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2013年8月18日 (日)

多角化のマネジメント ドラッカー(43)

●多角化は万能薬ではない

多角化成功の条件
① 市場
② 技術
③ 価値観の一致

多角化していないほどマネジメントしやすい。
単純であれば明快

「うまくいかなくなりそうなものは、いずれうまくいかなくなる」(マーフィの法則)
「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に。」

マネジメントできなくなる複雑さの限界:
トップマネジメントが現実の姿、そこに働く人、経営環境、顧客、技術を自らの目で見、知り、理解することができなくなり、報告、数字、データなど抽象的なものに依拠するようになったとき、組織は複雑になりすぎている。

●多角化の内的な要因
① 欲求
いかなる組織といえども、柔軟性を保ち、新しいことを試みるべき。さもなくば変化の能力が委縮し、小さな変化さえできなくなる。
集中⇒過度の専門化⇒昨日の専門化した組織は消滅の危機に瀕する

② 規模の不適切さ⇒経済連鎖における後方(原材料方向)への一貫化、又は前方(市場方向)への一貫化。
いずれの一貫化も規模の不適切さへの対策として行われる場合にのみ効果がある
but複雑さの増大と活動の多様化。新しい技術を必要とし、新しいリスクをおかす。
~収入と費用との不均衡を是正して初めて正当化できる。

③ コストセンターの収益化
ex.イギリスのJ.リヨン社のランドリー部門。

●多角化の外的な要因
① 一国の経済規模
国が小さい⇒企業も小規模⇒外国資本が現地企業と組む⇒現地企業の多角化
but経済発展に伴い、このような多角化は姿を消す。

② 市場の論理
グローバル企業

③ 技術
技術はその本質からして分岐する傾向。
技術が技術を生み、事業の多角化がそれに従う。

④ 現代の税制
投資家への資本の還元よりも、事業への再投資を優遇。
(資本の還元は返済とはされず、利益の分配と見なされ課税される。)
⇒余った資本を還元せず、それを使って多角化した方が得。

⑤ 2つの市場の出現
大衆市場としての資本市場と大衆市場としての人材市場が多角化を評価。

●多角化の調和
多角化には適切なものと不適切なものがある。
適切な多角化:単一市場や単一技術の企業に劣らない業績をもたらす。
不適切な多角化:不適切な事業に特化した単一市場や単一技術の企業なみの業績。
多角化そのものは、よくも悪くもない

集中⇒過度の専門化に陥る⇒多角化との調和が必要。
多角化⇒分裂と分散に陥る⇒集中が必要。

多角化を調和させ、一体性を保つための方法
共通の市場のもとに、事業、技術、製品、製品系列、活動を統合。
共通の技術のもとに、事業、市場、製品、製品ライン、活動を統合。

①の方が成功しやすい。

●共通の市場
市場による統合において注意すべき点:
市場が何であるかを決めるのは、生産者ではなく顧客
ex.ラジオやレコードプレーヤーのRCAがレンジや冷蔵庫に進出but失敗。
(←顧客である主婦にとって、台所と居間は別の世界。)
② 多角化が成功するのは、戦略(=自らの事業に含めるものを明らかにするもの)が有効な場合に限られる

●共通の技術
共通の市場を軸に技術の多角化を図るより困難。
守るべき5つの原則
① 技術は現実のもの(理論でなく技能)でなければならない。
×通信や輸送といった一般的コンセプト
② 技術は特有の卓越したもの(市場においてリーダーの地位を与えるもの)でなければならない。
③ 技術は付随的ではなく中核的でなければならない。
戦略がなければならない。
「最善の活用方法は何か」⇒「製品、サービス、市場に適用するうえで必要となる付随的な技術は何か」を明らかにする。
⑤ マーケティングについての知識と戦略が必要。

技術一家は、かつて手にしていた競争上の利点を失いつつある。それらの企業の周辺には、それらの技術の1つのみに集中することによって業績をあげ、市場シェアを高めている企業がいくつもある。
技術一家主義は、戦略としてすでに時代遅れであり多角化の限界に達している

●無効な多角化:
① 共通の市場による多角化と共通の技術による多角化を同時に行うこと。
vs.異なる思考、姿勢、戦略を必要とする。
トップマネジメントを2つに分けるか、一方の軸を軽視する必要。
② 事業は異なる周期をもち、相補うはずとの考え。
vs.下げ幅の大きな下降期においては、同じ反応を示す。
③ 資金需要の大きな事業を資金余裕のある事業に組み合わせるための多角化。
vs.成長する企業が長期にわたって資金余裕をもつことはめったにない。
④ 業績や成長のためではなく、多角化のための多角化。
⑤ 新事業への進出によって既存事業の弱さを補うという多角化。
vs.今の事業をマネジメントする力がないから、よく知らない別の事業に進出しようとの考えは誤り

●性格の一致
事業、製品、市場、技術が価値的に調和する必要。

ex.製薬会社による化粧品や香水への多角化の失敗。
(←化粧品や香水を心底大事なものと思っていない。)

●多角化のマネジメント
◎多角化のための手段:
① 自力開発
② 買収
全く異質⇒それらをともに行う組織はあまりない。
買収がうまくいったことのない企業は買収を考えてはならない(適切に買収に伴う些細な問題を処理する用意がない。)。
自力開発がうまくいかない企業は、自己開発に伴う問題を理解できない。イノベーションの能力がない。

ex.
GM:自力ではほとんど何も開発していない。butうまくいっている企業を買収し、花形事業に育て上げる。
GE:買収ではあまり成果をあげていない。but自力で新しい事業を成功させることでは優れた歴史がある。

◎不健全な多角化を正すための手段:
① 分離(←そのままでは資源を消耗し、マネジメントを押しつぶす。)
分離に際して検討すべき問題:
× いくらで売りたいか
○ 誰にとって価値があるか

② 合弁
最も柔軟な手段であり、今後ますます重要になる。
but最も難しい手段であり、最も理解されていない手段。

合弁事業の失敗⇒2つの親会社の利害も一致(最小の損失で手を引きたい。)する。
合弁事業の成功⇒親会社間の利害が一致していないことが突如明らかになる。
① 3組(親会社2社と合弁会社)の目標をあらかじめ明らかにする。
意見が対立し、問題が暗礁に乗り上げたときの対処の方策をあらかじめ定めておく(ex.両者が尊重する第3者をあらかじめ仲裁者に決めておく。)。
合弁会社に自立性を与える。独立性を保持し、独自の使命、事業、目標、戦略、方針を発展させる。
(←合弁の理由は、事業、製品、市場、活動がいずれの親会社の構造にも適していないから。)
④ 合弁が成功したとき、親会社のいずれからも分離して独立させる
←資金を自ら賄える体制でなければ、事業そのものの成長が阻害される。

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

 

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