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2013年7月11日 (木)

裁判員法35条1項の異議申立てと裁判員等選任手続の停止

最高裁H25.3.15   

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律35条1項の異議申立てと裁判員等選任手続の停止 

<事案>
裁判員対象事件である強盗致傷等事件の被告人が、裁判員等選任手続において、不公平な裁判をするおそれ(裁判員法18条)があるとして、いわゆる理由あり不選任決定の請求(同法34条4項)をしたが、同請求を却下され、これに対し、地方裁判所に異議の申立て(同法35条1項)をしたものの、その後の裁判員等選任手続に置いて、当該裁判員候補者を裁判員及び補充裁判員に選任する決定(同法37条1項2項)がされなかったという理由で、もはや法律上の利益を欠き不適法であるとして異議の申立てを棄却された。
⇒特別抗告を申し立てた。

<規定>
裁判員法 第35条(異議の申立て)
前条第四項の請求を却下する決定に対しては、対象事件が係属する地方裁判所に異議の申立てをすることができる。
2 前項の異議の申立ては、当該裁判員候補者について第三十七条第一項又は第二項の規定により裁判員又は補充裁判員に選任する決定がされるまでに、原裁判所に対し、申立書を差し出し、又は裁判員等選任手続において口頭で申立ての趣旨及び理由を明らかにすることによりしなければならない。
3 第一項の異議の申立てを受けた地方裁判所は、合議体で決定をしなければならない。
4 第一項の異議の申立てに関しては、即時抗告に関する刑事訴訟法の規定を準用する。この場合において、同法第四百二十三条第二項中「受け取つた日から三日」とあるのは、「受け取り又は口頭による申立てがあつた時から二十四時間」と読み替えるものとする。

刑訴法 第425条〔即時抗告の執行停止の効力〕
即時抗告の提起期間内及びその申立があつたときは、裁判の執行は、停止される。

<判断>
裁判員法35条1項の異議の申立てには、裁判員等選任手続の性質上、即時抗告の執行停止の効力に関する刑訴法425条は準用されず、上記の異議の申立てがされても、裁判員等選任手続が停止されるものではないと解すべき。 

http://www.simpral.com/hanreijihou2013kouhan.html

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