選挙管理委員会の委員の給与についての条例の有効性
最高裁H23.12.15
行政委員会の委員を含む非常勤職員の報酬制度の定めについては、県議会の裁量に委ねられており、当該非常勤職員の①職務の性質、内容、職責、②勤務の態様、負担等の諸般の事情を考慮して、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるかを判断すべき。
本件委員については、
①職務の性質、内容、職責等の点については、執行機関であり、その事務について最終的な責任を負う立場にあること、
②勤務の態様、負担等の点については、その職務の性質上、必ずしも登頂実日数のみで評価されるものではない。
⇒
20万2000円の月額報酬を定める条例の規定は、地方自治法法203条の2第2項の趣旨に照らして特に不合理であるとは認められず、県議会の裁量権の範囲の逸脱逸脱又は濫用に当たるとはいえず、違法、無効であるとはいえない。
⇒
原判決を破棄し、滋賀県労働委員会及び同収用委員会の委員に係る訴えを却下し、本件委員に係る請求を棄却し、附帯上告も棄却。
<規定>
地方自治法 第203条の2〔報酬、費用弁償等〕
普通地方公共団体は、その委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない。
②前項の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。
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