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2016年12月14日 (水)

人材派遣会社の従業員の競業避止の合意が公序良俗に反して無効とされた事例

東京地裁H27.10.30      
 
<事案>
X社は、労働者派遣事業等を営む会社で、Yは、平成24年4月、Xの従業員となった。Yは、平成24年5月7日から、Xを退職する平成25年3月30日までの間、A株式会社に派遣され、Aのコストマネジメント部で積算業務に従事。
Yは、Xを退職後、平成25年4月1日、B社に転職し、同様に、Aのコストマネジメント部で積算業務に従事。

Xの就業規則には、退職後3年間、競業避止義務を負う等の規定、Yが平成24年5月1日付で差し入れた覚書には、出向中に知り得た事業者への就職をしない等の旨の規定。
Yが平成25年3月21日付で差し入れた誓約書には、在職中に業務上知り得た客先及び第三者に対して自らの営業活動をしない等の規定。
 
労働者派遣事業を営む会社の従業員が退職後、他の会社に転職し、元派遣先に派遣されたことが雇用契約上の競業避止義務違反の債務不履行責任、不法行為責任を負うか?
 
<争点>
①Y、A、Bの引抜きに関する共謀の有無
②本件競業避止規定の効力
③損害額 
 
<判断>
引き抜きについてY、A、Bの共謀があった旨のXの主張は否定。 

競業避止規定の効力について、退職後の転職を禁ずる規定は、その目的、在職中の地位、転職が禁止される範囲、代償措置の有無等に照らし、禁止に合理性が認められないときは、公序良俗に反して無効

①Yが1年間勤務したに過ぎない
②禁止期間が3年
③誓約書、覚書には期間の限定が全くない
④休日出勤手当、残業手当等の支払がなかった
Yの転職を禁止することに合理性があるとは到底認められない
公序良俗に反するものとして有効性を否定し、請求を棄却

判例時報2307

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