« 生存していた相当程度の可能性の侵害に対する慰謝料 | トップページ | 異時廃止後の破産管財人の原告適格 »

2013年2月10日 (日)

携帯電話の解除料条項と消費者契約法

京都地裁H24.11.20   

携帯電話の利用契約の解除料条項が消費者契約法9条1号、10条に違反しないとし、適格消費者団体の差止請求が棄却された事例 
 
<事案>
携帯電話の利用契約が利用者によって解除された場合における解除料に関する条項の差止めが問題になった事件 
携帯電話の利用契約を消費者と締結するに際し、2年間の定期契約とし、2年経過後は自動更新し、更新月の翌月及び翌々月の基本料金を無料とする。
契約期間中に契約を解除する場合には、解除料(9975円)を徴収するが、更新月に解約した場合には解除料の支払を要しない。

<規定>
消費者契約法 第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
二 当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分

消費者契約法 第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
 
<争点>
消費者契約法9条1号、10条の該当性
①同法適用の可否
②本件解除料条項の同法9条1号の該当性
③本件解除料条項の同法10条前段、後段の該当性 

<判断>
本件解除料条項が契約の中心条項に当たらないとし、消費者契約法の適用を肯定。
同法9条1号所定の損害賠償の予定なしい違約罰に該当するとし、解除料が平均的損害を超えるかについては、民法上損害賠償の予定、違約罰を請求する際には逸失利益の考慮が許されるのが原則であり、本件につきこれを修正する法律の明文の規定はない
⇒逸失利益を考慮できる。

通信料等に関する収入と費用を除き、基本使用料、オプション料、保証料金等の固定的な費用を基礎に逸失利益を算定する等し、当初の解除料、更新料の解除料は平均的損害を超えない
⇒同法9条1号に反しない。

本件解除料条項が消費者契約法10条前段に該当すると認めたものの、同条後段については、最高裁H23.7.15の基準によりつつ、本件の諸般の事情を総合考慮し、当初の更新料、更新後の更新料に関する条項が信義則に反して消費者の利益を一方的に害する場合とはいえない
⇒同条後段の要件を満たさない。

http://www.simpral.com/hanreijihou2013zenhan.html 

大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
真の再生のために(事業民事再生・個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP(大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文))

|

« 生存していた相当程度の可能性の侵害に対する慰謝料 | トップページ | 異時廃止後の破産管財人の原告適格 »

判例」カテゴリの記事

民事」カテゴリの記事

消費者」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/132655/56737875

この記事へのトラックバック一覧です: 携帯電話の解除料条項と消費者契約法:

« 生存していた相当程度の可能性の侵害に対する慰謝料 | トップページ | 異時廃止後の破産管財人の原告適格 »