自己管理による目標管理 ドラッカー(26)
●4つの阻害要因
組織の中での貢献は、共通の目標に向けられなければならない。
人を間違った方向へ持って行く4つの要因
① 技能の分化
←専門化により技能自体が目的となってしまう危険性。
技能の重要性は強調されるべきであるが、それは組織全体のニーズとの関連において。
② 組織の階級化
全員の目を仕事が要求するものに向けさせる組織構造が必要。
③ 階層の分離
階層によって仕事と関心に違い→「共通の言葉と共通の理解」の欠如。
④ 報酬の意味付け
いかなる報酬も、報酬システムが持っているさまざまな意味合いの妥協にすぎない。
かなりよいといえる報酬システムさえつくるのは難しい。
できることは、まちがった行動を褒めたり、まちがった成果を強調したり、共通の利益に反するまちがった方向へ導くことのないよう監視することぐらい。
●目標管理
マネジャーたるものは、上は社長から下は職長や事務主任にいたるまで、明確な目標を必要とする。
①自らの率いる部門があげるべき成果を明らかにする。
②他部門の目標達成の助けとなるべき貢献を明らかにする。
③他部門に期待できる貢献を明らかにする。
・ 目標は、常に組織全体の目標から引き出す必要。
・ 短期的視点とともに長期的視点から規定
・ 有形の経済的な目標のみならず、無形の目標(ex.マネジャーの組織化と育成、部下の仕事ぶりと態度、社会に対する責任についての目標)を含む必要。
・ 目標間のバランスを図る。(1つの側面だけを強調し、他の側面を犠牲にしない。)
・ 目標は組織への貢献によって規定。(ex.プロジェクト・エンジニアの目標は、技術部門に果たすべき貢献により規定。事業部長の目標は、組織全体に対して果たすべき貢献によって規定。)
・ 自らの目標を規定することも、自らの属する組織の目標の設定に参画することも、1人ひとりの責任。
●自己管理
目標管理の最大の利点:
自らの仕事ぶりをマネジメント(自己管理)できるようになる⇒強い動機づけをもたらす。
自己管理
①自らの目標を知る
②目標に照らして、自らの仕事ぶりと成果を評価
③そのための情報入手
それらの情報は、彼等自身に伝えるべきで、上司に伝えるべきではない。
←情報は、自己管理のための道具であり、上司が部下を管理するための道具ではない。
自己管理による目標管理は、人が責任、貢献、成果を欲する存在であることを前提とする。
自己管理による目標管理は、スローガン、手段、方針に終わってはならず、原則としなくてはならない。
それは、マネジメントの哲学たるべきもの。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))
| 固定リンク
「ドラッカー」カテゴリの記事
- 「リソースとしての人」(2017.05.18)
- 「シンジケート(企業連合)としての会社」(2017.05.17)
- 「連合としての会社」(2017.05.16)
- 「非伝統的従業員を管理(manage)する」(2017.05.15)
- 「PEOとBPOの利用」(2017.05.14)
「マネジメント」カテゴリの記事
- マネジメントのパラダイムが変わった ドラッカー(48・完)(2013.08.18)
- マネジメントの正統性 ドラッカー(47)(2013.08.18)
- イノベーション ドラッカー(46) (2013.08.18)
- 成長のマネジメント ドラッカー(45) (2013.08.18)
- グローバル化のマネジメント ドラッカー(44)(2013.08.18)
コメント