入札で成功する技・・オークション③ ゲーム理論(24)
11.アメリカ国債
旧制度:落札者が自分の入札した利率で利息を受け取る。
新制度:落札者はすべて、最高落札利率で利息の支払いを受ける。
一見新制度は政府に不利。
but
オークションのルールが変われば参加者のルールも変わる。
作用はすべて反作用を伴う(ニュートンの第3法則)。
⇒ルール変更という作用の効果は、入札者の反作用により相殺される。
自分の評価通りの利率で入札すれば良くなった。
財務省は損をせず、入札者は手間が省ける。
12.先取りゲーム
アップルのアイデアはすばらしかった。しかし、機が熟していなかった。
慎重に時期を待てばチャンスを逃しかねない。
早まり過ぎれば、失敗する危険がある。
アップルもUSAトゥデーも先取りゲームをプレーしていた。
機先を制して行動して成功を収めれば、市場を支配するチャンスがある。
問題は、いつ行動するか。
早く動き過ぎれば失敗する。
待ち過ぎれば、相手に先を越されてしまう。
先取りゲームは銃を用いた決闘に似ている。
銃を用いた決闘:
自分が10秒後まで待つつもり。相手は8秒後まで待つつもり。
⇒相手は9.99秒後まで撃つのを遅らせるべき。
10秒後まで待つというのは、相手に先に撃たせてはずすのを期待する。
~自分が先に撃つ場合と同等の勝率を期待できなければならない。
撃つべきタイミング:
「自分が撃って成功する確率」=「相手が撃って失敗する確率」となった時。
=自分の成功率+相手の成功率=100%になった瞬間。
13.消耗戦ゲーム
「先取りゲーム」の対極にあるのが「消耗戦ゲーム」
「消耗戦ゲーム」~どちらが長く持ちこたえるかという勝負。
長い時間(=高い金額)を「入札」したほうが勝者になるが、普通のオークションと違うのは、参加者の双方が「入札額」の支払いを求められること。
BSBとマードック:
コンテンツ取得競争⇒費用高騰
CMの獲得競争⇒CM料金の相場低下
我慢比べに勝てば、巨大な市場の利益を独り占めできる。
いま撤退したところで、すでに行った投資は返ってこない。
唯一の問題は、戦いに勝ったときの利益を考えた場合、これ以上のコストを負担することが理にかなうのかどうかだった。
踏みとどまる時間が長い方が勝つ。
相手の行動は、その人物があなたの行動をどう読むかによって決まる。
最善の行動は、相手と取引すること。
マードックは、1990年、BSBを吸収合併して、新会社BスカイBとして一本化。
14.周波数オーディション
オークション参加者が複数地域の免許のオークションに同時に参加できる。
同時オークション:
すべてのオークションについてすべての入札者が競り値の引き上げを見送った時点で終了する。
落札した場合に入札額どおりの金額を支払う形式のオークションの場合、自分の評価額どおりに入札することはあまりメリットがない。
~10ドル紙幣を落札するために10ドルを入札するようなもの。
評価:
A:NY10 LA9
B:NY9 LA8
教訓:
2つのゲームを一体のものとみなせる場合は、両方のゲームを視野に入れた戦略を採用するチャンスがある。
相互に関連のある複数のゲームが同時にプレーされる場合には、1つのゲームを単独でプレーする時とは異なる方法で相手に制裁を加えたり、あからさまな談合をせずに相手と協調したりするチャンスが生まれる。
⇒
いまプレーしているゲームが気に入らなければ、それをもっと大きなゲームの一部としてとらえられないか検討する。
ex.
富士フィルムがアメリカ市場に参入したときに、コダックには2つの選択肢があった。
アメリカ市場で対抗策をとるか、日本市場で対抗策をとるか。
アメリカ市場で値引き競争⇒コダックに打撃
日本市場で値引き競争⇒富士フィルムに打撃。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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