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2013年5月 2日 (木)

車両保険の免責

大阪地裁H24.11.30   

被保険自動車に薬剤をかけられ塗装が損傷したとして求めた保険金請求につき、右損傷は保険契約者またはその意を通じた者によりなされたものと認められるとして、請求が棄却された事例 

<事案>
Xが、本件車両(ベンツ)の車体全体に薬剤がまかれ塗装に損傷を受けたとして、本件車両につき車両保険を契約を締結しているY保険会社に対し、456万円余の保険金を請求。 

<判断>
本件車両の購入と保険契約の締結の際のやりとり、本件車両の管理状況と本件駐車場への入庫状況、本件車両の損傷とXとYとのやりとり、本件車両の修理状況等について認定した上
①通りすがりの第三者やXに恨みを持つ者が右損傷を行う可能性は極めて乏しいこと
②X又はYと意を通じた第三者が、保険事故によりXの提出する修理代金の見積書ないし領収証のとおりの保険金を取得した場合には十分な経済的メリットがあったこと
③保険契約における車両保険金額が本件車両の購入価額に比して明らかに高額なものであること
④Xの保険事故歴は3年余りの短い期間のうちに3度も昇こと
などに鑑みると、本件事故がX又はXと意を通じた第三者により招致されたものであるとの事実は優に認定できる。
⇒Yの免責の主張を認め、Xの本訴請求を棄却。 

<解説>
車両保険事故の発生ないしその偶然性の立証については直接これを証明する証拠がある場合は少なく、多くの間接事実の積み重ねにより判断するほかない。 

裁判例では
①事故の客観的状況
②請求者の事故前後の行動
③請求者の属性・動機等
④保険契約に関する事情等
の間接事実を総合して判断している。

http://www.simpral.com/hanreijihou2013zenhan.html

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