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2016年7月27日 (水)

非監護親が養育費として負担すべき子の大学学費・通学費の計算

大阪高裁H27.4.22      
 
<事案>
抗告人(原審相手方)父A(運転手)と相手方(原審申立人)母B(ゴルフ場キャディ)の長女C(私立大学入学)と二女D(盲学校)の各養育費につき、母が各月額5万円の支払を申し立てた⇒

原審がCにつき22歳に達する月まで月額7万2000円、Dにつき20歳に達する月まで月額2万1000円の各支払を命じた

抗告審の本件決定が、長女につき、22歳に達する年の翌月の3月まで月額3万円の支払を命じることに変更。
 
<判断> 
Aが負担すべきCの養育費の額につき、Cの私立大学進学を前提とした額の負担をAが了承していたことを認めるに足りる証拠はないが、Cが高等学校に進学する際にAもCが国立大学に進学することを視野に入れていたと認められる⇒国立大学の学費標準額及び通学費用分についてはAも応分の費用を負担するものとして養育費の額を算定するのが相当である。
長女の学費は85万円程度であるが、国立大学の学費の標準額は、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令で年額53万5800円と定められていることから、長女の学費等はこれに通学費用年額13万を足した66万5800円となるところ、これによりAの養育費の分担額を算定すると、標準的算定表の試算額を超える長女の学費等は33万1956円となるので、これを考慮して算定し、本件の場合当事者双方の収入等からすると、長女が奨学金あるいはアルバイト等で一部を負担せざるを得ないことが推認されること等からすれば、上記超過額のうちAが負担すべきものは、その3分の1とするのが相当
そうすると、その年額は年間11万052円、月額9000円(1000円未満切捨て)となるので、Aの負担すべき養育費の額は前記2万1000円にこれを足した月額30000円となる。
そして、Cが大学を卒業する見込みである年の翌年3月(22歳で迎える3月まで)をもってその終期とした。
 
<解説>
調停や審判の実務で一般的に採用されているいわゆr簡易算定表については、原則的には合理性があるものとして、既に最高裁でも認められている(最高裁H18.4.26等)。 

問題は、これらの算定表に収まりきれない特別の事情、例えば、本件のような私立大学・私立高校等の費用の分担や、高額な医療費の分担、あるいは義務者の高額な借金の扱い等がある場合の算定方法。

私立大学や私立高校・私立専門学校あるいは市立小中学校等は、一般に教育費が高額になり、これをすべて当然に養育費の算定に組み入れることができるわけではない。

それが可能な要件としては、
義務者が私立学校への入学を承諾している場合や、
承諾はなくても、双方の収入・資産状況あるいは学歴その他兄弟間のバランス等から考えて、義務者に負担させるのを相当とする事情の存在することが必要。
本件は②の1場合を追加。

判例時報2294

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