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2013年8月19日 (月)

人と問題とを区別する 交渉方法(2)

交渉者は人である
交渉者は抽象的な主体ではなく、感情をもつ人であり、それは交渉に影響する。

信頼関係→交渉をスムーズにする
信頼関係の確立→自分を良く感じたいという思いや自分がどう思われるかについての懸念→相手の利益に敏感になる
敵意→可能な解決の合理的な探求は不可能になり、交渉は失敗する。

●交渉者は2つの利益実体関係)を有する
「実体の問題」と「人の問題」はからみあう。
「立場による交渉」は、トレードオフの関係にある「実体的利益」と「良好な関係」の双方を扱う。しかし「譲歩」が「友好関係」につながるとは限らない。
(騙しやすいと思われるだけかもしれない。)

●関係を実体から分ける:人の問題を直接扱う
「人(関係)の問題」を実体的譲歩により解決しようとしない。

関係を、①正確な認識、②明快なコミュニケーション、③制御された感情及び④前向きの目的的態度に基づかせる。

心理的な問題を扱うには、心理的テクニックを使う。
① 認識が不正確→教育する方法を探す。
② 感情の高ぶり→感情の高ぶりから離脱させる方法を探す。
③ 誤解が存在→コミュニケーションを改善する。

相手だけでなく、自分自身についての人(関係)の問題も扱う必要。
(自分自身も、認識、感情、誤解があるかもしれない。)

●認識
相手の考えを理解
する。
←争いは、客観的事実にあるのではなく、人の頭に存在する。

◎相手の立場に立つ。
←物事の見方はその立場による。
人は自分が望むもの(ex.自分の長所と相手の欠陥)を見る傾向がある。

相手に影響を与えるためには、①相手の見方の力を感情的に理解し、②相手がそれを信じる感情的力を感じる必要がある。
but
相手の見方の理解はそれへの同意ではない。
相手の考えを理解することにより、状況についての自分の見方を変えることになるかもしれないが、それは利益である。
それは、争点を減らし、自分の新たな利益を増進させることに繋がる。

◎懸念から相手の意図を推論するな。
人は、自分が恐れることを相手が行うであろうと考える傾向がある。
相手が述べたことについて最悪の解釈をする傾向⇒合意に向けての新しいアイデアは相手にされず、立場の微妙な変化は無視/拒絶される。

◎自分の問題について相手を非難しない
正当化される場合であっても、非難は非生産的である。(●問題は将来に対する効果であって、過去の行動ではない。)
非難→相手は防戦的になり、こちらが述べることに対抗する。
問題について述べるとき、問題と人を分ける。
 
お互いの認識を議論する。
相手を非難することなく、率直かつ正直に、お互いの認識を議論する。
相手が重要と考えているものを、重要なものとして議論する。

相手の認識と一致しない行動をする機会を探す
相手の認識を変える最善の方法は、相手が予想するものと異なるメッセージを送ること。
ex.敵ではなくパートナーとして行動する。

プロセスに参加させることで、結果に関与させる。
自分の関与無くして決定された事柄には応じない。

顔をたてる:その提案を相手の価値に一致させる。
人々は、しばしば、その内容が受諾できないからではなく、相手に屈することを避けるために提案を受け入れない。
公正な結果→受け入れる。(●公正さ故に受け入れる場合には顔がたつ。)

●感情
感情は、交渉を行詰らせる。

◎最初に相手と自分の感情を理解せよ
相手と自分の感情を理解しその原因を考える。

感情を明確にし、それらを正当なものとして認識せよ
相手と感情について話す。
感情を率直に示すことは、相手を傷つけることにならない。
相互の感情を議論の明確な焦点とすることは、問題の深刻さを強調するだけではなく、交渉を反発的ではなく前向きなものにする

◎相手のいらいらを発散させる
人は、不平を詳しく話すという単純なプロセスを通じて、精神的に解放される
相手のいらいらを発散させると、後に理性的に話しをすることが可能になる。

相手が不平を話している際の最善の戦略は、相手の攻撃に反論することなく黙って聞き、時折相手が最後まで話をすることを促すこと。

◎感情的爆発に反応するな
感情の開放は、相手の感情的反発を導く場合危険である。
コントロールできない場合、暴力的争いになり得る。

会議で「一度に1人しか怒ることができない」とするルールが効果的

他が感情的に反応しないことを規則にする。
② 感情的発散を正当なものとすることでいらいらを発散させる。
③ 感情をコントロールするのを助ける。

象徴的ジェスチャーを用いる。
バラの花は恋人同士の喧嘩を終了させる。

しばしば建設的な感情的影響を与える行為はコストがかからない
ex.思いやりの表明、後悔の表明、握手、抱擁、一緒に食事をする、謝罪。

責任があるとは思わない場合でも、謝罪は感情を効果的に和らげることができる。
謝罪は、最もコストのかからない最も価値ある投資であり得る。

●コミュニケーション
コミュニケーションなくして交渉はあり得ない。
交渉は、共同の決定にむけての意思疎通のプロセス
but
コミュニケーションは容易ではない。

コミュニケーションにおける3つの問題
① お互いに相手を向いて話しをせず、また相手に理解されるように話をしない。(●自分の問題)
ex.
相手に見切りをつける。
相手ではなく、支援者や顧客に向かって話をする。

相手が聞く耳をもたない。(●相手の問題)
次の対応を考えるのに忙しく、また自分の支持者や顧客に注意をとられ、相手の話を聞いていない。
but
相手の話を聞かずしてコミュニケーションはあり得ない。

③ 誤解
言葉が違う場合、より誤解の可能性が高い。

◎積極的に聞き、相手が言うことを理解する(●聞く)

相手の見方を理解しなければ、自分の見方を相手に伝えることができない。
② 相手は聞かれて理解されていることに満足を感じる。(最も安上がりな譲歩は、聞いていることを相手に知らせることである。)
③ 相手以上に相手の状況を説明した上で反論できれば、建設的対話を始めるチャンスを最大化し、誤解していると思われる可能性を最小化できる。

①相手の考えを理解し、②相手の感情を感じ、③相手が言わんとすることを聞く。
「認識すること」は、「賛成すること」ではない。

理解されるように話す(●伝える)
交渉は討論ではない。

訴訟当事者:相手方
交渉当事者共通の解決策を考える仲間

× 相手に対する非難
事態の見方が違うことを明確に認識し、共通の問題に対処する者として対応する。

◎相手ではなく自分について話す
相手の行為についてより、自分が受ける影響の観点から問題を描写する。
(自分がどう感じるかの説明に対しては攻撃できない。)

目的のために話す
コミュニケーション不足ではなく、多すぎるコミュニケーションに問題がある。
伝えたいこと、その目的及びその情報が何に役立つのかを考えるべき。

●予防こそが有効
人の問題に対処する最善の時は問題が生じる前。

信頼関係を作る
個人的な知合い→交渉は容易になる。
抽象的な「相手」→攻撃しやすい。

ex.
・ 相手の好みを知る。
非公式に会う。
・ 交渉開始前早めに到着して雑談する。
・ 交渉終了後に残って雑談をする。

◎人ではなく問題に向き合う
対決→反発的になり相手の利益を無視する→「実体的問題」と「関係」を分けるのは難しい。
最も効果的な方法は、お互いに有利かつ公正な合意を求めるパートナーとして考える

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
 
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