「生態学的ニッチ:専門市場」
最後のニッチ戦略は、収益性があるために十分大きいが潜在的な競争相手が押し寄せる価値がない程度に十分小さい専門市場ニッチの創設である。
例えば、1919年から第二次大戦とその後10年まで、20年以上の間最も収益性のある金融商品は、専門市場ニッチである、アメリカンエクスプレスのトラベラーチェックであった。トラベラーチェックは多くの現金を持ち運ぶよりはるかに安全で、どこでも使用できた(例えば、ヨーロッパの全てのホテルで受け入れられた)。銀行は、チェックを販売し、各取引につき少額の手数料を得た。これは、アメリカンエクスプレスにチェックを売り出す必要をなくすだけでなく、銀行に競争的サービスに乗り出すことを思いとどまらせた。そして、チェック所有者は、それを現金化するまでに、数か月、あるいは数年もチェックを保有し、その間アメリカンエクスプレスは、チェック保有者が支払った無利息での資金利用である「フロート」を持つことから、アメリカンエクスプレスは豊富な資金を得た。金融産業の人であれば、トラベラーズチェックがいかに収益の多いものであるかを知った。しかし、市場が小さいため、大銀行にとって、強引にそれに割り込む意味がなかった。
ソース:The Daily Drucker 23 August.
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))
| 固定リンク
「ドラッカー」カテゴリの記事
- 「リソースとしての人」(2017.05.18)
- 「シンジケート(企業連合)としての会社」(2017.05.17)
- 「連合としての会社」(2017.05.16)
- 「非伝統的従業員を管理(manage)する」(2017.05.15)
- 「PEOとBPOの利用」(2017.05.14)
コメント