■2 企業とは何か
●企業=営利組織ではない
「利益」は、企業や企業活動にとって、目的ではなく条件(必要なもの)である。
~企業活動や企業の意思決定にとって、原因や理由や根拠ではなく、その妥当性の判定基準となるもの。
●企業の目的
企業の目的は、それぞれの企業の外にある。
企業の目的の定義は1つしかない・・・顧客(=市場)を創造すること。
⇒
企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能をもつ。
①マーケティング
②イノベーション
顧客が価値を認め購入するものは、財やサービスそのものではなく、それが提供するもの(=効用)。
●マーケティング・・顧客の欲求からスタートする
○「顧客は何を買いたいか」
×「われわれは何を売りたいか」
○「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」
×「われわれの製品やサービスにできることはこれである」
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすること。
●イノベーション・・新しい満足を生み出す
企業の第2の機能は、イノベーション、すなわち新しい満足を生み出すこと。
× 価格の低下をもたらすもの。
○ 価格の低下のみでなく、よりよい製品、より多くの便利さ、より大きな欲求の満足。
既存の製品の新しい用途を見つけることもイノベーション(ex.イヌイットに対して凍結防止のため冷蔵庫を売る(=新市場の開拓であり新製品の創造))
× 発明 技術のみに関するコンセプト
○ 経済にかかわること。経済的イノベーション、社会的イノベーション。
× 1つの職能(技術や研究)
○ 企業のあらゆる部門、職能、活動に及ぶ。製造業だけでなく流通業にも及ぶ。
イノベーションとは、人的資源や物的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい能力を生み出すこと。
●生産性に影響を与える要因
資源を生産的に使用する必要がある。(=企業の管理的機能)
この機能の経済的側面が「生産性」
必要なのは(目に見えないものも含め)成果に結びつくあらゆる活動を含む生産性のコンセプト。
生産性に重大な影響を与えるが、目に見えない要因。
① 知識:
正しく適用したとき最も生産的な資源となる。
間違って適用すると、最も高価でありながら、全く生産的でない資源となる。
② 時間:
もっとも消えやすい資源。
人や機械をフルに使ったときと、人や機械を半分しか使わないときでは、生産性に大きな差。
③ 製品の組合せ(プロダクト・ミックス):
製品の組み合わせ=資源の組み合わせ
④ プロセスの組合せ(プロセス・ミックス):
購入と生産、組み立ての内製と外製、流通業にまかせ彼らのブランド使わせるのと自らの販売網を使い自らのブランドを使うのの、いずれが生産的か。
⑤ 自らの強み(と限界):
いかなるマネジメントにも能力と限界がある
⇒それぞれの企業とそのマネジメントに特有の能力を活用し、特有の限界をわきまえる。
⑥ 組織構造の適切さ、および活動間のバランス
× トップマネジメントが、マーケティングに関心をよせるべきであるにもかかわらず、技術にしか関心を示さない。
以上は、労働、資本、原材料など、会計学や経済学のいう生産的要因に追加すべき要因。
●利益の持つ機能とは何か
利益は原因ではなく結果
⇒それ自体致命的に重要な経済的機能を果たす。
① 成果の判定基準
② 不確定性というリスクに対する保険
③ よりよい労働環境を生むための原資
④ 医療、国防、教育、オペラなど社会的なサービスと満足をもたらす原資
利益について弁解は無用。
企業人が罪を感じ弁解の必要性を感じるべきは、経済活動や社会活動の遂行が困難になる(=利益を生むことができなくなる)こと。
マネジメント(ドラッカー)
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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