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2016年12月14日 (水)

事業用物件の管理費額を倍額とする旨の規約および理事会決議と区分所有法30条3項違反(で無効)

東京地裁H27.12.17      
 
<事案>
XはAマンションの管理組合
Y1及びY2はAマンションのうち2室の共有者
各居室はいずれも、Y1が代表者を務める会社の事務所として利用。
 
<規定>
区分所有法 第30条(規約事項)
建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

3 前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない
 
<争点>
①使用目的及び利用状況、すなわち、居住用物件か事業用物件かという差異に基づき管理費割合を増額すること自体が合理的か
②増額すること自体が合理的であるとしても2倍とう割合が合理的か 
 
<判断>
①事業用物件であることから当然に管理費負担能力の高さが基礎づけられるとはいえない
②Aマンションにおいて居住用物件と事業用物件で共用部分の使用頻度に大きな差はなかった
③本件倍額規定については周知の程度に疑問があり、Yらが倍額の管理費を支払っていた時期があったとしても、本件倍額規定を許容していたものとは評価できない
④本件倍額規定がなくなればXが赤字になるとの事情があったとしても、これが本件倍額規定を許容すべき合理的根拠とはならない

本件倍額規定が事業用物件と居住用物件との間で管理費額に差を設けていること自体が区分所有法30条3項に違反し無効。 
 
<解説>
①区分所有者が住居部分を他の用途に使用した場合に管理費の増額を理事会決議により請求できる旨の原規約23条3項の有効性の問題
②これを受けて事業用物件の管理費学を通常の倍額とした平成元年決定の有効性の問題
とに区別される。
(本判決は両者を一体的にとらえて有効性を判断。) 

判例時報2307

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