保護観察中の19歳の少年に対する施設送致申請事件について、少年を中等少年院に送致した事件
広島家裁H26.9.9
保護観察中の19歳の少年に対する施設送致申請事件について、少年を中等少年院に送致した事件
<事案>
更生保護法67条2項に基づく保護観察所長から家庭裁判所に対する施設送致申請について、家庭裁判所が少年法26条の4第1項によってそれを許容し、少年院送致の保護処分をした事案。
<規定>
更生保護法 第67条(警告及び少年法第二十六条の四第一項の決定の申請)
保護観察所の長は、保護観察処分少年が、遵守事項を遵守しなかったと認めるときは、当該保護観察処分少年に対し、これを遵守するよう警告を発することができる。
2 保護観察所の長は、前項の警告を受けた保護観察処分少年が、なお遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるときは、少年法第二十六条の四第一項の決定の申請をすることができる。
少年法 第26条の4(保護観察中の者に対する措置)
更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第六十七条第二項の申請があつた場合において、家庭裁判所は、審判の結果、第二十四条第一項第一号の保護処分を受けた者がその遵守すべき事項を遵守せず、同法第六十七条第一項の警告を受けたにもかかわらず、なお遵守すべき事項を遵守しなかつたと認められる事由があり、その程度が重く、かつ、その保護処分によつては本人の改善及び更生を図ることができないと認めるときは、決定をもつて、第二十四条第一項第二号又は第三号の保護処分をしなければならない。
<本決定>
(保護観察所長の)申請に係る事由を認めたうえで、
少年の規範意識の低さが著しい⇒その矯正には強制力の強い枠組みが必要で、保護観察によっては少年の改善及び更生を図ることができない⇒少年院に送致する旨の決定
判例時報2249
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