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2015年1月22日 (木)

週刊誌の記事による新聞社に対する名誉・信用侵害(肯定)

東京高裁H26.6.26   

週刊誌の記事によって名誉や信用を毀損されたと主張する新聞社の週刊誌出版社に対する謝罪広告の掲載と慰謝料の支払請求を全部棄却した原判決を取り消して100万円の慰謝料の支払が命じられた事例 
 
<一審>
本件記事によってXの社会的評価の低下が認められる場合であっても、その低下の程度が僅少である等、違法性の程度が軽微であれば、名誉毀損の不法行為が成立しない。 
Xの社会的評価は、不法行為を構成するほどに低下したとは認められない
⇒Xの請求を棄却 
 
<判断>
日本新聞協会において定められた新聞倫理綱領に「新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を廃するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。」などと掲げられていることなども引用しつつ、
日本でも有数の報道機関である本件新聞が捜査機関の意向を付度して積極的に捜査機関に協力して他のメディアを潰そうとしているとの指摘は、Xの報道機関としての信用に関する社会的評価を低下させるもの。 
本件新聞が表現の自由に鈍感であるとか、言論機関に値いしないとの論評も、同様にXの報道機関としての信用に関する社会的評価を低下させるもの。

Xが本件新聞の紙面に反論を載せるなどの自助努力をすることにより、ある程度は社会的評価が回復される余地があるとしても、そのことは、慰謝料の額や謝罪広告の要否を判断する際の考慮事情の1つになるにとどまる。

慰謝料100万円の限度でXの請求を認容し、謝罪広告の掲載請求は棄却。

判例時報2239

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