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2016年4月 2日 (土)

マンションの管理組合の理事長(管理者)による建物調査診断等の委託契約が、権限外の行為として否定された事例

東京地裁H27.7.8    

<事案>
株式会社X1、X2協同組合は、平成23年5月24日、権利能力なき社団であるY管理共同組合の理事長Aとの間で、建物の長さ診断等の業務を受託する契約を締結(Yの集会の決議はなし)。
Yの理事長は、規約上、管理者と規定。
Yは、平成23年7月10日、臨時総会を開催し、本件契約を白紙に戻す旨が賛成多数で承認。
X1、X2は、Yに対し、受託業務が完了したと主張し、報酬の支払を請求。
 
<規定>
区分所有法 第18条(共用部分の管理)
共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

区分所有法 第26条(権限)
管理者は、共用部分並びに第二十一条に規定する場合における当該建物の敷地及び附属施設(次項及び第四十七条第六項において「共用部分等」という。)を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

一般法人法 第77条(一般社団法人の代表)
4 代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
 
<争点> 
①区分所有法18条の共用部分の管理の意義
②同法26条の管理者の権限の範囲
③一般社団奉じ及び一般財団法人に関する法律(一般法人法)77条4項、5項の類推
④民法110条の適用の当否
⑤受託業務完了の有無 
 
<判断>
本件契約の締結は共用部分の管理に関する事項であり、区分所有法18条1項により、集会の決議が必要
管理者は共用部分等の保存、集会決議の実行、規約で定められた行為をする権利を有し、その職務に関して区分所有者を代理する権限を有しているにすぎず、包括的代理権を有せず、集会の決議なく本件契約を締結する権限を有していない
⇒一般法人法77条4項、5項の適用・類推適用を否定。

Aが権限を欠いていることを知らなかったことにつきX1らに過失があった⇒民法110条の適用を否定し、請求棄却。

判例時報2281

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