入し、可能であれば親子の再統合をはかって子どもの利益を守ろうとする制度

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女性アイドルの男性ファンとの交際と不法行為責任・債務不履行責任(肯定)

東京地裁H27.9.18      
 
<事案>
芸能プロダクションに所属していた女性アイドルが男性ファンと交際等⇒芸能プロダクション、共同運営業者が、アイドルとその父親に対して損害賠償責任を追及。 
Y1(平成9年生まれ)は、平成25年3月、X1と専属契約を締結。
本件契約にはファンとの親密な交流・交際等が発覚した場合には、Y1に損害賠償を請求できる旨の規定。
but異性交遊が発覚
⇒Aグループを解散

X1、X2はY1に対して、債務不履行、不法行為に基づき
Y1の父Y2に対して、民法714条1項に基づき
関連商品、レッスン等の費用の損害賠償を請求。
 
<規定>
民法 第714条(責任無能力者の監督義務者等の責任)
前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
 
<判断>
請求を一部認容。
 
①Y1が本件契約、規約の交際禁止を認識しており、交際禁止条項の効力を認めた上、Y1の交際がファンやX1らに発覚したことが交際禁止条項に当たる
②異性とホテルに行った行為自体が直ちに違法な行為とはならないものの、アイドルとして活動していたY1は、異性との交際が発覚するなどすれば、Aグループの活動に営業が生じ、X1らに損害が生じうることは容易に認識可能であった。

不法行為を構成することは明らかであるとし、Y1の債務不履行責任及び不法行為責任を肯定。
損害としてX1らの主張に係る費用を損害と認めた(信用毀損に係る損害の主張は排斥)。

交際と損害との因果関係について、
①アイドル、芸能プロダクションにとってアイドルの交際が発覚することは、アイドル、プロダクションに多大な社会的イメージの悪化をもたらし、これを避ける必要性が相当に高いこと
②本件では写真が一部のファンに流出し、さらに流出するなどして交際が広く世間に発覚し、X1らの社会的イメージが悪化する蓋然性が高かったこと等
X1らがAグループの早期解散を決めたことに一定の合理性があるとして、相当因果関係の存在を肯定
過失相殺を40%認めて、X1、X2の各損害を算定。

Y1の責任能力を認めて、Y2が民法714条1項の監督義務者であることを否定。

判例時報2310

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2017年1月 9日 (月)

「専制の代替としてのマネジメント」

私たちの(組織の)多元社会の組織が責任ある自律において機能しなければ、私たちは、個人主義も人に自己実現のチャンスがある社会も持たない。かわりに、誰も自律を許されない、完全な統制を課す。自分達のことをする楽しい自発性はもちろん、参加的民主主義よりもスターリン主義を持つ。専制は、強い、機能する自律的組織の唯一の代替物である。

専制は、競争する組織の多元性を、1人の絶対的なボスに代える。責任を恐怖に代える。組織を廃止し、それらすべてを政府機関の包括的な官僚主義の下に置く。気まぐれに、無駄に、低いレベルで、そして、莫大なコストをかけて、苦しみと屈服と欲求不満の下で、製品とサービスを生み出す。よって、私たちの組織に責任をもって、自律的に、高いレベルの達成で、実行(機能)させることは、組織の多元社会における自由と尊厳の唯一の防衛である。責任あるマネジメントの実行は、専制の代替であり、それに対する唯一の防護である。

ソース:The Daily Drucker 10 January.

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2017年1月 8日 (日)

火災事故を理由とする企業総合保険契約に基づく保険金請求訴訟で保険会社の免責の主張が否定された事例

広島高裁H27.11.18      
 
<争点>
企業総合保険契約の普通保険約款に定めた「保険契約者の故意若しくは重大な過失又は法令違反によって生じた損害に対しては、保険者が保険金を支払わない」との免責条項が、本件火災事故で適用されるか。 
 
<事案>
消防署の火災原因判定書によると、本件火災の出火原因としては、
A:火災が起きた保険対象建物内の電気配線であるFケーブルがショートしたこと
B:保険契約者(クリーニング事業者)の顧客の中にエステティックサロンが含まれており、そうした顧客から保険対象建物内へ運び込まれたタオルにエステオイルが付着しており、そのオイルが自然発火した
C:保険契約者である原告の代表者又はその意を受けた者が放火したこと
の3つの可能性。
 
<一審>
ABの可能性は著しく低いとして除外。
建物内に火気がなく、無施錠⇒放火が出火原因と認めるのが相当
保険契約者の代表者には放火の動機が十分にあり、言動に不自然不可解な点が多々見られる⇒放火は同代表者又はその意を受けた者によると認めるのが相当
 
<判断>
まず、C放火が火災原因かを最初に検討し、
①出火場所の焼残物からは油性成分が検知されなかったこと
②出火場所に近い場所から油性成分が検出されたものの、一般に助燃剤として認識されるガソリンではなく、クリーニングの業務で日常的に用いられてきたシリコン溶液及び殺虫剤(灯油)の可能性がある
③本件火災当時、保険契約者は金融機関からの借入の返済を遅滞していた事実は窺われず、財務状況は改善傾向にあるし、本件火災後も新たに金融機関から高額の融資を受けて、建物の解体撤去等を行った上で操業を再開し事業を継続⇒保険契約者に放火の動機を裏付けるような経済状況、行動は認められない。

放火が火災原因とは認められないし、
保険契約者の代表者が方かを実行し又は第三者に実行させたとも認められない。

ABのいずれの可能性も否定されない。

保険者の免責を認めず、保険者に保険金の支払を命じた。
 
<解説>
火災保険契約に基づく保険金請求における故意免責の立証責任は、保険者が負う。 
故意免責の成否の判断に当たっては、直接証拠が存在することは少なく、間接事実を積み上げていく必要のある場合が多い。

間接事実の類型:
(1)火災の原因が放火と認められるかについて
①出火箇所及び出火態様
②出火日時
③放火以外の出火原因の可能性

(2)放火について請求者が関与したと認められるかについて
①事故の客観的状況等(建物出入口等の設置及び施錠状況、かぎの管理状況)
②請求者等の事故前後の行動等(火災前後の請求者等の行動の不自然性、供述内容の不自然性及び変遷等、アリバイ)
③請求者の属性・動機等(請求者等の経済状態、保険事故により請求者等が受ける利益、同種事故の経験の有無)
④保険契約に関する事情(保険契約締結に至る経緯、保険契約締結と火災発生との時間的近接性)

一審判決:法海外の出火の可能性が著しく低いとして排斥するという消去法⇒放火が出火原因と認定。

本判決:直接的に火災原因が放火であるかを中心に検討し、放火と認めるだけでの間接事実に乏しいと判断。
補足的に、他の出火原因の可能性が排除できないと判断。

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自賠法3条に基づく損害賠償請求について、同条ただし書の免責の主張が認められた事例

広島高岡山支部H26.8.7      
 
<事案>
X(原付で頭蓋底骨折等)が、自賠法3条に基づき、普通乗用自動車を運転していたYに対し損害賠償を求めYがXに対し、本件事故により生じた物損についての損害賠償を求めた(反訴)。 
Yは、本件事故が発生したのは、右ウィンカーを出して道路中央線付近を原則走行していたXを左側から追い越した直後、Xが左ウィンカーをださず、バックミラーで後方を確認することもなく、左方向に斜行(進路変更)してきたため⇒自賠法3条ただし書に基づく免責を主張。
 
<規定>
自賠法 第3条(自動車損害賠償責任) 
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

道交法 第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
三 車道 車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。
 
<原審>
外側線の左側部分は車道ではない⇒YがXを追い越すためこの部分を車両で通行することは通行区分に違反する行為であり、この点に過失あり⇒Yに30パーセントの過失を認めた。 
 
<判断> 
①本件事故の発生原因は、右ウィンカーを出しながら減速し、本件道路の中央線付近を走行していたXをYが左側から追い越した直後、突然、Xが、左ウィンカーを出すことなく、サイドミラーで左後方の安全を確認することもしないまま、進行方向を左方向に変え、Y運転に係る車両の右後部に向かってきたため
②外側線から左側にはみ出して走行した部分も車道であって、通行区分に反する行為ではなく、本件事故の発生原因のほか、Yも追越しを開始した後はXの動静に注意を払っていたこと等

Yは自賠法3条ただし書に基づく免責を主張することができる。 
 
<解説>
自賠法3条は、自動車事故による人的損害についての損害賠償責任について、運行供用hさに対し一種の無過失責任に近い思い責任を負わせる半面、ただし書において、運行供用者が
自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、
被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があったこと
自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと
という3つの要件を証明したときは、前記の損害賠償責任を免れることができる旨規定。

道交法2条1項3号は、車道を「車両の通行の用に供するため縁石線若しくはさくその他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。」と定義。

車道外側線は、、道路管理者が、道路の構造を保全し、又は交通の安全と円滑を図るため、必要な場所に設けた区画線の1つであり、「車道の外側の縁線を示す必要のある区間の車道の外側」とされている(道路法45条1項、2項、・・命令5条及び別表第3)が、車道外側線を表示する区画線が路側帯を表示する道路標識とみなされるのは、「歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられ、かつ、実線で表示されるもの」に限られる(同命令7条)。

本判決は、本件道路の左側に設けられていた外側線は、路側帯を表示する道路標識に当たらず、道交法における通行区分を画する法的効果はないYが外側線をまたいでXを左側から追い越した行為が通行区分(道交法17条1項)に反する行為であるいうことはできない

判例時報2310

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「新たな会社のイメージ(Persona)」

ますます、次の社会の会社では、トップマネジメントが会社となる。トップマネジメントの責任は①組織全体の方向、計画、戦略、価値及び原則、②その構造とその多様なメンバー間の関係、③提携、パートナーシップ及び合弁、並びに④リサーチ、デザイン及びイノベーションをカバーする。

新たな会社のイメージ(Persona)の確立は、会社の価値における変化を求める。それは、トップマネジメントにとって最も大切な仕事かもしれない。第二次大戦後の半世紀において、事業会社は、自身が経済組織であり、富と仕事の創造者であることを証明した。次の社会において、大企業、特に多国籍企業にとっての最大の挑戦は、その社会的正当性(その価値、ミッション、ヴィジョン)である。それ以外の全ては外注できる。

ソース:The Daily Drucker 9 January.

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2017年1月 7日 (土)

司法書士が締結した和解契約が弁護士法72条により無効とされる場合の、依頼者の無効主張と信義則違反(否定)

名古屋高裁金沢支部H27.11.25      
 
<事案>
過払金の返還請求。
債務者が司法書士を代理人として140万円を超える過払金返還債権につき和解契約を締結⇒和解契約の効力等が争点。 

<規定>
弁護士法 第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

<争点>
①Yが利息制限法の制限超過部分の受領につき悪意の受益者か
②本件和解契約が無効か
③Xが無効を主張することが信義則に反するか 

<一審>
一審 公序良俗違反の特段の事情がある場合には当たらず、Xが本件和解契約の無効を主張することは信義則に反して許されない
⇒請求棄却 

<判断>
本件和解契約は、弁護士法72条本文に違反した委任契約に基づき締結無効の瑕疵を帯びる。
同条は公益規定無効主張が信義則違反として封じられることは、これがやむを得ないと認められる特段の事情がある場合に限られる
Xが本件和解契約の約定自体は認識していたとしても、和解金額がYに請求できる過払金額を下回る等、利害得失を理解していなかったこと等⇒Xが和解無効を主張することが信義則に反し許されないと解することはできない
 
<解説>
非弁護士の締結した契約と弁護士法72条違反について、民法90条を介して無効とする最高裁昭和38.6.13。 

判例時報2310

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①身の回りの世話をしてきた近隣在住の知人と②成年後見人であった四親等の親族を特別縁故者として認めた事例

大阪高裁H28.3.2      
 
<事案>
平成25年9月に、1億2572万円余の銀行預金等を遺して死亡したAについて、X1及びX2が、特別縁故者としての財産分与を申し立てた事件。 
 
<規定>
民法 第958条の3(特別縁故者に対する相続財産の分与)
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
 
<原審>
①身の回りの世話をしてきたにとどまる親族でないX1
②報酬を得て成年後見の職務を行ってきたX2
の特別縁故者性を否定⇒各申立てを却下。 
 
<判断>
特別縁故者性を判断する一般的基準として
「相続財産の全部又は一部を・・・分与することが被相続人の意思に合致するとみられる程度に被相続人と密接な関係があったと評価」することができるかどうかを挙げた。

X1について:
①平成12年以降平成25年までの身の回りの世話、②精神科受診への付添い、③B弁護士への相談、X2との連絡等の成年後見申立てに向けた支援への取り組み、④Aが遺贈しようと考えて書面を作成した事実。
⇒特別縁故者性を肯定。

アルバイト料支払の事実は、金額的、時期的に限られており、特別縁故者と認めることの妨げにならない。

X2について:
①親戚づきあいに加えて相談に親身にのるなどのつきあいをしていたこと、②X1と共に、成年後見申立てに向けた支援へ取り組んだこと、③Aが遺贈しようと考えて前記のような経緯で書面を作成した事実
⇒特別縁故者性を肯定。

後見人としての正当な額の報酬があっても、前記各事情とりわけAがその財産をX2に遺贈する意思を有していたと認められることからすれば、特別縁故者と認めることの妨げにならない
 
<解説>
本件は、
①被相続人の死亡まで10年以上継続的に身の回りの世話をし、成年後見申立てのきっかけを作ったのが、被相続人の親族又は生計同一者ではない近隣の知人であり、
②成年後見人として就任したのは親族だが、四親等の関係であって、相当額の後見報酬を受け取っていた
という、特別縁故者性が問われた従来の事案にはあまりない事案。 

従来の裁判例では、「被相続人の療養看護に務めた者」(民法958条の3第1項)かどうかについて、生計同一者と重複して判定されることが多く、生計同一者でない者が療養看護者として特別縁故者と認められる例は比較的少なかった
成年後見については、被相続人に対する生前の関わりが成年後見人としての職務の範囲を超える程度であると認め、特別縁故者性を認めたものがあったが、同裁判例については、成年後見人が無報酬であった等、財産分与を認める方向に考慮される事情があったことが指摘されていた。
本件では、Aが作成した文書の存在から、AがX1、X2に遺贈する意思を有していたという事情を認めたことの意味が大きい
従来の裁判例においても、生計同一者又は療養看護者以外の者の特別縁故者性が認められる例として、被相続人作成の遺言書が方式違背で無効であるなど、被相続人が有効な遺言をすれば遺贈したであろう意思が認められる場合があげられている。
また、本決定は、X2が成年後見人就任前からAと単なる親戚関係を超えた関係があったことを原審に追加して事実認定。

判例時報2310

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「知識労働の自律」

知識労働者は自律的でなくてはならないから、その仕事と結果の定義を知識労働者に求めることは必要である。同じ分野であっても、人によって知識は異なり、各知識労働者は独自の知識を持つ。この専門化された特有の知識により、各知識労働者は特定の分野について、組織の誰よりも知るべきである。実際、知識労働者はその分野について、他の誰よりも知らなくてはならない。彼らはその分野で知識があることに対して給与が支払われる。これが意味することは、各知識労働者が仕事を定義し、仕事が適切に再構築されると、各労働者は自分の仕事を行い、それに対して責任を負うことが期待されるということである。知識労働者は自らの作業計画を考え提出するよう求められるべきである。何に焦点を絞ろうとしているのか?責任をもつべきことについて、どのような結果が期待され得るのか?期限はいつか?知識労働は自律と責任の双方を必要とする。

ソース:The Daily Drucker 8 January.

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2017年1月 6日 (金)

「知識労働者:資産であってコストではない」

知識労働者は生産手段を持つ。それは、知識である。それは、完全に持ち運びできる大きな資本的資産である。知識労働者は、生産手段を持つため、移動できる。肉体労働者は、仕事が彼らを必要とする以上に、仕事を必要とする。彼らが組織を必要とする以上に、組織が彼らを必要とするということは、全ての知識労働者には妥当しないかもしれない。しかし、彼らのほとんどにとって、それは、等しい基準においてお互いを必要とする共生の関係である。

マネジメントの責務はその団体の資産を保持することにある。個々の知識労働者の知識が資産となり、そしてますます、組織の主たる資産となる時、これは何を意味するか?人事政策にとって何を意味するか?最高に生産的な知識労働者をひきつけ保有するには何が必要か?彼らの生産性を高め、その増大した生産性を組織のパフォーマンス能力に転換するには何が必要か?

ソース:The Daily Drucker 7 January.

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2017年1月 5日 (木)

情報システムのパッケージソフトの導入請負契約に基づく未払請負代金請求等

東京高裁H26.11.26      
 
<事案>
業務を履行したのに、Yが請負代金を支払わないと主張して、Yに対し、未払請負代金と遅延損害金の支払を求めた。
 
<争点>
①本件契約においてXが履行すべき業務の合意(パッケージソフトの導入合意か、新システム開発の合意か)
②本件契約はYの錯誤により無効となるか
③本件契約をXの詐欺により取り消すことができるか
④Xによる仕事の完成及び提供があったか
⑤Xが本件プロジェクトを管理する義務の不履行があったか
 
<原審>
Yの契約締結の意思表示に錯誤あり⇒Xは契約に基づいて請負代金を請求することはできないとして、請求棄却。 
 
<判断>   
●債務の内容について
本件本件基本合意と本件契約書による合意の関係に着目し
①一定の時期までの間に、X・Y間で本件基本合意が成立し、これに基づいて、キックオフミーティングが開催され、Xによる作業が開始され、その作業にはYのプロジェクトメンバーを参加していた
②その後、YのA専務は本件契約書に調印した
③本件契約書は、本件基本合意の対象となった業務のうちのプロジェクト準備フェーズ及びビジネス設計フェーズを対象とするもの
④本件契約書の調印時までに、Xから提出された契約書の案に一部変更が加えられたことはあったが、本件基本合意の内容が修正されたことはなかった

本件契約書は、基本合意のうちのプロジェクト準備フェーズ及びビジネス設計フェーズに関する部分について、既に合意され、それに基づいて作業が行われていた基本合意の内容を確認し、更にこれに付加する内容を詳細に規定したものであり、本件契約書には基本合意の内容も含まれている
X・Y間では、本件基本合意でも、本件契約書にA専務が調印した時点での契約内容としても、新システム開発の合意がされたものでなく、パッケージソフトの導入合意がされた
 
●Yの錯誤について:
Yが新システム開発の合意をする内心的効果意思を有していたと認めることはできない⇒錯誤の主張は失当。 

●Xの提案はシステム開発を内容としていたものではない⇒欺罔行為をしたとはいえない。 

①Xは、プロジェクト準備フェーズについて順次データで送付し納品を完了し、ビジネス設計フェーズについてもYに提供したが、Yは受領を拒絶。
②後者には、納品物の一部に未完成のものがあるが、これはYが本件プロジェクトを一時凍結したことにより打合せ作業ができなかったことによるものであり、Yの責めに帰すべき事由によってその債務を完全に履行することができなかったもの
本件契約に基づき、請負代金の全額を請求することができる
 
<解説>
近時のシステム開発における裁判例:

①ソフトウェア開発契約において、請負人が仕事を完成させたということができるための最後の工程が、シナリオテストを終えて一応の品質の確保されたこと。
それを終えて納品された以降に発見される不具合・障害は、瑕疵担保の問題。
納品された新基幹システムに順次、長期間にわたって軽微とはいえない瑕疵が発現した上、不具合・障害が更に多数発生する原因となる可能性のある事情も存在。
瑕疵担保責任に基づくソフトウェア開発契約の解除を有効とした事例。

②請負型のソフトウェア開発契約において、原則として、仕事完成のためにユーザーによる検収への協力が不可欠であり、協力がなく検収が完了できない場合には、確定された仕様を満たす状態のソフトウェアを、ユーザーにおいて検収できる状態にしていれば、仕事完成が認められ、また、初期段階でのバグの発生は技術的に不可避であり、実務的にも納品後のバグ対応が織り込み済みであることから、順次解消可能なバグの存在は、ソフトウェア完成の認定を妨げるものではない
遅くともテスト稼働の時点におけるシステムの完成を認めた事例。

③システム開発会社XがY社との間で締結した、パイロットシステム開発契約、業務管理システムの使用許諾契約(第1次、第2次)について、パイロットシステムは債務の本旨に従った内容で納品され、また、第一次使用許諾契約に関してアップロードされた管理システムも債務の履行として許容される程度に完成されていた。but第二次使用許諾契約に関する追加システムは、必要な機能を欠く不完全なものであった。
同契約の解除を認め、追加システムの未払使用料に関するXの本訴請求を否定して、同契約に関するYの既払代金相当額の返還請求を認容

④X・Y間のシステム開発において開発工程を全3のフェーズに分割して行い、多段階契約方式が採用された。フェーズ2の作業について減額が行われるなどした後、新フェーズ3の発注はYにされなかったケースにき、フェーズ毎の個別契約の締結をまって条件等が定まるものであり、Xの期待感は保護に値するものではない。⇒不法行為に基づく損害賠償請求を否定。

システム開発契約など開発型契約における論点はさまざまであるが、その審理においては合意内容の事実認定をいかにしていくかという問題に収斂することが多い。

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政務調査研究費と住民訴訟

東京地裁H28.3.11      
 
<事案>
東京都千代田区が同区議会政務調査研究費の交付に関する条例に基づき同区議会の各会派に交付した政務調査研究費について、被告補助参加人である会派A及び同C並びに会派Bの各使徒の一部は違法なものであり、本件各会派は違法な本件各支出相当額を悪意で不当に利得している、同区長(Y)はその返還請求を怠っている⇒同区の住民であるXが、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、Yに対し、当該不当利得の返還及びこれに対する政務調査研究費決算報告書の提出期限の翌日である平成24年4月21日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息の支払をA及びCに対しそれぞれ請求するよう求めた住民訴訟。

①当初、被告を同区議会議長として提起⇒被告適格を有さないとして却下⇒控訴審で被告をYに変更することの許可の申立て(行政事件訴訟法15条1項)⇒本件裁判所に移送された当該変更後の訴え。
②会派Cは、同会は所属議員の議員としての任期が口頭弁論終結日以前において満了⇒会派として解散⇒清算の目的の範囲内において、なお存続しているとみなされる(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律207条類推)
 
<争点>
Yが本件各会派に対する本件各支出相当額の不当利得返還請求をしないことが違法に財産の管理を怠る事実に該当するか?
 
<判断>
千代田区議会政務調査研究費の交付に関する条例施行規則に定めるその使途内容及び使途禁止事項を内容とする使途基準(「本件使途基準」)に適合しない使途にに充てるために支出された使途範囲外支出相当額に係る範囲で、Xの請求を一部認容 

本件使途基準のうち、使途禁止事項とされている経費に係る支出⇒直ちに使途範囲外支出に当たる。
経費の支出のの対象となる行為が、その客観的な目的や性質に照らして①議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性を欠く場合や、②当該行為に係る経費の支出の必要性に関する当該議員の判断が合理性を欠く場合などには、使途範囲外支出に当たる
その際、本件使途基準の適正執行のために同区議会運営委員会が定めた「使途基準注意事項・指摘事項等」は、前記の合理的関連性の有無や必要性の有無の判断の指針として参照すべき。
「悪意の受益者」であることも肯定。
 
<解説>
政務調査費:
地方議会の審議能力を強化し、議員の調査活動基盤の充実を図るため、その調査研究に係る必要な経費の一部を助成するために条例の定めるところに交付される金銭
平成12年の地方自治法の改正において地方自治法上に制度化されたもの。
その後、全国都道府県議会議長会等からその使途範囲の拡大の要望⇒平成24年の地方自治法の改正において、交付目的に「その他の活動」の文言が加えられ、その名称も「政務活動費」に改められた。
同時に、政務活動費を充てることができる経費の範囲も条例で定めなければならないこと、及び、議長は政務活動費の使途の透明性の確保に努めるものとすること(改正後の法100条16項)が新たに明定され、使途の適正性を確保するためにその透明性を高めることが意図されている。
以上の経緯⇒議会内部において、任意に定めた自主的な申し合わせである本件注意事項は、それが地方自治法の趣旨等に合致しない不合理なものと認められない限り、本件使途基準の解釈の指針として参照されうる

判例時報2310

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「廃棄の実践」

「我々が既にこれをしておらず、我々が今知ることを知っていたとすれば、今それをするか?」という質問が問われるべきであり、真剣に問われるべきである。答えがノーであれば、反応は「今何をするか?」である。

3つの場合で、正しい行動は常に即座の廃棄である。
①製品、サービス、市場又はプロセスに「あと数年の寿命がある」場合、廃棄は正しい行動である。常に最大のケアと最大の努力を必要とするのは、これらの死につつある、製品・サービス・プロセスである。それらは、最も生産的で有能な人達を縛る。
②同様に、維持するための唯一の議論が「十分に償却された」であれば、製品・サービス・市場・プロセスは廃棄されるべきである。マネジメントにおいて「費用がかからない資産」はない。「埋没費用」があるだけである。
③廃棄が正しい方針である3番目の場合で、最も重要なものは、古い衰退する製品・サービス・市場・プロセスを維持するため、新たな成長する製品・サービス・プロセスが妨げられ、無視される場合である。

ソース:The Daily Drucker 6 January.

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2017年1月 4日 (水)

信託契約の受託者が所有する複数の不動産の固定資産税に係る滞納処分としてされた、信託財産である土地とその上にある固有財産である家屋に係る賃料債権の差押え(適法)

最高裁H28.3.29      
 
<規定> 
(信託財産に属する財産に対する強制執行等の制限等)
第二十三条  信託財産責任負担債務に係る債権(信託財産に属する財産について生じた権利を含む。次項において同じ。)に基づく場合を除き信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売(担保権の実行としてのものを除く。以下同じ。)又は国税滞納処分(その例による処分を含む。以下同じ。)をすることができない。 
 
<争点>
本件処分においては、信託財産である本件土地に係る固定資産税とX1会社所有名義の本件土地以外の不動産に係る固定資産税を区別せず、その全体を差押えに係る地方税として、信託財産である本件土地の賃料相当額部分を含む本件賃料債権全体に対する差押えが行われた
⇒旧信託法16条1項(新信託法23条1項相当)との関係でその適法性が争われた。 
 
<判断>
信託契約の受託者が所有する複数の不動産の固定資産税に係る滞納処分としてされた、同各不動産のうちの信託財産である土地とその上にかる固有財産である家屋に係る賃料債権の差押えは、滞納に係る同固定資産税等のうち信託財産である同土地以外の不動産の固定資産税相当額部分に基づき、同賃料債権のうち同土地の賃料相当額を差し押さえる点において旧信託法16条1項との関係で問題があるものの、その問題となる部分は右の限度にとどまり、差押えを全体として違法とするような特段の事情もうかがわれないなど判示の事情の下においては、適法である。

原判決を破棄し、控訴を棄却。 
 
<解説>
●本件賃料債権及び本件固定資産税について、信託財産に架kる部分と固有財産に係る部分を識別し得るとすると、実体的に見るならば、本件処分については、本件滞納固定資産税等のうち本件土地以外の不動産の固定資産税相当額に係る部分に基づき、本件賃料債権のうち本件土地の賃料相当額部分を差し押さえることとなる点において旧信託法16条1項との関係で問題。
but
本件滞納固定資産税等のうち本件土地の固定資産税に係る部分に基づき、本件賃料債権を差し押さえることや、本件滞納固定資産税等に基づき、本件賃料債権のうち本件家屋の賃料相当額部分を差し押さえることは、同項に反するものではない。

●どの段階で、右の実体的関係を反映させるための調整を行うべきか?
A:差押えの段階で調整する必要はない
B:実体的な観点から調整の余地がある以上、差押えの段階で対応すべき

最高裁昭和43.7.16:
滞納者の所有財産(宅地)に対する滞納処分が、その滞納者の滞納税金のみならず、誤って他の者の滞納税金をも徴収するために行われた場合には、同所分の瑕疵は、他の滞納者の滞納税金に対するものとしてなされた部分についてのみ存し、その滞納処分全体を違法ならしめるものではない。

●本件賃料債権を信託財産部分と固有財産部分に識別した上、信託財産部分を本件土地に係る滞納固定資産税に充当した結果、同滞納固定資産税が全て徴収された場合には、本件賃料債権のうち信託財産部分について取り立てた金員があれば、これをX1会社に交付すべきこととなり、X1会社からは不当利得の返還請求をすることが可能。 

●本件賃料債権中消費税相当額部分についても差押えの対象となし得るか?
について、本判決は肯定。

そもそも消費税の納税義務者は消費者ではなく事業者であり(消費税法5条1項)、消費税相当額の実質的な出損をしたのが消費者(訴外会社)であったとしてもこの点は同様であり、消費者の負担する消費税相当額は、消費者からの預り金ではなく、事業者と消費者の間の商品・役務の対価の一部であるべきものと解される。
消費税相当額を差し押さえたことに何ら違法はない

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「廃棄」

有効なエグゼクティブは多くの物事を有効に行わなくてはならないことを知る。そして、彼らは集中する。エグゼクティブの努力の集中のための第1のルールは、生産的でなくなった過去から脱却することである。一流のリソース、特に希少な人の力にを即座に引き抜き、明日への機会に従事させる。リーダーが昨日から脱却できなければ、明日を創ることもできない。

体系的で意図的な廃棄がなければ、組織は出来事に乗っ取られる。最高のリソースを行うべきでなかったことやもはや行うべきでないことに浪費する。その結果、生じる機会を開拓するのに必要なリソース、特に有能な人々を欠く。ほとんどの事業は昨日から脱却しようとせず、その結果、明日のために使えるリソースを欠く。

ソース:The Daily Drucker 5 January.

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2017年1月 3日 (火)

国税徴収法違反事件について、原審の再審開始棄却決定を取り消して再審開始決定をした事例

大阪高裁H27.10.7    
 
<事案>
有罪が確定した事実:
請求人XがA及びBと共謀の上、Aが経営する風俗営業店の財産に対する税金の滞納処分の執行を免れる目的で、その店の営業をBに仮装譲渡等して財産を隠滅した。 

確定審での主たる争点:
AからBに対する営業の仮装譲渡についてのXとA・B間の共謀の有無。
検察官は、AがXに仮装譲受人の紹介を依頼したところXがBを紹介し順次共謀が成立したと主張。
 
<規定>
刑訴法 第435条〔再審請求の理由〕 
再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき
 
<証拠>
確定一審の証拠構造は、
共謀の直接証拠であるA旧証言、B調書並びに共謀の間接証拠であるC調書。

本件再審請求における新証拠:
Aの新供述(公証人に対する宣誓供述書と再審即時抗告審における証言(「A新供述」))とCの同僚の行政書士Eの宣誓供述書(「E新供述」)
いずれもA旧証言とB調書の信用性を弾劾するために提出。
 
<原決定>
請求人の請求を棄却。 
 
<判断>
本件主要新証拠により、A旧証言とB調書の信用性に大きな疑問が生じた
⇒刑訴法435条6号所定の事由に該当するとして原決定を取り消し、再審開始の決定。

①Aが虚偽供述に及んだとして述べるところは、旧証言時にAが置かれていた状況に照らすと、十分に理解できる。
②自らの刑責を少しでも軽くするために偽証に及んだというA新供述は、直ちにこれを虚偽であるとして排斥することができない。
③A旧証言の信用性に疑問を抱かせる事情の存在。

本件主要新証拠を踏まえると、A旧証言の信用性を支える事情が大きく崩れる

④請求人が本件に関与したことによる経済的利益を全く得ていないことを併せて考慮すると、請求人において、上記のような積極的な意図があったと直ちに認めるのは困難。
⑤「党勢拡大」という動機にも疑問が残るというべきである。

本件主要新証拠を踏まえると、A旧証言及びB調書の信用性には大きな疑問が生じ、請求人の共謀を認定することには合理的な疑いが残るというべきであるから、その他の新証拠について検討するまでもなく、本件は刑訴法435条6号所定の「無罪を言い渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したとき」に該当
 
<解説>
本件の最も重大な争点は、確定判決を支えたA旧証言とこれを弾劾する新証拠として提出されたA新供述の、各信用性の判断。 
本件確定審では、Bの方は、法廷でXの無罪主張に沿う証言をしている(⇒そのためこれを相反するB調書が証拠採用されている。)
Aの方は、Xが在廷する法廷においてXとの共謀を認める証言をし反対尋問にも答えている
⇒後日にこれを覆したとしても、よほどの事情がない限り旧証言の信用性は崩れない。
本決定は、この点を綿密に検討し、その「よほどの事情」が認められると判断。

判例時報2309

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大学の入学試験実施を妨害する労働組合に対する情宣活動の差止請求(肯定)

東京高裁H27.1.28      
 
<事案>
学校法人Xは、大学消費生活協同組合の従業員であったY2ないしY5と同人らが構成員となっている労働組合であるY1に対し、平穏に教育及び研究を行う権利、平穏に営業活動を行う権利(営業権)及び入学試験を平穏に実施する権利に基づき、Y1らの行う情宣活動の差止めを求めた。 
 
<判断>
本案前の主張(請求の特定)に関し:
差止めを求める場所的範囲につき、ある地点を基点として半径200メートルの範囲内の土地という定め方をすれば、地図によってその範囲を確定することが可能
社会通念上、禁止される場所的範囲が明らかになる程度に特定されているということができる。 

Xが差止めを求める法的根拠:
学校法人であるXにも個人と同様、人格権に基づき平穏に業務を遂行する権利が認められる
私人間における紛争⇒Yらに憲法21条で保障された表現行為の差止めの問題ではなく、Xの経済的自由権とYらの精神的自由権の優劣が問題となるものとはいえない。
Yらが団体行動権を有するとしても、その情宣活動がXの平穏にその業務を行う権利を侵害するときに、労働組合活動であることの故をもって当然に正当化されるものではない

本件情宣活動の違法性:
Xが労働組合法7条の使用者に該当しないことは最高裁まで争われて確定している⇒同法8条によるYらの情宣活動の違法性阻却事由は認められない
Yらの行為は、その目的、態様、被侵害利益の侵害の程度その他の事情を考慮し、社会通念上相当と認められるときに限り、その違法性が否定される。
Xに交渉応諾義務がないことが公権的に確定している状況において、入学試験当日に本件のような態様で情宣活動を行うことは社会通念上相当性を欠く

Xの入試会場のうち、過去にYらの情宣活動が行われたことがない会場については、将来、Yらが情宣活動を行う蓋然性が認められない。

その余の会場について蓋然性が認められる⇒情宣活動の差止めを認めるべき
 
<解説>
大阪地裁H23.9.21:
労働組合の行動ないし団体行動は、その目的だけでなく、その手段・態様においても社会的に相当と認められて初めて正当なものとして法的保護の対象となる旨判示。 

差止の場所的範囲の特定方法についての実務例:
特定の地点から半径〇〇メートルとした例として、
自宅のマンションの入口ドアの中心点、肩書住所地の住居に設置された門扉の中心点、入居するビルの入口ドアの中心点など。
請求①②は、禁止日や禁止対象行為は同一であり、実質的な禁止範囲も同一で、禁止範囲の表現方法が異なるにすぎない。
訴訟物は同一

①について却下する理由は、請求の特定を欠く不適法なものということではなく、訴えの利益を欠くとすべきであった。

判例時報2309

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特許権の存続期間の延長登録出願の理由として、先行する承認があるため、承認を受ける必要があったとは認められないとされた事例

最高裁H27.11.17      
 
<事案>
本件特許の特許権者である被上告人が、本件特許権の存続期間の延長登録出願に係る拒絶査定不服審判の請求を不成立とした特許庁の審決の取消しを求める事案。 
 
<争点>
特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(「医薬品医療機器等法」)の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して、同一の特許発明につき医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認(「先行処分」)がされている場合において、先行処分の存在により延長登録出願に係る特許発明の実施に出願理由処分を受けることが必要であったとは認められないとして、特許法63条1項1号に該当することになるか否かが争われた。
 
<規定>
特許法 第67条(存続期間)
特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。
2 特許権の存続期間は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる

特許法 第67条の3
審査官は、特許権の存続期間の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一 その特許発明の実施に第六十七条第二項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められないとき
 
<審決>
本件特許権の特許発明のうち本件医薬品に係る発明特定事項に該当する全ての事項によって特定される範囲は、既に本件先行処分によって実施できるようになっている
本件特許権の特許発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとは認められない。 
 
<原審>
本件特許権の延長登録出願については、政令処分を受けたことにって禁止が解除されたということはできず、法67条の3第1項1号の定める延長登録出願の拒絶要件があるとはいえない
審決を取り消し。 
 
<判断>
特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して、同一の特許発明につき同法の規定による医薬品の製造販売の承認がされている場合において、延長登録出願にかかる特許発明の種類や対象に照らして、医薬品としての実質的同一性に直接かかわることとなる審査事項について両承認を比較した結果、先行する承認の対象となった医薬品の製造販売が、延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売を包含すると認められるときは、延長登録出願に係る特許発明の実施にその出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められない
この法理を本件事案にあてはめ、原判決を正当として是認
 
<解説>
特許権の存続期間の延長登録出願の制度は、政令処分を受けることが必要であったために特許発明の実施をすることができなかった期間を回復することを目的とするもの(最高裁H23.4.28)。 

平成23年最高裁判決:
特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法14条1項による製造販売の承認に先行して、当該処分の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされている場合であっても、先行処分の対象となった医薬品が延長登録出願に係る許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは、先行処分がされていることを根拠として、当該特許権の特許発明の実施に当該処分を受けることが必要であったとは認められないということはできない

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「組織的惰性」

全ての組織は、いかなるプログラムも活動も、修正とデザイン変更なしでは長期間有効に機能しないことを知る必要がある。結局全ての活動は陳腐化する。この事実を無視する組織の中でも、最悪は政府である。何かをすることを止めることができないことは、政府の中心的病であり、今日政府が病気である主たる理由である。過去を脱することにおいて、病院と大学は、政府より少しだけましにすぎない。

ビジネスマンは官僚と同じく、昨日について感傷的である。彼らは、投入する努力を倍にすることで、製品やプログラムの失敗に対応する。しかし、幸運なことに、自由にその偏愛にふけることはできない。彼らは、客観的な規律である市場の規律の下にある。彼らは客観的な外部尺度である収益性をもつ。そこで、彼らは、遅かれ早かれ、不成功と非生産性を止めざるを得ない。政府、病院、軍隊等といった他の組織において、経済は抑制にすぎない。

全ての組織は変化できなくてはならない。我々は、市場のテストと収益性尺度が事業に与えるものを他の種類の組織に与えるコンセプトと尺度を必要とする。それらのテストと尺度は全く異なる。

ソース:The Daily Drucker 4 January.

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2017年1月 2日 (月)

離婚訴訟で未成年者の親権者を非監護者であった父親とした事案

千葉家裁松戸支部H28.3.29      
 
<事案>
平成22年5月6日、Xが長女を連れて自宅を出て別居状態。 
Yは、子のが監護者指定及び子の引渡し申立事件並びにこれを本案とする審判前の保全処分申立。
Xも子の監護者の指定事件。
⇒家裁は平成24年2月28日、長女の監護者をXと定め、Yの申立てをいずれも却下。
Yは、その後2度にわたって、子の監護者の変更を求める申し立てをしたが、いずれも却下。

平成24年
Xは、婚姻関係の破綻を理由に、離婚及び慰謝料500万円の支払を求め、附帯処分として、養育費の支払及び年金分割を求めた。
Xは、親権者の指定について、長女はXとともに安定した生活を送っていること、監護者指定の審判において、Xが監護者として指定されていることなどから親権者をXと指定するべきであると主張。
Yは、離婚請求の棄却を求めるととも、予備的に、長女の親権者をYと定めるべきであると主張し、その場合の附帯処分として、長女の引渡しのほか、Xと長女との面会交流に関して、時期、方法等を定めることを求めた
 
<規定>
民法 第819条(離婚又は認知の場合の親権者)
6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。
 
<判断>
婚姻関係の破綻⇒離婚請求を認容
慰謝料請求を棄却
年金分割についての請求すべき割合を0.5

主たる争点である親権者の指定について、
①原告は被告の了解を得ることなく、以来、今日までの約5年10か月間、長女を監護し、その間、長女と被告との面会交流には合計で6回程度しか応じておらず、今後も一定の条件のもとでの面会交流を月1回程度の頻度とすることを希望している。
②被告は、長女が連れ出された直後から、長女を取り戻すべく、数々の法的手段に訴えてきたが、いずれも奏功せず、爾来今日まで長女との生活を切望しながら果たせずにきており、それが実現した場合には、整った環境で、周到に監護する計画と意欲を持っている
③長女と原告との交流については、緊密な親子関係の継続を重視して、年間100日に及ぶ面会交流の計画を予定している。

長女が両親の愛情を受けて健全に成長することを可能にするためには、被告を親権者と指定するのが相当

Xの主張:長女を慣れ親しんだ環境から引き離すのは長女の福祉に反する。
vs.
今後長女が身を置く新しい環境は、長女の健全な成長を願う実の父親が用意する整った環境であり、長女が現在に比べて劣悪な環境に置かれるわけではない
加えて、年間100日に及ぶ面会交流が予定されている。
⇒原告の懸念は杞憂に過ぎないというべき。
 
<解説>
●親権者指定の判断基準
もっぱら子の利益ないし福祉の増進という観点から行われるべき。

何が子の利益にあたるか?
父母のいずれが親権者として適格であるかを当該事案における諸事情を総合的に比較衡量して決定される。

父母の側の事情:
監護能力
精神的・経済的家庭環境
居住・教育環境
子との親和性
監護補助者の有無

子の側の事情:
子の年齢・性別・心身の発達程度
従来の環境への適応状況
環境の変化への適応性
子の意向
父母及び親族との親和性

次第に子の意向、子と親との情緒的結びつきなど、主観的要素を重視する傾向

裁判例においては、諸事情をある程度相対的に比較する基準
①乳幼児については、母親優先の基準
②子の健全な成長のためには親と子の不断の心理的結びつきが重要であって、養育監護者の変更は子の心理的不安定をもたらす⇒子を養育看護する者を優先させるべきとする現状尊重の基準(継続性の原理)
③子の意思尊重の原則(家事事件手続法169条2項、子(15歳以上のものに限る)の陳述を聴かなければならない。)
④多面的な人間関係を構築する可能性を保障⇒兄弟姉妹不分離の原則。
 
●本件 
親権者の適格性を基礎づける事情として面会交流の適切な実施の可能性を考慮している。
当事者が面会交流を一切拒否しているような場合はともかく、面会交流の方歩う頻度について意見を述べている場合には親権者の適格性と切り離して判断することが妥当な場合もあろう。
本件では、Xからの申立てがないにもかかわらず、親権者となるべきYからの申立てによって、Yへの面会交流の義務を命じたのは、それがYへの親権者指定のいわば条件となっているからと思われる。
but
当事者双方の協力が不可欠な面会交流の実施を条件的なものとすることは慎重であるべきとする異論もあり得る。

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笹子トンネル事件

横浜地裁H27.12.22      
 
<事案>
天井板が崩落し9名が死亡。
ワゴン車に乗って本件トンネルを通行中に本件事故により死亡した被害者5名の遺族であるXらが、土地工作物である本件トンネルの管理に瑕疵があったと主張⇒
本件トンネルを占有管理するY1(中日本高速道路㈱)に対して民法717条1項又は同法715条1項に基づき
本件トンネルの保全点検等の業務を受託していたY2(中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京㈱)に対しては民法715条1項に基づき、
連帯して本件事故による各損害額及びこれらに対する遅延損害金の支払を求めた。
 
<規定>
民法 第717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

民法 第715条(使用者等の責任)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
 
<争点>
Y1及びY2の被用者らの過失の有無 
 
<判断>
予見可能性:
①(Y1及びY2の担当部署の被用者)としては、・・・35年という歳月の経過による本件トンネルの天頂部アンカーボルトに経年劣化が生じて荷重に対する引抜抵抗力を喪失する可能性も否定できない
適切な点検方法を設定し、これを実施しなければ本件トンネルの天頂部アンカーボルトの不具合(本件事故の原因となった引抜抵抗力の低下)を予見し得た
②当業者であれば、打音点検及び触診(特に打音点検)がアンカーボルトの不具合を発見する上で有効であるとの認識を有し、こうしたアンカーボルトの引抜抵抗力を把握するための点検方法が存在することを認識し得た

(同被用者らは、)本件点検の点検方法に係る協議の際、打音・触診といった目視以外の適切な点検方法を設定しなければ、本件トンネルの天頂部アンカーボルトの不具合を看過し、その結果、本件事故のような天井板の崩落事故が発生することを予見できた

結果回避可能性:
①本件点検において打音点検が実施されていれば、(本件事故後の緊急点検)同様の結果が得られた可能性が高く、同結果における不具合の数量は、異常な数値であって、引抜抵抗力の大小を正確に判定し得ないとしても、本件トンネルの異常性を認識するには十分。
②上記のような異常な数の天頂部アンカーボルトの変状が発見されれば、天井板の落下に繋がる可能性が高いことは明らか。

Y1は、担当部署による点検結果報告を受け、本件トンネルの安全を確保ないし確認できるまで、本件トンネルを通行止めにし、アンカーボルトの引抜抵抗力試験を実施するなどして、更なる調査、応急対策、補修・補強工事又は天井板の撤去工事等の抜本的な対策を開始することにより、少なくとも通行者が通行中に天井板が崩落するという本件事故の発生を回避することができた

・・・上記入念な方法を採用し、本件トンネルの天頂部アンカーボルトの不具合を発見し得る適切な点検実施計画を立案ないし設定すべき注意義務があったのにこれを怠り、触診はもとより打音点検を採用せず、双眼鏡による目視のみという方法を採用した過失があった。
 
<解説>
過失判断の手法として、打音検査によってXらの主張する具体的な崩落箇所についての引抜抵抗力喪失の判定に至らなくても、同検査を契機として通行止め、引抜抵抗力試験などの対策を開始することで本件事故の発生を回避することができた

予見可能性、結果回避可能性を肯定

札幌地裁H13.3.29:
被告である国が原告らの主張する瑕疵の1つを認めて争わなかった事案について、
原告らにより選択的に主張された責任原因の1つに基づく損害賠償請求権の成立が明らかになったにも拘らず、そのことを考慮せず、なお被告国の責任事態の解明のため、右以外の責任原因の有無をも審理、判断することは、民事訴訟としての実益を欠くものと言わざるを得ない。」

この点、本件では、本件事故についての損害賠償責任を認めていたY1の被用者の過失についても判断を示した。

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「マネジメントは不可欠である」

マネジメントは、おそらく西洋文明が続く限り、基本的で支配的な機関であり続ける。マネジメントは、産業システムがその生産リソース(人と資源の双方)を委ねなくてはならない、近代産業システムの特性と近代事業会社の必要性に基礎を与えられるだけでない。マネジメントはまた、近代西洋社会の基本的信念を表す。それは経済的リソースの体系的組織を通じて人の暮らしをコントロールできるという信念を表す。それは、経済変化が人類の改善と社会正義への最も強力なエンジンとなり得るという信念、そして、ジョナサン・スウィフトが300年前に誇張して言ったように、それまで1葉しか育たなかった場所で2葉を育てる人は、思索的な哲学者や形而上的体系家よりも価値があるという信念を表す。

特にリソースを生産的にすべき社会の機関であり、組織的経済発展に責任があるマネジメントは、それゆえ、近代の基本的精神を反映する。それは、実際、不可欠であり、一旦作られれば、抵抗なく素早く成長する理由である。

ソース:The Daily Drucker 3 January.

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2017年1月 1日 (日)

「未来を突きとめる」

未来予想者は常に、彼らの予想のどれだけが実現したかについて、成功率を測る。彼らは、決して、(彼らが)予想せずに実現した重要な出来事を数えない。予想する全てが起きるかもしれない。しかし、彼は最も意味ある新たな現実を見ず、さらに悪いことには、それらに注意を払わなかったかもしれない。重要性と特殊性は価値、知覚及び目的における変化の結果であり、それは人が見抜くことができるものにあり、予想するものにないから、予想における見当違いを避けることはできない。

しかし、エグゼクティブの最も重要な仕事は、既に起きた変化を突き止めることである。社会、経済、政治における重要な挑戦は、既に起こった変化を活用し、好機として利用することである。重要なのは「既に起きた未来」を突き止め、これらの変化を認識し分析する方法を開発することである。この方法の多くは私の1985年の本である「イノベーションと企業家」に書かれており、それはいかに体系的に社会、人口統計、意味、科学技術における変化を未来を創る機会と見るかを示す。

ソース:The Daily Drucker 2 January.

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