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2016年5月24日 (火)

抗不整脈剤であるアンカロンの副作用による薬剤性間質性肺炎にり患し死亡⇒医師の責任肯定

大阪地裁H26.9.1      
 
<争点>
①Aは、アンカロンの服用によって、薬剤性間質性肺炎が憎悪して死亡したか?
②Yは、どのような注意義務を負っていたか。
 
<判断>
Aは、アンカロンを継続的、長期間、服用しており、Aの体内には平成20年10月ころには110g、平成21年4月ころには146gのアミオダロンが蓄積
遅くとも平成21年6月4日の時点(E病院に入院時)にはアンカロン投与による薬剤性間質性肺炎に罹患していたと認定。

「アンカロンを服用している間は、数か月に一度程度、X線検査や血液検査などの定期検査を行う」義務があるところ、Yはこれを怠り、その結果、Aは薬剤性間接性肺炎に罹患し、死亡。
⇒Yに対し、1829万円余の損害賠償を支払うよう命じた。
 
<解説>
医薬品は効能とともに副作用があるのが通常
⇒医薬品の添付文書には、副作用が記載されており、これを無視して、医師が患者に医薬品を投与した場合には、損害賠償の問題が生じる。

裁判例
(責任肯定例):
・患者が呼吸困難を訴えているのに、ミノマイシンの投与を中止することなく、これを服用させたことに過失があるとして医師の責任を肯定した事例。
・薬剤性肺炎いついては、抗生物質の投与方法を誤り、その結果薬剤性肺炎に罹患させ、これによって引き続く急速な呼吸不全の状態に対する適切な治療時期、方法を失わせたとして医師の責任を認めた事例。

(責任否定例)
間質性肺炎について、抗がん剤「イレッサ錠250」を服用後、間質性肺炎を発症して死亡した末期の肺がん患者の遺族が、国、薬品会社に対し、間質性肺炎について、添付文書の警告欄に記載していないこと、重大な副作用欄の筆頭に記載していないことについて過失があるか否か等が問題となった、いわゆるイレッサ訴訟で、最高裁H25.4.12は、記載すべき義務はないとして国や薬品会社の責任を否定。

判例時報2285

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