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2016年11月 4日 (金)

駐車場の賃貸借契約と過去の浸水被害についての説明義務違反(肯定)

名古屋地裁H28.1.21      
 
<事案>
Xが浸水侵害に関する信義則上の説明義務違反の不法行為等に基づく損害賠償を請求。 
 
<規定>
消費者契約法 第3条(事業者及び消費者の努力)
事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。
2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。
 
<争点>
本件駐車場の浸水被害に関する賃貸人の説明義務の有無
 
<判断>
①地下駐車場が構造上浸水被害にある可能性があることの一般的認識と、
②当該地下駐車場に関する浸水・冠水の発生状況や浸水被害の発生状況に係る具体的認識
を区別。

②についての情報は、賃借人になろうとする者には容易に得られないという点で、賃貸借契約当事者間の情報格差を認め
Yは、Xにおいて当該事実を容易に認識することができた等の特段の事情がない限り、信義則上、Xに対し、本件駐車場が近い過去に集中豪雨のために浸水し、駐車されていた車両にも実際に被害が生じた事実を、X又は仲介業者であるAに告知、説明する義務を負う」と判示し、あわせて、かような判断が、消費者契約法3条によるXの立場に沿う。

①についての一般的認識についての予見可能性があったとそてもその影響を受けない。

そのうえで、「Xは、過去に本件駐車場が現に浸水して車両の被害も発生した事実を認識していれば、本件賃貸借契約自体を締結しなかった可能性が高い
義務違反と損害の因果関係を認め、被害を受けた車の時価と弁護士費用についてのXの損害賠償請求を肯定(過失相殺なし)。

判例時報2304

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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