組織再編成に係る行為と法人税法(平成22年改正前)132条の2による否認
東京地裁H26.3.18
1.法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」の意義(①②事件)
2.法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)132条の2にいう「その法人の行為又は計算」の意義(①②事件)
3.適格合併に関する要件(法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)57条3項の規定に基づき定められた法人税法施行令(平成22年政令第51号による改正前のもの)112条7項5号に規定する要件)を形式的に充足する特定役員就任が同法132条の2にいう「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、同条の規定に基づき否認することができるとされた事例(①事件)
4.適格合併に関する要件(法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)2条12号の11の規定に基づく定められた法人税法施行令(平成22年政令第51号による改正前のもの)4条の2第6項1号に規定する「当事者間の完全支配関係が継続することが見込まれている場合」という要件)を形式的には充足せず非適格分割となるように計画された新設分割が同法132条の2にいう「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、同条の規定に基づき否認することができるとされた事例(②事件)
<事案>
一連のものとして計画された組織再編成に係る行為の一部について法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの。以下同じ。)132条の2の規定(本件規定)に基づき否認することができるか否かが問題となった事案。
A社は、X1社(①事件の原告。A社が42パーセントの議決権を有していた。)に対し、平成20年10月下旬ないし11月下旬にかけて、完全子会社であったB社の株式の譲渡を提案。
~
B社の会社分割による新会社(X2社。②事件の原告)設立と、X1社によるB社の吸収合併を組み合わせ、B社が有していた未処理欠損金額約666億円のうち、五百数十億円をX1社が引き継いで償却し、百数十億円をX2社が資産調整勘定(企業会計上の「のれん」)として実質的に引き継いで順次償却していくというもの。
B社⇒
X2(資産調整勘定約100億円)
B(未処理欠損金5百数十億円)⇒X1に吸収
上記提案に沿って、B社の未処理欠損金額をX1社が引き継ぐためには、法人税法施行令(平成22年政令第51号による改正前のもの。以下同じ。)112条7項5号の特定役員引継要件を満たす必要。
~
被合併法人(B)の特定役員(社長、副社長、代表取締役等)のいずれかの者(被合併法人と合併法人との間に特定資本関係(50パーセント超の直接または間接の資本関係が生じる前の役員等に限る。)と、合併法人(X1)の特定役員のいずれかの者(特定資本関係が生じる前の役員等に限る。)とが合併後に合併法人の特定役員となることが見込まれていること。
X1社の代表取締役社長(及びA社の取締役)のC氏は、A社の代表取締役社長(及びX1社の取締役会長)を努めていたD氏から、B社の取締役副社長に就任するよう依頼を受け、B社の臨時株主総会と取締役に選任されるとともに、取締役会において副社長に選任された。
B社は、平成21年1月7日、A社の方針に従った新設分割計画を作成し、同年2月2日、X2社が新設分割(本件分割)により設立され、B社の取締役がX2社の取締役にも就任し、X2社の発行済株式全部がB社に交付。
B社は、X1社に対し、平成21年2月20日、保有するX2社の発行済株式全部を譲渡(本件譲渡)。
◎
B社の未処理欠損金額をX2社が実質的に引き継ぐためには、本件分割が法人税法施行令4条の2第6項1号の要件を満たさず、法人税法2条12号の11イの要件も満たさないから、適格分割に該当しない分割(非適格分割)であるとして、資産調整勘定(法人税法62条の2第1項)を生じさせる必要があった。
法人税法2条12号の11イは、適格分社型分割(分社型分割のうち適格分割に該当するもの)の1つとして、その分割に係る分割法人と分割承継法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の全部を直接又は間接に保有する関係その他の政令で定める関係がある場合の当該分割をいう旨規定。
法人税法施行令4条の2第6項1号は、法人税法2条12号の11イに規定する政令で定める関係の1つとして、当該分割が単独新設分割である場合にあっては、当該分割後に当該分割法人と分割承継法人との間に当事者間の完全支配関係(100パーセントの資本関係)が継続することが見込まれている場合における当該分割法人と分割承継法人との間の間の関係を規定。
⇒X2社がB社の新設分割により設立された後、B社がX1社に対しX2社の株式を譲渡することが予定されていたから、分割法人であるB社と分割承継法人であるX2社との間に当事者間の完全支配関係が継続することが見込まれていなかったとして、この規定の要件が満たされなくなるよう、本件譲渡が予定。
A社は、X1社に対し、平成21年2月24日、保有するB社の発行済株式全部を譲渡(本件買収)。
X1社は、平成21年2月25日、X1社を存続会社、B社を消滅会社とする吸収合併を行い(本件合併)、本件合併は、同年3月30日に効力を生じた。
C社を除くB社の取締役は、本件合併に伴って全員退任し、X1社の取締役には就任していない。
●
X1社は、X1社の平成21年3月期の事業年度に係る法人税の確定申告に当たり、法人税法57条2項の規定に基づき、B社の未処理欠損金額約542億円をX1社の欠損金額とみなして、同条1項の規定に基づき損金の額に算入し、確定申告。
処分行政庁:
本件買収、本件合併及びこれらの実現に向けられたX1社の一連の行為(X1社がその代表取締役社長であるC氏をB社の取締役副社長に就任させた行為を含む。)並びにその未処理欠損金額をX1社の損金の額に算入する計算を容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる。
⇒本件規定に基づき、B社の未処理欠損金額をX1社の欠損金額とみなすことを認めない旨の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分。
⇒
X1社が、上記更正処分等は本件規定の要件が満たされたいなかったにもかかわらずなされた違法なものであると主張し、取消しを求めた。(①事件)
●
X2社は、本件分割が法人税法施行令4条の2第6項1号の要件を満たさず、法人税法2条12号の11イからハまでのいずれの要件も満たさず、適格分割に該当しない分割(非適格分割)
⇒
資産調整勘定(本件資産調整勘定)の金額約100億円が生じたとして、法人税法62条の8第4項及び5項に基づき、
X2社の平成21年3月期の法人税の確定申告に当たり、約3億円を本件資産調整勘定の金額から減額し、損金の額に算入し、
平成22年3月期から平成24年3月期までの法人税の確定申告に当たり、毎期約20億円を本件資産調整勘定の金額から減額し、損金の額に算入した上、確定申告。
処分行政庁:
本件分割を非適格分割として資産等の移転を受け、本件資産調整勘定の金額を生じさせた行為及び本件資産調整勘定の金額を減額して損金の額に算入する計算を容認した場合、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められる。
⇒本件規定に基づき、本件資産調整勘定の金額を生じさせ、これを減額し、損金の額に算入することを認めない旨の更正処分及び各過少申告加算税賦課決定処分。
⇒
X2社が、上記更正処分等は本件規定の要件が満たされたいなかったにもかかわらずなされた違法なものであると主張し、取消しを求めた。(②事件)
<争点>
(1)本件規定にいう「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、どのような行為をいうか。
①事件について、
(2)C氏のB社取締役副社長就任は、「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、本件規定に基づき否認することができるか。
②事件について
(3)本件計画(本件分割後にX1社とB社の間で本件譲渡を行うという計画)を前提とした分割承継行為は、本件規定にいう「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、本件規定に基づき否認することができるか。
<判断>
●争点(1)について
本件規定が定める「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」は、
①法人税法132条と同様に、取引が経済的取引として不合理・不自然である場合(最高裁昭和52.7.12、昭和59,10,25)のほか、
②組織再編に係る行為の一部が、組織再編に係る税負担を減少させる効果を有するものの、当該効果を容認することが組織再編税制の趣旨・目的又は当該個別既定の趣旨・目的に反することが明らかであるものも含む。
本件規定の「その法人の行為又は計算」は、「次に掲げる法人」の行為又は計算と読むべきであり、本件規定により否認することができる行為又は計算の主体である法人と法人税につき更正又は決定を受ける法人とは異なり得ると判示。
●①事件判決 争点(2)について
法人税法施行令112条7項5号の特定役員引継要件に形式的に該当する特定役員就任であっても、組織再編成に係る他の具体的な事情を総合考慮すると、合併の前後を通じて移転資産に対す支配が継続しているとはいえず、同号の趣旨・目的に明らかに反すると認められるときは、本件規定に基づき、特定役員への就任を否定できる。
①特定役員引継要件が形式的には充足されてはいるものの、役員の去就という観点からみて、「合併の前後を通じて移転資産に対する支配が継続している」という状況があるとはいえず、法人税法施行令112条7項5号が設けられた趣旨に全く反する状態となっている。
②本件合併は、その実質において、共同で事業を営むためのものとはいえず、単なる資産の売買にとどまるものと評価することが妥当⇒法人税法57条3項にいう「共同で事業を営むための適格合併等」としての性格が極めて希薄
③X1社とA社においては、未処理欠損金額の引継ぎが認められない可能性が相当程度あることを認識していた
など、本件における諸事情を総合勘案
⇒
C氏のB社取締役副社長就任は、特定役員引継要件を形式的に充足するものではあるものの、それによる税負担減少効果を容認することは、特定役員引継要件を定めた法人税法施行令112条7項5号が設けられた趣旨・目的に反することが明らか。
C氏のB社取締役副社長就任を含む組織再編行為全体をみても、法人税法57条3項が設けられた趣旨・目的に反することが明らか。
⇒
C氏のB社取締役副社長就任は、本件規定にいう「その法人の行為(中略)で、これを容認した場合には、(中略)法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、本件規定に基づき否認することができる。
●②事件判決 争点(3)について
法人税法施行令4条の2第6項1号の「当事者間の完全支配関係」が継続することが見込まれるという要件(完全支配関係継続見込み要件)を形式的には充足せず非適格分割となるように計画された新設分割であっても、組織再編の組み合わせ方や組織再編成に係る他の具体的な事情を総合考慮すると、分割の前後を通じて「移転資産に対する支配」が継続しているということができ、同号の趣旨・目的に明らかに反すると認められるときは、本件規定により、完全支配関係継続見込み要件が充足されないことの原因となっている行為又は計算を否認することができる。
①一連の組織再編成の計画を全体としてみると、B社の分割は、「移転資産に対する支配」が継続しているか否かの指標とされる「当事者間の完全支配関係」が一時的に切断されるが短期間のうちに復活することが予定されるもの⇒実質的にみて、分割会社による「移転資産に対する支配」が継続する内容のものであると評価すべき場合
②本件分割の態様は、B社にとって、事実上の必要性よりも、A社グループ全体での租税回避の目的を優先したものであるとの評価を免れない
③本件譲渡を行うこと自体の事業上の必要性は、極めて希薄であった
④一連の組織再編に関与する法人は、資産調整勘定の計上が認められない可能性が相当程度あることを認識していた
などの諸事情を総合勘案
⇒
分割後に本件譲渡を行うという計画(本件計画)を前提として分割行為は、完全支配関係継続見込み要件を形式的には充足しないものであるものの、それによりもたらされる税負担減少効果を容認することは、完全支配関係継続見込み要件を定めた法人税法施行令4条の2第6項1号が設けられた趣旨・目的に反することが明らか
⇒
本件計画を前提とした分割行為は、本件規定にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当し、本件規定に基づき否認することがでいる。
<解説>
●法人税法132条の2(本件規定)の「不当に」の意義:
A:従来の学説:同条の「不当に」の要件は、同族会社等の行為又は計算の否認規定である法人税法132条についての議論を参考に、行為・計算が「異常ないし変則的で租税回避以外に正当な理由ないし事業目的が存在しないと認められる場合」に充足される。
B:本判決
←
①本件規定は、租税再編税制の導入と共に設けられた個別否認規定と併せて新たに設けられた規定であり、同法132条とはその基本的な趣旨・目的を異にする
②本件規定は、組織再編成の形態や方法は複雑かつ多様であり、同じ経済効果を発生させ得る複数の方法があるところ、個別既定の想定外の行為等を行うことにより、当該個別既定のとおりに課税上の効果を生じさせることが明らかに不当であるという状況がたやすく生じ得ることを考慮して設けられたものと解される
③組織再編の方法として何が通常用いられるべき法形式なのかを、経済合理性や事業目的の有無という基準で決定することは困難
租税法律主義(課税要件の明確性)の問題:
「法の執行に際して具体的事情を考慮し、税負担の公平を図るためには、不確定概念を用いることはある程度不可避であり、また必要でもある。」
「一見不明確に見えても、法の趣旨・目的に照らしてその意義を明確になしうるもの・・・は、法の解釈の問題であり、・・・その必要性と合理性が認められる限り・・・課税要件明確主義に反するものではない」(金子)
本判決:本件規定の具体的な適用の在り方につき、「当該事案において否認された行為を規律する個別既定の趣旨・目的に応じて定まるものであるというべきであり、当該個別既定の趣旨・目的の内容によっては、形式的な適用を貫くべき場合もある」との判示。
●個別既定の趣旨・目的と規定文言との関係をいかに理解するか
①事件判決:
X1社とB社との合併に関し、未処理欠損金額の引継ぎの可否が問題となったところ、これを規律している法人税法57条2項及び3項並びに同法施行令112条7項5号(「特定役員引継要件」)の趣旨につき、企業グループ内の適格合併における未処理欠損金額の引継ぎは、租税回避に利用され得る⇒なお制限的に認めるにとどめるとする旨のもの。
「特定役員引継要件」は、一般に合併法人のみならず被合併法人の特定役員が合併後において特定役員に就任するのであれば、合併の前後を通じて移転資産に対する支配が継続していると評価することが可能であるから、未処理欠損金額の引継ぎを認めるという考え方に基づき設けられたものであるものの、同要件は、文言上、単に、役員又は特定役員への就任の有無及びその特定資本関係発生等との先後関係のみを問題とするにすぎないものであり、合併の前後を通じて移転資産に対する支配が継続しているか否かの指標として、常に十分にその機能を果たすものとまではいい難い⇒同号については、本件規定による否認が可能。
同要件における趣旨と規定文言との乖離を埋めるべきものとした場合には、規定自体の限定解釈により、より制限的な要件を導き出すという方法が考えられる。
but
本判決の手法
←
①更正処分の理由において本件規定による否認であることが明言されていたという手続的事情
②同要件に係る規定それ自体の解釈という範囲では賄いきれない事情(事業の継続性に関する他の要素)を参照することが可能となり、より事案に即した判断が可能となる。
●①事件判決は、
まず、特定役員引継要件の観点から、①特定資本関係発生以前の時期における当該役員の任期、②当該役員の職務の内容、③合併後における当該役員以外の役員の去就を検討し、これらが同要件の趣旨に反する事態となっているとの評価。
次に、問題となった個別既定である特定役員引継要件それ自体に関わる行為の実態のみならず、合併スキーム全体の経済的実体の検討に進む。
④合併後における事業の継続性や従業員の継続性の有無、⑤合併により引き継がれる事業自体の価値と未処理欠損金額との多寡、⑥被合併法人と合併法人の事業の規模の違いといった点を分析⇒本件合併はその実質において単なる資産の売買にとどまるものとの評価。
さらに予見可能性の観点から、取引関係者の間では当局により否認がされた場合の対処方法が合意されていたことなどの事情を挙げ、本件規定の適用を肯定。
~
①事件判決は、
①本件における役員就任行為が全く実体がないとまではいえないが、特定役員引継要件の趣旨に反する状態となっていることを前提とし、そのことに加えて、
②本件合併は、X1社が従来のデータセンター事業を承継するものとみることはできず、その実質において単なる資産の売買にとどまり、事業の継続性が肯定できないという経済的な実態をも併せて勘案して、本件合併による未処理欠損金額の引継ぎを認めることが法人税法57条3項の趣旨に反し、課税上の衡平を害することになるとした。
~
①事件判決は、未処理欠損金額の資産性を否定するものではなく、組織再編成の際におけるその引継ぎに関して、法人税法57条3項の趣旨に照らし、厳格な態度をとったものと解するのが相当。
●②事件判決は、X1社とB社との合併に先立って行われた、旧B社の分割の性格が争点。
法人税法施行令4条の2第6項1号の完全支配関係継続見込み要件が問題となり、同要件の趣旨と規定文言との乖離は、特定役員引継要件ほどには顕著ではないが、同要件が局所的に判定されるという特性上、複数の組織再編成行為が段階的に組み合わされた場合、乖離が生じ得る⇒経済実態としては移転資産に対する支配の継続性があるといえるのに、同要件は非適格と判定されるという場合があり得る。
このような場合の乖離が本件規定により否認されるべき段階に至っているかどうかの判断に当たっては、分割に関する経済実態を分析することにならざるを得ない。
その枠組みとして、②事件判決は、
①一連の組織再編成を構成する行為全体により、移転資産に対する支配の状況がどのように変化することが予定されていたのか、
②分割自体により、移転資産に対する支配の状況や事業の内容がどのように変更されていることが予定され、そのことに十分な事業目的又は事業上の必要性が認められるか、
③完全支配関係継続見込み要件に該当する行為又は事実につき、十分な事業目的又は事業上の必要性が認められるか否かという諸点を提示。
~
当該事案に即したもので、一般的に通用する観点として挙げられたものではない。
but
いずれの点も、上記の乖離の評価に当たっては当然に着目されるべき点。
特に③の点では、本件譲渡は、その事業上の必要性が極めて希薄であることは明らかで、実質的な対価の支払があったことも評価できない⇒これが同要件を充足するがための脱法行為であるとの評価は避けられず、「取引が経済的取引として不合理・不自然である場合」としても否認の対象となるとの評価もあり得る。
but
判文にこの点が直截に指摘されなかった。
←
完全支配関係継続見込み要件は、見込みを問題とするものであって、結果(取引自体)を問題とするものではないため、端的に本件譲渡を否認するかのような構成は適切でないという配慮。
●
②事件判決の事案:複数の組織再編成行為を段階的に組み合わせた場合に生じる問題につき、本件規定の適用の可否が問題となったもの。
~
本件規定の本来的な適用場面として想定され得るもの。
①事件の事案:立法趣旨と文言との乖離があるものとも言いえる規定から生じた問題につき、本件規定の適用によって解決を図ることができるかが問われたもの。
判例時報2236
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))
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