失敗をいかに防ぐか・・・協力と協調① ゲーム理論(19)
1.誰がために鐘型カーブは鳴る
勝者と敗者は常に同じ数だけいるが、ゲーム参加者全体のコストを減らすことは可能。
ゲームの参加者自らがカルテルをつくることはなかなか難しい。
外部の者が競争を制限する申し合わせをしてくれればそれに越したことはない。
1968年、法律によってたばこのTVコマーシャルは禁止
宣伝競争は互いを傷つけてきただけで、むしろ、金のかかる宣伝が減って利益が上向くことがわかった。
(MKA:タバコ会社の利益を広告会社が吸い上げていただけ。)
2.ベイ・ブリッジ
ベイ・ブリッジを利用で渋滞なし⇒20分でサンフランシスコにつく。
1時間当たり2000台増える毎に10分余計に時間がかかる。
鉄道を利用すれば、所要時間は40分。
~
4000人がベイ・ブリッジを使い、6000人が鉄道を使ったらどちらも40分で均衡点。
この均衡点は、通勤者全体の利益にとっては好ましいわけではない。
2000人だけがベイ・ブリッジ⇒10分間時間を短縮でき、それがベスト。
(2000人×10分)節約
鉄道の8000人は同じ。
なぜ、車の利用者は、規制のない状態では社会的に最も効率的な比率をとるように行動しないのか?
1人が新たに橋を利用すれば他の人の所要時間はほんの少し増加するが、この人はコストに見合う補償を支払う義務がないので自分の通勤時間のことしか考えないから。
(全体としての)最善の比率に持っていくために:
①ベイ・ブリッジ利用許可証を2000枚発行
②人が他人に及ぼした社会的コストの分だけ料金をとる。
ベイ・ブリッジに通過料として2ドル(10分分のコスト)を課す。
⇒2000人がベイブリッジを使い、8000人がバートを利用する状態が均衡点。
③ベイ・ブリッジの個人所有を認める。⇒料金を課すが、収入を最大にするには、節約される時間価値の合計額が最大になるようにする。
見えざる手は、「通勤時間」という商品に値段がついたときはじめて、通勤者の比率が最適になるように作用する。
収益が最大となる通行料を課されるとき、文字通り「時は金なり」という状況が生まれる。
通行料を徴収するためのコストが人々の時間の節約の利益を上回る場合もある。
(市場を造り出すのはコストゼロではない。)
3.キーボード文字の配列
1度、ある方式が慣習として確立されてしまうと、環境の変化により他の方式のほうが望ましくなっても、慣習を変えることは難しい。
1人の力では、社会の習慣を変えられない。人々の協調した決定がなされない限り、QWERTYと決別できない。「バンドワゴン効果」
ゼロの状態から⇒DSKに人気が集まる。
現実には、ほぼ100%のタイピストがQWERTYを使用⇒QWERTYは当初の合理性が色あせてしまっても永続的に使用される。
but
タイピストの一定割合(ここでは28%)を切り替えさせればDSKは普及する。
原子力でも、コストと安全性の面で最も優れた技術を探すことよりも、信頼性と迅速性が実証ずみの技術を選ぶことが優先された。
軽水炉はそもそも暫定的な技術として選ばれが、先頭でスタートを切ったためにみるみるノウハウを蓄積し、他の原子力技術は追いつく機会を失った。
ゲーム理論から得られる見識は、早い段階で将来の状況を認識せよと言うこと。
いったん1つの選択肢が動き出してしまうと、他のもっとすぐれた選択肢が発展している道が閉ざされかねない。
どの技術が今日の状況で有用であるかという点だけでなく、将来的にどの選択肢がベストであるかを初期段階にじっくり検討することは非常に有益。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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