一般産婦人科病院の当直医師の、超低出生体重児に対する、気管挿管の上で陽圧人口換気をすべき義務(否定)
大阪地裁H26.10.21
<事案>
超低出生体重児に対して適切な措置を施すべく、新生児専門医の待機や来院を要請すべき注意義務があるのにこれを怠り、適切な蘇生措置が遅れた結果、X1が低酸素性虚血性脳症による脳性麻痺になった。
⇒
Yに対し、診療契約上の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を請求した事案
<争点>
①A医師がZ病院の新生児専門医の来院を要請する義務を尽くしたといえるか
②A医師にはX1に対して気管挿管 をして陽圧換気をすべき義務があったか
<判断>
●新生児専門医の来院を要請する義務について
A医師が、12月8日午後11時5分頃のX3の来院後、速やかに診察をし、分娩が切迫していることを確認した上で、同日午後11時15分k路、Z病院に新生児専門員の来院要請をしている
⇒
X3らのY病院への電話連絡の内容等に照らしても、A医師が同日午後11時15分より前に、Z病院の新生児専門医の来院を要請する義務はないとして、Xらの主張を排斥。
●気管挿管をした上で陽圧人工換気をすべき義務について
A医師が既に新生児専門医の来院要請をし、間もなく新生児専門医の来院が見込まれる状況にあったとの事実関係の下で、超低出生体重児に対する気管挿管は熟練が必要であり、不慣れな者が行った場合には気管を損傷するなどのリスクがあった
⇒A医師には気管挿管をした上で陽圧人工換気をすべき義務はなかった。
判例時報2287
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