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2016年12月17日 (土)

GPS捜査の強制処分性(肯定)証拠排除は否定

名古屋高裁H28.6.29      
 
<判断>
本件GPS捜査で端末が設置された対象は自動車であり、その性質上、公道上等通常他人から観察されること自体は受忍せざるを得ない場所の位置情報を取得するものにすぎない。
but
GPS捜査の特性、すなわち、対象者に気付かれずに、容易かつ低コストで、長期間にわたり常時位置情報を取得でき、さらにその情報を記録し分析することで対象者の様々な個人情報を網羅的に明らかにできる。
運用次第で対象者のプライバシーを大きく侵害する危険性を内包。 

本件GPS捜査は、当初の目的達成に必要な限度内で行われたとは言い難く、GPS捜査が内包するプライバシー侵害の危険性が相当程度現実化したもの。
全体として強制処分に当たり、無令状でこれを行ったことは違法

問題となる証拠と違法なGPS捜査との関連性の有無、程度、本件GPS捜査の違法性の程度等の観点から各証拠を検討。

関連性も強いものではなく、証拠収集過程に重大な違法はなかった。
⇒証拠排除は否定

 
<解説>
公道上ないしパチンコ店内における容ぼう等の撮影に関する最高裁H20.4.15は、通常、人が他人から容ぼう等を観察されること自体は受忍せざるを得ない場所におけるものであることを主な理由の1つとして適法性を認めている。

公共空間と私的空間の区別を基本としてプライバシー侵害の程度を判断。 

判例時報2307

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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