« 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」42条の決定に対する同法64条2項の抗告の許否 | トップページ | 警察官の発言に対して国賠請求が認められた事例 »

2014年4月29日 (火)

弁護士会の懲戒処分に裁量権の逸脱・濫用はないとされた事例

東京高裁H25.9.18   

「会社の債務整理を受任した弁護士において、①受任していない会社代表者の債務整理の受任通知書を発送し、②債権者一覧表、売掛金一覧を含む資産目録の速やかな作成、売掛金の回収、債権者集会の開催など基本的事務をしておらず、③会社所有不動産を任意売却した際の仲介手数料を、自身が監査役を務める二男が代表者である法人に交付したことは、弁護士として品位を失うべき非行に当たり、所属弁護士会による業務停止2月の懲戒処分を相当とする判断には、裁量権の逸脱又は濫用はない」としたケース。

<規定> 
弁護士法 第56条(懲戒事由及び懲戒権者)

弁護士及び弁護士法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
・・・
 
<解説> 
弁護士会による懲戒権の行使は、弁護士自治の根幹を成すもの

ある事実関係が弁護士法56条に定める「品位を失うべき非行」に該当するか否かは、該当するとした場合に懲戒するか否か、懲戒するとしてどのような処分をするかについては、弁護士会の合理的な裁量に委ねられており
懲戒処分は、全く事実の基礎を欠くか、又は社会通念上著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を超え又は裁量権を濫用してされたと認められる場合に限り、違法となる。(通説、判例)

判例時報2212

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」42条の決定に対する同法64条2項の抗告の許否 | トップページ | 警察官の発言に対して国賠請求が認められた事例 »

判例」カテゴリの記事

行政」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 弁護士会の懲戒処分に裁量権の逸脱・濫用はないとされた事例:

« 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」42条の決定に対する同法64条2項の抗告の許否 | トップページ | 警察官の発言に対して国賠請求が認められた事例 »