タクシー会社代表者によるパワハラに係る責任(肯定)
東京地裁H26.12.10
タクシー会社の代表者による運転手らに対する暴行、暴言についてパワーハラスメントに係る不法行為責任、会社の損害賠償責任が肯定された事例
<事案>
タクシー会社の代表取締役が会社に雇用された運転手らに暴行、暴言をしたパワーハラスメントについて、代表取締役の不法行為責任、会社の損害賠償責任の成否が問題。
Y1は、X1らそれぞれに対する運転チェックを行った際「キチガイ」「あほ」「辞めろ」などの暴言を吐き、自動車内で運転席等の背後を蹴り付けるなどした。
⇒X1、X2らが、Y1の暴言、暴行に係るパワハラにつき、Y1に対して民法709条、Y2に対し同法715条に基づき損害賠償を請求。
<判断>
暴言、暴行に関する客観的な証拠のないXらについては、その供述に基づき暴言、暴行の事実を認定。
Y1の暴行が正当化される余地はなく、暴言が社会的に許容される限度を超える⇒運転指導の一環としてされたとしても、正当化することはできない。
⇒Y1の不法行為責任、Y2の使用者責任を肯定し、慰謝料として各30万円を認める等し、請求を一部認容。
判例時報2250
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