人と労働のマネジメント ドラッカー(14)
★メモ
産業心理学は、そのほとんどがY理論への忠誠を称する。
butその中身は心理操作による支配であり、前提はX理論のもの。
仕事上の人間関係は、尊敬に基礎をおかなければならないが、心理的支配は、根本において人をばかにしている。
●有効な方法は何か
×マクレガーのY理論
vs.
人は機会さえ与えられれば、成果をあげるべく働くなどと仮定することはできない。
アメにもムチにも依存することはできない。
働くことと働く者の歴史は、とりたてて幸福なものではなかった。
例外:
働くことが成果と自己実現を意味した時期や組織=国家存亡の時。
自らが大儀に貢献していることを自覚。
働くことから得られる充実感があった。
but
これらは国に重大な危機が訪れなくても起こし得ること。
●日本企業での成功
1920年代から30年代にかけ大組織向けに開発。
① 仕事の研究や分析には、欧米と同じ方法、道具、技法を使う。
but職務の設計は行わない。仕事の内容を明らかにした段階で職場に任せる。
② あらゆる人が研鑚を日常の課題とする。
③ 終身雇用制。
④ 福利厚生の重視。
⑤ 若い者の面倒を見、育てることが、マネジメントの第1の責任とされる。
←終身雇用制&最初の25年はもっぱら年功序列で昇進させられる。
⑥ 組織のあらゆる階層において、意思決定が何を意味するか考え、責任を分担することが期待される。
(意思決定のプロセスそのものへの参加ではなく、意思決定を考えることへの参加。権限による参加ではなく、責任による参加。)
●ツァイス方式の秘密
光学ガラスをガラスを製造し精密レンズに加工するうえで必要なプロセスを分析し、この2つのプロセスを統合。
職務を編成する責任を実際に仕事をする人たちに負わせた。
(理論と技能を説明し、彼ら自身で職務を編成することを求めた。)
機械と工具の開発に取り組ませた。
体系的な訓練講座を開き、在職中ずっと参加させた。
研究集会も開かせた。
働く者自身が、自らの仕事を管理しなければならないと繰り返し言っていた。
業績をあげることを学び意欲のあることを示しさえすれば、景気変動に関わりなく雇用を保証していた。
●IBMの試行錯誤
<第1のイノベーション>
① 個々の作業を可能な限り単純に設計し、誰でもそれらの作業をこなせるよう訓練。
② それらの作業のうち少なくとも1つは、熟練技能や判断力を必要とするものにした。
③ 複数の作業を行わせることによって、仕事のリズムに変化を持たせた。
⇒
働く者が職務に誇りを持つようになり、生産性は大幅に向上。
監督はおらず、実際に働く者が仕事を理解し、そのための道具を使えるようにするための現場アシスタント(ボスではない)がいる。
<第2のイノベーション>
需要増に追いつくためエンジニアリングが終わらないうちに生産を開始する必要⇒生産現場で技術者と技能者が協力してエンジニアリングを行った⇒極めて優れたエンジニアリング⇒安く、速く生産できるようになっただけでなく、エンジニアリングに参加した者たちが生産性の高い優れた仕事ぶりを示した。
従来の理論は「権限」の組織化に焦点を合わせてきたが、日本企業、ツァイス、IBMは、働くことのマネジメントの基礎として「責任」の組織化を行った。
★
●X理論とY理論
ダグラス・マグレガ-の理論
X理論:人は怠惰で仕事を嫌う。
Y理論:人は欲求を持ち、仕事を通じて自己実現と責任を欲する。
●アメとムチ
X理論によるマネジメントは有効ではない。
マネジメントの手に、もはやムチはなく、アメさへ人を動かす誘因とはなり得なくなった。
⇒新しい現実にあったアメとムチとは?
●心理的支配
×
産業心理学は、そのほとんどがY理論への忠誠を称する。
自己実現、創造性、人格をいう。
しかし、その中身は心理操作による支配であり、前提は、X理論のもの。
人は弱く、病み、自らの面倒を見られない。
⇒疎外の恐れや安定への希求によって支配されなければならない。
vs.
支配する側に万能の天才を必要とする。
仕事のうえの人間関係は、尊敬に基礎をおかなければならないが、心理的支配は、根本において人をばかにしている。
(マネジメントだけが正しく、他の者はすべてばかであるとする。)
●有効な方法は何か
×マクレガーのY理論
vs.
人は機会さえ与えられれば、成果をあげるべく働くなどと仮定することはできない。
強者に対してさえ、責任の重荷を背負わせるには多くのものが必要。
アメにもムチにも依存することはできない。
一般に、働くことと働く者の歴史は、とりたてて幸福なものではなかった。
例外:
働くことが成果と自己実現を意味した時期や組織=国家存亡の時。
自らが大儀に貢献していることを自覚。
働くことから得られる充実感があった。
but
これらは国に重大な危機が訪れなくても起こし得ること。
●日本企業での成功
1920年代から30年代にかけ大組織向けに開発されたもの。
① 仕事の研究や分析のためには、欧米と同じ方法、道具、技法を使う。
but職務の設計は行わない。仕事の内容を明らかにした段階で職場に任せる。
② あらゆる人が研鑚を日常の課題とする。
③ 終身雇用制。
④ 福利厚生の重視。
⑤ 若い者の面倒を見、育てることが、マネジメントの第1の責任とされる。
←終身雇用制・最初の25年はもっぱら年功序列で昇進させられる。
⑥ 組織のあらゆる階層において、意思決定が何を意味するか考え、責任を分担することが期待される。
(意思決定のプロセスそのものへの参加ではなく、意思決定を考えることへの参加。権限による参加ではなく、責任による参加。)
●ツァイス方式の秘密
光学ガラスをガラスを製造し精密レンズに加工するうえで必要なプロセスを分析し、この2つのプロセスを統合。
職務を編成する責任を実際に仕事をする人たちに負わせた。
(理論と技能を説明し、彼ら自身で職務を編成することを求めた。)
機械と工具の開発に取り組ませた。ツァイスが長年の間世界的な独占を享受した裏には、働く者たち自身が設計し、あるいは改良した機械と工具があった。
体系的な訓練講座を開き、在職中ずっと参加させた。
研究集会も開かせた。
働く者自身が、自らの仕事を管理しなければならないと繰り返し言っていた。
業績をあげることを学び意欲のあることを示しさえすれば、景気変動に関わりなく雇用を保証していた。
●IBMの試行錯誤
<第1のイノベーション>
① 個々の作業を可能な限り単純に設計し、誰でもそれらの作業をこなせるよう訓練。
② それらの作業のうち少なくとも1つは、熟練技能や判断力を必要とするものにした。
③ 複数の作業を行わせることによって、仕事のリズムに変化を持たせた。
⇒
働く者が職務に誇りを持つようになり、生産性は大幅に向上。
監督はおらず、実際に働く者が仕事を理解し、そのための道具を使えるようにするための現場アシスタント(ボスではない)がいる。
<第2のイノベーション>
需要増に追いつくためエンジニアリングが終わらないうちに生産を開始する必要⇒生産現場で技術者と技能者が協力してエンジニアリングを行った⇒極めて優れたエンジニアリング⇒安く、速く生産できるようになっただけでなく、エンジニアリングに参加した者たちが生産性の高い優れた仕事ぶりを示した。
従来の理論は「権限」の組織化に焦点を合わせてきたが、日本企業、ツァイス、IBMは、働くことのマネジメントの基礎として「責任」の組織化を行った。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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