「予想外の成功」
それがイノベーションの豊かな源泉であるのは、予想外がまさに、我々を揺さぶり、我々の既存概念や想定や確信から、引き離すからである。これほど、リスクが少なく、追跡しやすいイノベーションの機会は他にはない。しかし、予想外の成功はほとんど無視され、さらに悪い場合には、マネジメントは積極的にそれを拒絶する。マネジメントが予想外の成功を受け入れることが難しい1つの理由は、相当期間継続したものは「正常」であり「永遠に」続くと信じる傾向があることである。
これはある主要な米国の鉄鋼会社が、1970年頃、「小型製鋼所」を拒否した理由を説明する。
マネジメントは、その製鋼所が急速に陳腐化し、近代化するには数十億ドルの投資が必要であることを知っていた。新しい「小型製鋼所」はその解決であった。ほとんど偶然に、その「小型製鋼所」が取得され、急速に成長し、キャッシュと利益を生み出し始めた。鉄鋼会社の一部の若い従業員は、投資資金は、さらなる「小型製鋼所」の獲得や新設のために使われるべきだと提言した。トップマネジメントは、憤然として、その提言を拒否した。「統合された製鋼プロセスは唯一の正しいものだ」「それ以外は、一時的流行で、危険で、続かないごまかしだ」とトップマネジメントは言った。30年後、米国の鉄鋼産業で、健康で、成長し、合理的に成功していたのは「小型製鋼所」だけであった。
予想外の成功を無視あるいは拒否しない。それを特定し、吸収し、そこから学ぶ。
ソース:The Daily Drucker 13 July.
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