ゲームの性格を変える、戦略活用行動③ ゲーム理論(13)
10.明確性と確実性
「脅し」や「約束」をする時は、どういう行動がどういう処罰(もしくは褒美)をもたらすのかを極めて明確に相手に伝える必要。
オールオアナッシングは必ずしもすぐれた戦略とはいえない。
ある1つの基準を上回った社員にいきなり莫大なボーナスを支給するより、生産性の向上度に応じて段階的にボーナスを増やしていく方が効果的
脅しや約束が効果をもつためには、相手がそれを信じなければならない⇒実行の確実性が必要。
脅しや約束をすべて同時に実行する必要はない。
相手がサラミ戦術を取る場合はとくに、複数の段階に細かく分けて脅しや約束を実行するのが効果的。
ex.答案が1分遅れるごとに一定の点を差し引くと言うペナルティ
11.脅しの大きさ
脅しが効果を発揮すれば、その脅しを実行する必要はない。
間違いが起きて途方もないコストが発生する確率がわずかでもある以上、脅しは目的を達するうえで必要最小限にとどめるべき。
脅しを実行する羽目になった場合のコストを小さくしたい⇒小規模な脅しから初めて、段階を追ってそれを強化していく(瀬戸際作戦)。
12.瀬戸際作戦
×「口を割らないと殺すぞ」
○「口を割らなければ引き金を引く。もし薬室に弾が入っていればお前は死ぬ」
~
ホワイトは、フォンテインが命を失うという危険をつくりだした。
しかも、脅しが繰り返されるたびに、その危険が増していく仕組み。
目隠しをしてヘリコプターから突き落とす(地上30センチ)。
「次はもう少し高い場所から落とすぞ」
⇒男は恐怖に駆られてすべてを白状。
脅しの大きさを目的達成に必要最低限にとどめるべき。
butどの程度が必要最低限かわからない。
⇒弱い脅しから始めて、相手が言うことを聞くまでだんだんエスカレートさせていく。
行動とそれに対する対応、計算と誤算、警告と誤った警告が事態を複雑にして戦争に発展する危険がある場合、その脅しが説得力を持つ。
「戦争の霧」
両陣営とも情報が断絶されていて、個人の恐怖や勇気、あるいは不確実性に行動が支配されている状況のこと。複雑な要因が多すぎて、すべてのものをコントロール下に置けない状況。
瀬戸際作戦:
その本質は、意図的に危険を作りだすことにある。
次第に危険が高まっていくチキンゲーム。
瀬戸際作戦では、どんなに慎重にことを運んでも悪い結果を招く危険性を排除できない。
危険をエスカレートさせていく過程で相手より先に自分が恐怖に負けそうだと思えば、そもそも瀬戸際作戦に乗り出さない方が身のため。
常に瀬戸際を踏みはずす危険がついてまわる。
ex.1989年6月の中国の学生虐殺は、瀬戸際からの踏みはずしが本当の起きた悲しい実例。
13.親子の駆け引き
親にとって、子どもが悪いことをしたときに罰を与えるのは簡単ではない。子どもは親の脅しが本気でないと、抜け目なく察知する。親だって子どもをばっしたくない。
この場合、どうすれば悪いことをしたときに罰を与えるという脅しに信頼性をもたせられるか?
「できることなら罰など与えたくないのだが、もし罰を実行しなければママとの合意を破ることになる」
~合意を破ることに伴うコストは、息子を罰するコストより大きい。したがって、脅しが信頼性を持つ。
「できれば罰を与えなくないが、もし罰を実行しなければパパ自身が正しくない行動を取ったことになり、パパが罰を受けることになる」
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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