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2013年9月 1日 (日)

ジレンマをどう解決するか・・囚人のジレンマ① ゲーム理論(4)

1.社会のあちこちに潜む構図

①近くの2軒の店が値下げ競争。
②民主党と共和党が、それぞれ中核的支持層を無視し、中間層の浮動票を獲得するため中道寄りの政策を打ち出す。
③乱獲で魚が絶滅。
④最後の戦死者になるのはごめん。
1人1人が自分の利益を追求して行動すると、最終的には全員にとって好ましくない結果が生まれる
(2人の容疑者双方に対し、自白しようというきわめて強い誘惑が働く。)

ガソリンスタンドやスーパーの価格競争も同じ。
安売り競争⇒両方とも儲けが減る。
プレーヤーがジレンマに陥らない(あるいはジレンマを抜け出す)方法を紹介することが狙い。

2.囚人のジレンマ小史

タッカーが天才的だったのは、(ランド研究所の2人の数学者が見出した)数学的構造をわかりやきすく説明する事例を考案したこと。
ある考え方が短期的に広く普及するか、注目を浴びないまま埋もれてしまうかは、説明の巧拙に大きく左右される面もある。

3.「利得表」で考える

BBとRE:ライバル関係にある洋服のカタログ通販会社。
同時進行ゲーム⇒樹形図は使えない。
双方が同時に行う選択のあらゆる組合せとその生みだす結果を全てリストアップする。
両社が80ドルと70ドルという2つの選択肢⇒組合せは4通り。
(一方の利益が多くなるほど、他方の利益が少なくなるとは限らない。)

勝敗をつけることが目的ではない。いわゆるゼロサムゲームではない。
現実生活で遭遇するゲームのほとんどはゼロサムゲームではない

囚人のジレンマ等多くのゲームでは、どうやって共倒れを防ぐか、あるいは共存共栄を実現するかが問題。

4.絶対優位の戦略の落とし穴

RE:
「BBが80ドル⇒こちらが70ドルに下げれば儲けが増える。
BBが70ドル⇒こちらも80ドルではなく70ドルにすべき。⇒どちらにしても70ドルに決めるべき」

絶対優位の戦略:ほかのプレーヤーの選択に関係なく自分にとって常に最善の選択肢がある場合は、その選択肢を選べばよい。
but
囚人のジレンマの場合、両方のプレーヤーが絶対優位の戦略を用いると、絶対優位でない戦略を取る場合より悪い結果に陥ってしまう
(必要なのは、両方が高い値段をつけることだが、両者とも相手を打ち負かしてやろうという誘惑にかられる。)

当事者は、ほかのプレーヤーと「協力」することもできるし、ほかのプレーヤーを「裏切る」こともできる。「裏切り」は両者にとって絶対優位の原則だが、両者がこの戦略を選択すると、両者が「協力」する場合より、お互いにとって悪い結果になる
企業が価格競争のジレンマを解決しないようにすることが社会全体の利益になる場合が多い⇒反トラスト局。

5.問題解決の糸口

囚人のジレンマに直面したプレーヤーは、話し合って協力し、最悪の結果を避けるべき。
but
問題は、プレーヤーがずるをしたいと思うこと。

「協力」を成功させる=「裏切り」を防ぐこと。
「裏切り」という絶対優位の戦略でなく協力を選ばせるため、「報酬」を与えるなり、「処罰」の仕組みを用意する必要

報酬例:
・プレーヤーが同時に協力の約束をして、支払う予定の報酬を第三者に預ける
・プレーヤー同士が複数の局面で関わりをもっていて、ある局面で協力的行動をとれば、別の局面で見返りがあるケース。
ex.メスのチンパンジーがほかの雌の毛づくろいをすれば、食料を分けてもらえる
ex.強い利害関係をもつ第三者が協力をうながす
(紛争当事者が平和的解決を選んだ場合の報酬として経済支援を約束)

処罰例:
・裏切りに対する報復
・継続的な関係を通じて処罰が与えられる
(裏切り者はそのときは得をしたとしても、相手との関係が損なわれて、長い目で見れば損失をこうむる可能性。)
裏切り行為に対する報復として何らかの「反復行動(しっぺい返し)」が意識される場合が多い。

6.しっぺい返しの戦略

囚人のジレンマの戦略をコンピュータ上で対戦。
1対1の対戦を150回行い、その総得点に応じて順位を発表。

反復行動戦略が優勝
反復行動:最初の段階では協力を行い、その後はその1つ前の段階での相手の行動を繰り返す。

反復行動は、有効な戦略に必要な4つの原則を備えている。
明快
モラル適合性(自分のほうから裏切りを仕掛けることはない)
制裁実行性(裏切りを処罰せずに見逃すことはない)
寛容(悪意を持ち続け協力関係に戻れないということがない)

1対1の勝負では1度も相手に勝てなくても、全体的に良い成績を残す。
大きな強みは、最悪でも相手の1回の裏切りによって損をして負けるだけですむ。
(相手の裏切りで1回損をさせられても、その後はタイが続く。)
できるだけ裏切りを避け、協力を保てるように行動できたことが、反復行動戦略が優勝した理由。

他の戦略⇒あまりに相手を信頼しすぎて裏切られたり、あまりに利を追い過ぎて、お互いに泥沼に嵌り込んだ
報復が報復を呼ぶ悪循環を招く可能性。
間違いや勘違いが起きる可能性⇒もっと寛大な態度で臨んだ方がいいかもしれない。
(間違いや誤解が起きる可能性を織り込んだ上では、反復行動より寛大な戦略のほうがよい成績を残した。)

ルカ伝が言うよう、「彼らにこうして欲しいとこちらが望むことを、彼らにもしてやれ」という大原則を採用しよう。もし、皆がこの大原則に従えば、囚人のジレンマもなくなるだろう。
協力すれば個々のゲームにおける利得は減るかもしれないが、天国では大きい利得があると期待できるので、利己的な人にとっても協力は良い戦略。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

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