■3 事業とは何か
●自社をいかに定義するか
あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、
「われわれの事業は何か。何であるべきか。」と定義することが不可欠。
●われわれの事業は何か
企業の目的と使命を定義するとき、出発点は1つしかない・・顧客。
顧客にとっての関心は、彼らにとっての価値、欲求、現実
⇒顧客の価値、欲求、期待、現実、状況、行動からスタート。
●顧客は誰か
顧客は常に1種類ではない。
顧客によって、期待や価値観は異なる。
ほとんどの事業が少なくとも2種類の顧客をもつ。
ex.
カーペット産業⇒建築業者と住宅購入者
生活用品のメーカー⇒主婦、小売店
●「顧客はどこにいるか」
シアーズが成功した秘密の1つは、顧客がそれまでとは違う場所にいることを発見したこと。
農民は自動車を持ち、町で買い物をするようになっていた。
●「顧客は何を買うか」
「われわれの競争相手はダイヤモンドやミンクのコートだ。顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ」⇒破産寸前のキャデラックを救った。
大恐慌時にもかかわらず、キャでラックは成長事業へと変身した。
●いつ問うべきか
苦境に陥ったときに「われわれの事業は何か」を問わなければならない。
(そのようなときに問いかけるならば、目ざましい成果をあげ、回復不能と見える衰退すら好転させることができる。)
but
常に問わなけれならない。
「われわれの事業は何か」を真剣に問うべきは、むしろ成功しているとき。
成功は常に、その成功をもたらした行動を陳腐化する。新しい現実をつくりだす。
新しい問題をつくりだす。
●われわれの事業は何になるか
企業に関わる定義は、せいぜい10年が限度。
⇒
「我々の事業は何になるか。我々の事業のもつ性格、使命、目的に影響を与え得る環境の変化は認められるか。」
「それらの予測を、事業ついての定義、即ち事業の目的、戦略、仕事の中に、現時点でいかに組み込むか。」
を考える必要。
① 人口構造の変化:
人口構造だけが未来に関する唯一の予測可能な事象
② 経済構造、流行と意識、競争状態の変化によってもたらされる市場構造の変化:
競争状態(直接の競争だけでなく間接の競争も含む)については、顧客の製品観やサービス観に従って明らかにする必要。
③ 「今日の財やサービスで満たされていない欲求は何か」
この問いを発し、正しく答える能力を持つことが、波に乗るだけの企業と成長企業との差になる。
(波に乗っているだけの企業は波とともに衰退。)
●われわれの事業は何であるべきか
「われわれの事業は何になるか」:予測される変化に適応するための問い。
「われわれの事業は何であるべきか」:
現在の事業を全く別の事業に変えることによって、新しい機会を開拓し、創造することができるかもしれない。
(この問いを発しない企業は、重大な機会を逃す)
考慮すべき要因は、社会、経済、市場の変化であり、イノベーション(自らによるイノベーションと他者によるイノベーション)。
●われわれの事業のうち何を捨てるか
企業の使命に合わなくなり、顧客に満足を与えなくなり、業績に貢献しなくなったものの体系的廃棄。
「それらのものは、今日も有効か、明日も有効か」「今日顧客に価値を与えているか、明日も顧客に価値を与えるか」「今日の人口、市場、技術、経済の実態に合っているか。合っていないならばいかにして廃棄するか、あるいは少なくとも、いかにしてそれらに資源や努力を投ずることを中止するか」
この問いに対する答えに従って行動して初めて、「あるべき事業」に時間・資源・意欲を振り向けられる。
事業の定義があってはじめて、目標を設定し、戦略を発展させ、資源を集中し、活動を開拓することができる。
業績をあげるべくマネジメントすることができる。
大阪のシンプラル法律事務所(弁護士川村真文)HP
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