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2013年9月14日 (土)

相手の行動を観察せよ・・・情報の解釈・操作② ゲーム理論(17)

5.中古車市場

保証をつける
~売り手が「私はこの車の状態がいいとわかっているので保証をつけられるのです」と暗黙に宣言したのと同じ⇒その車に問題が生じる可能性は低いはず。

保証をつけるという行為は売り手自身の損得勘定に基づく判断言葉だけの場合と違って信頼性がある。

ある人が自分のもっている非公開の情報を他人に伝えるために取る行動「信号」
ある特定の情報を伝達するうえで説得力のある信号を発するためには、その人物がその情報をもっている場合にかぎって最善の選択となる行動をとればいい。

買い手は、売り手が保証を提示するまで待つ必要はない。
自分が主導権を握って、「もし保証をつけてくれるのであれば、800ドル多く払いましょう」と申し出てもいい。
売り手が車に自信があれば、売り手にとって好ましい条件
⇒車の状態に関して売り手がもっている情報を引き出せる。

情報量の少ない側が情報量の多い側に要求して、情報を明らかにするような行動をとらせるの「選別」

中古車の状態が良好であるという信号として信頼性のある行動の条件は、車の状態が悪いとわかっている売り手にとっては不利益になる行動であること。
×整備士に依頼して車を調べてもらてもかまわない
vs.整備士が問題を見つけて買い手が手をひいても、売り手に経済的負担が生じるわけではない。
○買い手が整備士に依頼して車を点検させ、もし車に問題が見つかった場合はその検査費用を売り手が補償。

商品の品質の高さをどうやって伝えるかという課題は、まだ市場で定評が確立できていない新興の自動車メーカーも直面。
現代自動車は、駆動系のパーツについては10年間、走行距離10万マイルまで、それ以外のパーツについては5年間、走行距離5万マイルまでという前代未聞の手厚い保証を打ち出した

6.理論の歴史

情報の非対称性が市場を破綻させる 経済学者のジョージ・アカロフ

レモン(状態の悪い車)の所有者は1000ドル以上で売りたい。
レモンの買い手は1500ドルまでなら払ってもいい。
ピーチ(状態の良好な車)の所有者は3000ドル以上で売りたい。
ピーチの買い手は4000ドルまでなら払ってもいい。
売り手だけが自分の車の状態がレモンかピーチを知っている。

買い手はが払っていいのは最高でも1500ドルと4000ドルの平均の2750ドル。
⇒自分のもっている車がピーチだったら、この金額では売りたくない。
⇒市場はレモンしか売りに出されない。
⇒買い手は1500ドルまでしか払おうとしない。
⇒ピーチの市場は崩壊。
but
実際はレモンだけではない。
・車を調べる
・履歴を調べる
・売値を度外視して売却せざるを得ない人

現実にはさまざまな理由で、レモンの問題は和らげられている。

「信号」が説得力をもつ条件は、その行動を取ることによる損得が手持ちの情報の内容によって異なること

「選別」の考え方:
リスクの小さい加入者が好むのは、掛け金が少ないかわりに保障内容が弱いプラン。
どういうタイプの保険プランを選ぶかによって、その人のリスクの程度がわかる

保険という仕組みは、最もリスクが高いタイプの加入者を引き寄せてしまう。
(リスクの最も高い層が過剰に大きく、リスクの高い人ほど高額の保険に加入。)

好ましからざる取引相手を引き寄せる⇒「逆選択」

逆選択を逆手にとって好ましい結果を生み出す例:

キャピタル・ワンは、利用客に(少なくとも一定期間)他社のクレジットカードより低利での借り換えを認めた。
クレジットカードの顧客は①無借金派、②返済派、③踏み倒し派でいちばん儲かるのは②。
で、低利借り換えサービスに魅力を感じる顧客は②⇒最も利益をもたらすタイプの顧客だけを引き寄せることに成功。

MKA:魅力的な顧客にとっての魅力的な条件を考える。

7.選別と信号

経営の才能がない人物も簡単にMBAを取得できてしまうと、MBAの肩書きの有無を基準にその人物の経営の才能の有無を判別できない。
MBAの学位が判別基準として機能するためには、経営の才能がある人物のほうが容易に、もしくは安価にMBAを取得できることが条件となる。
引きつけたくないグループより、引きつけたいグループにとってその選別装置(この場合MBA)を利用するコストが小さいことが条件となる。

MBAの肩書に頼らずに選別できるのであれば、平均レベルの5万ドルそこそこの給料を払えば済むのに、その選別ができないので、才能のある人物に才能の証拠としてMBAを取得させ、この人たちにとってMBA取得が損にならないように9万ドル以上の給料を支払わなくてはならない。
この余計な4万ドルは、情報格差を埋めるための代償。

才能の有無を選別する方法がいくつかある場合、一番コストが小さい方法を選べばいい。
①試用期間で選別
②思い切った成果給制度⇒才能がある人は自信があるので、この種の給与制度を受け入れる可能性が高い。
③才能が実証されている人を引き抜く。

MBA保有者の給与が高すぎるのはダメ。
その場合、経営の才能が乏しい人にとってもMBA課程に入学することが割の合う選択になってしまい、MBA保有者の中に才能の乏しい学生が「混入」してしまう。

MBA取得のコストを回収するのに最低5年かかる⇒MBAを取得している女性がずっと仕事を続けるつもりだと言えば、企業はその言葉を信じていい。

「選別」と「信号」に共通するのは、その行動を取ることによって、特定の情報や個人的特性をもつプレーヤーを選りわけていること。

8.お役所仕事の効用

不正請求者と本当に怪我や病気をした請求者を選別する方法:
①保険金請求手続きにきわめて長い時間がかかる⇒1日働いた方が保険金より多額の金を手にできる人は、不正請求をしても割が合わない。
②現物支給にする。
ex.金でなく車椅子を現物で支給するようにすれば、不正申告の誘因を大幅に減らせる。

情報の非対称性の観点からいえば、物々交換のほうがメリットが大きい。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

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