ケーススタディー② ゲーム理論(33)
6.もっと安全な決闘
自分が撃って成功する確率と相手が撃って失敗する確率がイコールになったときに撃とうとする(この判断に拳銃の制度は関係しない)。
拳銃の精度が向上しても、拳銃を使った決闘の危険性は変わらない。
7.三者決闘
第1ラウンド:ラリー、モー、カーリーの順に1発だけ撃てる。
第1ラウンド終了後、生き残った者は2発目を撃てるが、再びその順で撃つ。
ラリー:30% モー:80% カーリー:100%
逆戻り推量と逆の思考プロセスで手間が省ける。
ラリーの選択肢を検討。
ラリーにとって正解は、空に向けて撃つこと。
小物がスターになるには、最初のチャンスを見送った方がよい場合もある。
ライバルが多数⇒トップを走っている者は、二番手以降から集中攻撃を受け、潰されることがある。
~実力者が互いに潰しあうまで後方に控えておくほうが得。
強い者が生き残るとは限らない。
8.落札のリスク
ヴィックレー・オークション:自分の次に高い金額を入札した人物の額を支払う。
参加者としては、自分の評価額どおりに入札するのが、絶対優位の戦略。
価格が自分の評価額より安いときに必ず落札できる唯一の方法は、自分の評価額どおりに入札すること。
得をする程度が一定していなくても、得をするときは必ず落札できるように行動するのが最善の戦略。
9.祖国のために捧げる命
戦場で1人1人の兵士が命を危険にさらすことの損得を理性的に計算しはじめれば、その軍隊には勝ち目がない。
命令に疑問を持たないように訓練すれば、兵士は戦闘マシンになる。
1人1人の兵士に非合理的な行動をとらせることが、軍隊全体にとっては合理的な戦略。
シェークスピアの戯曲「ヘンリー五世」
「おお戦いの神よ
私の兵士から心を奪いたまえ。
彼らから恐れを失わせたまえ。
今すぐ取り払いたまえ、
彼らから考える力を」
「この戦いに気の進まぬ者よ。
汝を帰そう。
旅券を用意し、帰国のための王貨を
汝の財布に入れよう。
われらは、われらとともに死ぬのを恐れる者を仲間としてともに死すことはない」
申出を受けることは、恥の意識が邪魔をする。
申出を断ることは、兵士たちにとって心理的に退路を断つことを意味する。
⇒兵士たちは暗黙のうちに、死を躊躇しないという契約をお互いに交わした。
兵士たちが死を恐れており、王が殺されることはないと思っている。
⇒この疑念を払拭する必要。
×「私が命を危険にさらしていないと思っている者がいるようだが、そんなことははない。信じてほしい」
〇「諸君は、私と一緒に命を賭けて戦ってくれるのか」と、逆に兵士たちに問いかけることにより、自分が兵士とともに命を賭けるのを当然のことと思っているという印象を作りだした。
人間の感情を深く理解するという点では、心理学者や、ましてや経済学者は偉大な文学者にかなわない。シェークスピアから学ぶ価値は十分にある。
アムンゼンの同じ戦略:
南極に較べれば安全は北極探検に向かうという触れ込みで探検隊のメンバーを募集し、引き返せるぎりぎりの場所まで来て本当の目的地を告げた。
「探検旅行を続けたくない人はここで帰ってかまわない。祖国への帰国旅費も支払う。」
~
隊を離れたメンバーは1人もいなかった。
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