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2013年9月 4日 (水)

互いの均衡点を探せ・・・ナッシュ均衡(互いの均衡点を探せ)① ゲーム理論(6)

1.協力して大きな獲物をモノにする。

「囚人のジレンマ」とのゲームとの違いは、フレッドにとって何が最善の選択かがバーニーの行動に左右される(=絶対優位の戦略がない)
鹿・鹿:3 
バイソン・バイソン:3
ウサギ⇒1

2.堂々巡りの解決法
戦略のゲームでほかのプレーヤーの思考をお互いが読み合う堂々巡りの状況を解決するために考案されたのが「ナッシュ均衡」。

ナッシュ均衡:
各プレーヤーの戦略の組合せがいったん決まると、どのプレーヤーにも自分に対応したその戦略から離れるインセンティブがない均衡。


ex.フレッドとバーニーが共に鹿を選択すると、フレッドもバーニーも自分1人では選択肢を変えることはない。
常にうまくいくとは限らないものの、ナッシュ均衡はほぼあらゆるゲームの分析の出発点になり得る

3.最善の行動はどれだ?
REとしては、相手が40ドルをつけると考えれば自分も40ドルをつけるのが最善の選択。
BBにとっても同じ。

ナッシュ均衡:
それぞれが相手の行動を予測したうえで自分にとって最善の選択をし、双方が相手の予測どおりに行動すれば、お互いに思考を読み合う堂々巡りに終止符を打てる。
この状態がプレーヤーの思考の到達地点。これがナッシュ均衡。

2つの会社が共謀⇒両者ともナッシュ均衡の40ドルより大幅に高い価格を設定し、もっと多額の利益を手にできる
(ある産業に独占企業が存在したり、生産者がカルテルを結んでいたりすると、いかに消費者が害をこうむるかがよくわかる。)

どのゲームにもナッシュ均衡が存在するか?
ミックス戦略を採用できる程度まで行動や戦略を単純化して検討できる場合、基本的にイエス。

ナッシュ均衡は同時進行ゲームの好ましい解決策か?

慎重なイエス。
ナッシュ均衡が複数あるゲームもある。

4.複数の均衡がある場合
●フレッドとバーニーの狩りのゲームでは、3つのナッシュ均衡がある。
①鹿と鹿、②バイソンとバイソン、③ウサギとウサギ

お互いに連絡を取り合うことなしに意思決定を行う両者が複数の均衡のなかから1つの均衡をうまく選び出すためには、双方が相手の意図を正確に読み取れていると確信できなくてはならない。

双方の予測が一致するシナリオがある場合、それを「均衡点」と呼ぶ。
ほかのペアとうまく落ち合うための鍵を握るのは、その場所が自分たちにとって待ち合わせに最もふさわしいということではない。重要なのは、各ペアにとってその場所が最もふさわしいとすべてのペアが思っていること。
(エンパイアステートビルがこの条件を満たしているのであれば、自分たちにとって不便な場所であったとしても、そこに行かなくてはならない。)

アメリカの都市を分け合うゲーム⇒アメリカ人の場合、80%を超す確率で、地理的基準に基づいて都市を選ぶ。(ミシシッピ側より東と西)

2人に正の整数を1つ選び、一致すれば商品⇒「1」を選ぶ人が圧倒的に多い。

駅ではぐれた場合、ドイツやスイスの鉄道の駅には、均衡点を作りだすために、わかりやすい「待ち合わせ場所」が設けられている。

ケインズの美人投票:
選んだ顔が投票で1位になれば、商品をもらえる。
賞品を手にするために必要なのは、自分自身が美しいと思う顔を選ぶことではなく、重要なのは、「大半の人が美しいと考える顔はこれだ」と大半の人が考えるのはどの顔かを見極めること
「美の絶対評価」を行うことではなく、「均衡点を見出すこと」が美人投票の眼目

株式市場では、どの投資家も値上がりする株を買いたいと考える。
「値上がりする株」とは、誰もが値上がりすると考えていると誰もが考えている株

●ある特定の時期に特定の業績や銘柄が注目株だとみなされる(=均衡点になる)理由は、話題性のある新規公開株だったり、有力アナリストの推奨があったりと様々。
ダウ平均1万ドルやナスダック指数2500ポイントなど、きりのいい数字に注目が集まる理由も、均衡点の考え方で説明がつく。

ダウ平均1万ドルといった数字が均衡点になるのは、きりがいい数字のほうが人々のコンセンサスが集まりやすいから。
均衡点は、単なる気まぐれやブームで決まる場合が少なくない

いちばん美しい候補者が美人投票で優勝し、いちばん優秀な企業の株価が最も値上がりする保証はまったくない。

数学畑出身のゲーム理論家はえてして、歴史的・文化的・言語的様子や全く必然性のない要素によって結果が左右されることを好まない。
but
社会の中で人間同士がプレーするゲームである以上、ゲームの社会的・心理的側面が影響をもつことは理にかなっている。

●一方の取り分が増えれば他方の取り分が減るという意味で、プレーヤー同士の利害は対立しているように見える場合でも、実際の交渉ではしばしば、もし両者が合意に達しなければ両方ともなにも手にできず、深刻な損失をこうむる。
ex.労使間の賃金交渉が決裂すれば、ストライキやロックアウトに発展する。
交渉決裂を避けたいという点においては、両者の利害が一致する。
均衡点を見出す必要がある。

その目的を達するためには、均衡点を見いだす必要がある。
双方がそれ以上譲れない一線はどこかという点について、お互いの認識が一致しなければならない。

「フィフティ・フィフティ」「中間をとる」~均衡点になりやすい。
←①単純明快だし、②フェアに見えるので、この種の案が浮上すると、それが均衡点になりやすい。

●企業経営者の報酬について、経営者にとって譲れない一線は、財界の平均より高い報酬を受け取りたい。
⇒前年の平均より高い報酬を支払うという仕組み。⇒企業経営者の報酬が常軌を逸した水準まで膨れ上がる。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
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