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2014年9月23日 (火)

保険薬局指定拒否処分が取り消された事例

東京高裁H25.6.26   

市街地再開発の結果、同一建物内に病院と薬局が隣接することとなった場合について、保険薬局指定拒否処分が取り消された事例 

<事案>
Xは、平成23年1月17日、東北厚生局長に対し、薬局についての保険薬局の指定申請
⇒同局長は、同年3月4日、本件薬局は前記医療機関からの構造上の独立性を欠き、保険薬局が保険医療機関と一体的な構造とすることを禁止する「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規制」2条3第1項1号に違反し、健康保険法70条1項の保険薬局の責務に違反したものであるから同法65条3項6号にいう「当該申請に係る薬局が保険薬局として著しく不適当と認めるものであるとき」に該当⇒保険薬局指定拒否処分。

Xは、これを不服として、保険薬局指定拒否処分の取消と申請型義務付けの訴えとして保険薬局の指定をすべき旨を命ずることを求めるなどの本件訴訟を提起。

<原審>
保険薬局の指定をすべき旨を命ずることを求める訴えを却下し、その余の請求を棄却。 

<判断>
「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」2条の3第1項1号の趣旨について、保険薬局の保険医療機関からの構造上の独立性を確保しておく必要があるとはいえるが、前記規制の規定は医薬分業の目的達成という見地からすると、より間接的な要件といえる。⇒当該事案において、経営上の独立性が十分に確保されている場合には、構造上の独立性に関する規定は穏やかに解するのが相当
 
本件建物の構造、本件建物の設計変更の経緯等を認定の上、
①本件薬局は、本件医療機関と敷地が同一であるものの、本件薬局の出入口は公道に準ずる道路等に面していると評価するのが相当であること、
②もともと本件医療機関と本件薬局は本件建物内の別個の区分所有建物として併設されており、本件薬局と本件医療機関は本件建物の内部で行き来することはできない構造であり、内部的に構造上の独立を備えていること、
③Xは、本件医療機関を経営する財団法人とは無関係の株式会社であり、資本関係はもとより、役員等の個人的つながりもあるとは認められず、本件薬局は経営上十分に本件医療機関からの独立性を備えていること

東北厚生局長が本件薬局は本件医療機関からの構造上の独立性を欠くとして本件薬局指定拒否処分をしたことは、東北厚生局長に付与された裁量権の範囲を逸脱し又は濫用してされたものと言わざるを得ない
同処分の取消と保険薬局の指定義務付けの訴えを認めた(国賠請求については、故意または過失があったとまでは認められないとして棄却)。

<解説>
Xの事前相談の際に東北厚生局福島事務所が保険薬局の指定ができる旨の回答をした後、本件建物の設計変更により、本件薬局の予定地が本件医療機関の出入口と隣接するようになったものであり、その原因がXにあると認めるに足りる証拠はないとされており、この点が重視されたとも思われる。 

判例時報2225

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