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2016年10月26日 (水)

市立中学校の女子バレーボール部の顧問教師による暴行、暴言と教育懲戒権(違法)

津地裁H28.2.4      
 
<事案>
市立中学の女子バレーボール部の顧問であるY1教諭の暴力及び暴言⇒X1及びその両親であるX2、X3が、Y1教諭に対しては不法行為(民法709条)に基づき、中学校を設置しているY2市に対しては国賠法1条1項に基づき損害賠償請求をした事案。
 
<判断>
体罰ないし正当な懲戒権の範囲を逸脱した行為は違法であるところ、これを判断するには、「生徒の年齢、性別、性格、成育過程、身体的状況、非行等の内容、懲戒の趣旨、有形力行使の態様・程度、教育的効果、身体的侵害の大小・結果等を総合考慮して、社会通念に則り判断」すべきである。

Y1教諭の暴力は、
①非違行為に対するものではないこと、
②Y1教諭が自制できず、その感情(怒り)をX1にぶつけたものであること
③本件暴力は身体に対する直接的な有形力の行使であること
④本件暴力により教育的効果は認められないこと


本件暴力は体罰ないし正当な懲戒権の範囲を逸脱した違法な行為である。

M中学校は、学校における教育活動及びこれに密接に関連する生活関係における生徒の安全を確保すべき義務を負っているところ、同校の校長はY1による違法な暴力等を認識し又は認識し得たにもかかわらず、再発防止に向けた行動を取らなかった
⇒平成24年7月以降は、同校長には安全配慮義務違反がある。
Y2しは、X1に対し慰謝料150万円の限度で賠償責任がある。

Y1教諭に対しては、公務員個人は直接被害者に対し損害賠償を負わない
⇒請求棄却。

両親X2、X3の請求:
①被侵害利益として主張する「子が適切な環境で教育を受ける」権利ないしは法律上保護される利益は、その内容からすれば主体はあくまで子供であって、その親自身はこの権利主体としての地位が認められるわけではないこと、
子どもへの賠償によって親の受けた精神的苦痛も慰藉されたと評価され、それとは別に独立して評価される性質のものではない
⇒請求棄却。
 
<解説>
行為の程度もいわば身体的説諭・訓戒・叱責として、口頭によるそれと同一視してよい程度の軽微な身体的侵害にとどまっているとして正当な懲戒権の行使として許容された限度内の行為であるとして責任を否定した例として、最高裁H21.4.28等。 

判例時報2303

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